秋の夜長に'78年にタイムトリップ【電子版RIDERS CLUB '78年7月号~'79年9月号公開】
まるでタイムスリップして37年前の記事を読んでいる気分! 「退屈な高速道路を捨てて、ワインディングロードへ入っていこう。ここでは理屈抜きに楽しめるといって良いだろう。(中略)比べるものが無いので表現に困るが、500ccと同等の感覚で走れる。しかし構えて走らなくても良いとはいうものの、Kでも見せていた路面追従性が少し貧弱であることを忘れてはならない。Kほどではないにせよ、極端に荒れた路面に覚悟なしに突っ込んでゆくと、先ず初めにフロントが暴れ出し、そしてリヤもこれに追従する。調子に乗って深いバンク角で限界を攻めていくと、マシンにいましめられる結果となる」 ……1979年9月号に掲載されているCB750F(若い人向けに言うと『バリバリ伝説』の巨摩郡が乗ってたバイク)のインプレッションの一節である。’79年という高度経済成長真っただ中、とはいえエンジンは空冷、タイヤは細いバイアスタイヤ、フレームも鉄……という時代の記事だが、インプレッションの物差しが今と変わらないことに驚かされる。 弊社の最初の月刊誌であるバイク雑誌『RIDERS CLUB』の500号記念企画として、全500号のデジタルデータが(No.500に記載されているコードを入力すると)2週間に渡って閲覧できる。それに先立って、どういう形で閲覧いただけるのか、先行公開としてNo.02~No.15を公開している。秋の夜長の無聊を癒すのに、ぜひご覧いただければと思う。 RIDERS CLUB digital LIBRARYお試し機能 http://digital-library.jp/rc500/
ライダースクラブが創刊された’78年はどんな年だったのだろう?
’78年がどんな時代だったのか想像するだけで楽しい。 最初のSR400/500のが発売された年でもある。 また、鈴鹿8耐も始まった年だ。
ウェス・クーリーとか、グレーム・クロスビーとか、それなりのお年の方しか知らないライダーが、巨大な鉄の塊のようなバイクで8耐を走っている姿を見ることができる。 思えば、ライダースクラブ、SR、鈴鹿8耐という、今に繋がる何かが始まった年だったのだなぁ。’78年がどういう年だったのか、非常に感慨深いものがある。 グランプリの記事には何と、「ケニー・ロバーツ5位以下をラップ、無敵の500初優勝」なんて、バリー・シーンや、パット・ヘネンとの死闘を描いた記事が載っている。私はここまで昔は知らないが、’80年代後半だって、海外のGPの記事が貴重だったことを考えると、この時期いかにレースレポートが貴重だったかは想像に難くない。
表紙の撮影シーンに思いを馳せるのもまた楽しい
何と言っても注目いただきたいのは表紙の写真の美しさだ。下はNo.8、’78年7月号の表紙。カメラマンは創刊号からずっと写真を撮り続けていた帆足カメラマン。手元の資料によると、フィルムはEPRの4×5。500wのクリアーフラッドランプを使い、カメラ位置の上に4mほどの白布を張り、シャッタースピードは1/2時間(!)で1段増感しているのだという。場所は昭島の多摩川河川敷で、月は別途35mmで撮影したものを複写合成で入れ込んでいるのだそうだ。 表紙の写真をそれぞれ、どうやって撮ったか、考えてみるだけでも楽しい。
◆表紙撮影の秘蔵エピソードも公開! 500号記念スペシャルコンテンツ“表紙でたどる『RIDERS CLUB』の歴史”