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現代バイク用語の初心者講座【ラジアルマウントキャリパー】

何かと専門用語が多いバイクの世界。自分でも使うけど、実はよく知らない……なんていう言葉も多いはず。「今さら」なんて言わずに、Let’s Study!

高剛性が制動力を最大限に引き出す、ラジアルマウントキャリパー

レーシングマシンでは当たり前、ストリートバイクでも採用例が増えてきたラジアルマウントキャリパー。バイクでは2000年代初頭から採用が始まった技術だ。「ラジアル」とは「放射状」という意味の言葉。ブレーキキャリパーをフロントフォークに固定するキャリパーボルトが、ホイールの中心から放射状に配置(正確には放射状ではないが)されていることでラジアルマウントと名付けられた。対して、従来からあるブレーキキャリパーのマウント方式はアキシャルマウントと呼ばれている。これは、キャリパーボルトがアクスルシャフトと「同軸上=アキシャル」に配置されているのが呼称のもとになっている。 

さて、ラジアルマウントキャリパーが高性能なマシンに多く採用されている理由は、そのマウント方法による、ねじれ剛性の高さにある。ディスク式ブレーキが作動する際、回転するディスクをキャリパーが挟み込む。この時、キャリパーがディスクの回転方向に引きずられる。キャリパーはディスクの片側に固定されているため、ディスクを反対方向にねじる力が発生するのだが、ラジアルマウントは、キャリパーボルトが締結する方向のおかげで、ねじれづらい特性を持つ。 

結果、制動力が安定し、コントロール性もより高くなるというのが、ラジアルマウントキャリパーのメリット。ブレーキシステムの性能を、引き出しやすくするためのメカニズムなのだ。

ブレーキ作動時にねじれが発生すると、ディスクやキャリパーが変形し、また両者が元の形に復元しようとするため、パッドとディスクの当たり面を乱したり、ピストンを押し戻すといった現象が起きる。剛性の高いラジアルマウントキャリパーは、その影響が小さいのだ。
アキシャルマウント
ラジアルマウント

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