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MotoGPマシンから市販車まで貫かれる、”ライダー最優先の開発思想”|GSX-S1000GT&Hayabusa

徹底的なフリクション低減が生む、上質なライディングフィール

エンジンをかけると、重厚なサウンドが響く。上質な音を聞くだけで、きっちりとチューニングされていることがよく分かる。信じてもらいにくいかもしれないが、内部のムービングパーツが抵抗なくスルスルと動いているからこその、エンジンサウンドだ。音質は違うが、「MotoGPマシンのような」と言いたくなる。 

走り出すと、欲しいだけのトルクが気持ちよく得られる。しかも右手、エンジン、後輪がすべて直結しているようなダイレクト感だ。MotoGPでは一般化しているライダー・トルク・デマンドという考え方が投入されているとしか思えない。「最上級のエンジンを作ろう」というスズキの意気込みを感じる。 

ハンドリングは、2代目から比べると運動性能が高められている。ハンドル操作に対してクイックに反応してくれて、巨躯をヒラヒラと操ることができる。前輪からのフィードバックが豊富なので、Hayabusaらしい豪快さを安心して楽しめる。それでいて、メガスポーツにふさわしい快適な乗り味も忘れていない。スポーツ性と快適性とのバランスは見事だ。 

トラクションコントロールの効き味、ABSの介入の仕方など、すべてが上質。究極をめざしたスズキの思いが伝わってくる1台だ。

(青木宣篤)

Hayabusa

  • エンジン:水冷4ストローク直列4気筒4バルブ
  • 排気量:1339cc
  • 最高出力:188ps/9700rpm
  • 最大トルク:15.2kgf・m/7000rpm
  • シート高:800mm
  • 車両重量:264kg
  • 価格:215万6000円
フロントはKYB製φ43mm倒立フォーク。センターにフルカラー液晶ディスプレイを配すメーターは、どこか懐かしさも。シフトフィールが選べるクイックシフター、トラコンなど電子制御も盛りだくさんだ。マフラーは重厚なデザインの左右2本出しを採用

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