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世界初?! 中野真矢がドゥカティ スーパーレッジェーラを一気乗り!

1299 SUPERLEGGERA:カーボンフレームを採用したLツイン最後の怪物

第1世代ではマグネシウム合金を軽量化の大きな武器としていたスーパーレッジェーラだが、初代から3年後に登場した1299では〝カーボン推し〞に路線変更。モノコックフレームと片持ち式スイングアームと前後ホイールをカーボンファイバー製とし、排気量アップを果たしつつも乾燥重量増をわずか1kgに抑えた。リアサブフレームや外装類にも1199に引き続きカーボンファイバー素材が使われた、まさに全身カーボンのモンスターだ。 

ちなみに中野さんは「軽いけど接地感がないわけでも、変にカタいわけでもない。カーボンに対する印象が変わりました」と話している。 

一方でスーパークアドロ・デスモドロミックエンジンは、排気量が1285㏄に拡大。1299パニガーレ用と比べて、圧縮比アップやシリンダーライナーのアルミ化、専用開発された吸排気ポートを備えたシリンダーヘッドの採用をはじめとする徹底したチューンが加えられ、最高出力は215hpにまで達した。これはドゥカティの市販Lツインモデルとしては史上最高スペックで、現在も破られていない。 

1代限りのドリームマシンと思われたスーパーレッジェーラは、500台限定発売された’17年型の1299スーパーレッジェーラで、再び世界中のスポーツバイクファンを最高潮に興奮させた

1299スーパーレッジェーラで見逃せないもうひとつの大きな進化は電子制御。ドゥカティ市販車として初めて、6軸IMU(慣性計測ユニット)をフル活用したDVACエレクトロニクスパッケージが搭載された。これにはトラクションコントロール、スライドコントロール、ウィリーコントロールが含まれ、モトGPマシンに近い制御をライダーにもたらす最初のドゥカティ市販車となった。さらに、エンジンブレーキコントロールやボッシュ製コーナリングABS、ドゥカティデータアナライザーも標準装備されている。 

このマシンが誕生した翌年、ドゥカティはフラッグシップをV4に変更。1299スーパーレッジェーラこそがLツインの完成形となった。

Nakano’s Impression

「驚くほど、扱いやすく進化2気筒の最高到達点です」

1199と比べてスムーズ。全開にしている時間は明らかに長く、スポーツモードで乗っているとまるで600ccのようです。そこからレースモードに切り替えて、リアタイヤをより潰したりスライドさせたりできるようになると、いよいよ本領発揮。こちらも乗り方を変えて対処しましたが、ここでも異常に扱いやすくて、でも速い。とても不思議な感覚です。リアの動きがわかりやすい車体もポイントなのですが、それ以上に賞賛したいのはスロットルを開けた瞬間のエンジン。ドンつきなんて皆無だし、速く走るほどライダーの感覚と合ってきます。“燃えはじめ”が最高に気持ちよく、完璧なセッティングが施されたキャブレターマシンのよう!

A7075アルミ合金素材を内装したカーボンファイバー製モノコックフレームは、1299パニガーレ用のアルミ合金フレームと比べて40%(1.7kg)軽量化している
A7075アルミ合金素材をインサートしたカーボンファイバー製スイングアームは、アルミ製のパニガーレと比べて0.9kg軽量
ハイマウントデュアルサイレンサー付きとなるオールチタン合金のアクラポヴィッチ製エキゾーストシステムはSBKマシンと同仕様
鍛造アルミ製ホイールと比べて前後で約1.4kgも軽い、アルミ製ハブ付きのカーボンファイバー製前後ホイールも特徴のひとつだ
オーリンズ製FL936フォークは、パニガーレR用より1.35kg軽い。ブレンボ製M50キャリパーには新たにTT29OP1パッドを装着
1199スーパーレッジェーラと同じくオーリンズ製TTX36リアショックにはチタンスプリングを採用。スチール製より0.5kg軽い
ハンドルまわりの構成やトップブリッジのデザインは1199スーパーレッジェーラを踏襲。当然のように外装類はフルカーボン製

エンジンは1299パニガーレより2.1kg軽量。吸排気系バルブの拡大、2本ピストンリングピストンや砂型鋳造クランクケースも採用された

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