MotoGP/あの激闘の舞台裏が丸わかり! DVD『レーシング・トゥゲザー』
今だからこそ見ておきたい動画作品をお届け! Wickマシノの#おうち でモタスポオススメのDVD
私、マシノがレース現場の撮影を始めたのは1983年。それからバイクを取り巻く世界も激変しているが、この仕事を通じて出会った珠玉の作品を紹介していく。
増野知英● Tommy Mashino
ウィック・ビジュアル・ビューロウ代表取締役。レース関連の映像制作や、DVD制作&販売を行いながら、日本のレースシーンを裏側から支える重鎮
RACING TOGETHER 1949-2016 レーシング・トゥゲザー チャンピオンの承継 1949-2016
王座をかけてサーキットの内外で繰り広げるライバルたちの駆け引きがレースを見る者の感情をより一層昂ぶらせる。これはまさに“MotoGPの歴史”そのものだ。
2018年10月にリリースされたMotoGP初となる公式ドキュメンタリー作品。1949年から2016年のMotoGPの歴史を公式映像で振り返っている。シーンとロバーツ、ローソンとガードナー、レイニーとシュワンツ、そしてロッシとマルケスといったライダーたちの交錯する人生を振り返る
ライダーたちのバトルはレースだけじゃない!?
49年から始まったロードレース世界選手権は、エポイックメイキングな歴史を築き上げてきた。それは突出した才能を持つ幾多のライダー達の存在無しでは語れず、そうした一大絵巻として製作された作品が、この『レーシング・トゥゲザー』だ。
アゴスチーニとリード、シーンとロバーツ。ロバーツとスペンサー、ローソンとガードナー、レイニーとシュワンツ。一人舞台だったドゥーハンの時代を経てロッシと対立したビアッジ、ジベルナウ、ストーナー、ロレンソそしてマルケス……。
この作品にはそんな彼らの貴重な映像が満載。一部を紹介すると――61年のザクセンリンクに集まった観衆の数は25万人。125㏄クラスでMZの2ストに乗るデグナーが、4ストのホンダを駆るフィリス(この年のチャンピオン)や高橋國光を抑えて優勝を果たすシーンを収録。
また、圧倒的なチャンピオンとして君臨したドゥーハンに挑むクリビーレ。2人がオーストラリアで接触転倒した際に、ピットの中で揉め合うシーンでは、カメラが回っている横でガチな口論を見せている。
さらに、当時は口をきくことも嫌がっていたライバル同士のシュワンツとレイニーが、今では良き関係を築き、回顧するシーンも感慨深い。120分でWGPからモトGPまでを網羅した、この作品はまさに永久保存版と言える。