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【DIRTSPORTS/YAMAHA YZ250FX】ディティール&開発陣インタビュー

YAMAHA YZ250FX

SPEC

価格¥1,006,500(税込)
予約受付期間2024年12月1日まで
全長×全幅×全高2,170×825×1,265mm
シート高955mm
軸間距離1,480mm
最低地上高330mm
車両重量111kg
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
総排気量249CC
内径×行程77.0×53.6mm
圧縮比13.8:1
始動方式セルフ式
燃料タンク容量7.8L
燃料供給方式フューエルインジェクション
1次減速比/2次減速比3.352/3.923
変速装置常時噛合式6速
フレーム形式セミダブルクレードル
キャスター/トレール27°00’/121mm
タイヤサイズ前80/100-21 51M 後110/100-18 64

ディティールをチェック!

■低重心化でコーナリング性能を進化

歴代USA仕様よりも柔らかめの日本専用サスペンション仕様を持つYZ250FX。2025年型は前後ともに各10mmのホイールトラベルの短縮化とシート高−10mmにより、低重心化を促進させ旋回時の接地感、トラクションを向上。 前後ともにフルボトム位置は変更なし。このショート化が走りにどう影響を及ぼすのかは様々な意見が生じると思われるので、今後注目していきたいポイントだ


JPNUSA
フロントスプリングレート4.1N/mm4.8N/mm
伸び側129
圧側99
リアスプリングレート48N/mm56N/mm
伸び側1410
圧側1310
高速圧側1-1/41-1/4
滑らかな曲線を描く樹脂製アンダーガードやラジエターファンは標準装備
滑らかな曲線を描く樹脂製アンダーガードやラジエターファンは標準装備
クラッチ側手元にスイッチ類を集約。スイッチはコンパクト化され、機能を集約
クラッチ側手元にスイッチ類を集約。スイッチはコンパクト化され、機能を集約
右側のサイドカバーには通気孔を設け、サイレンサーの冷却効果を向上。サイレンサーは多膨張構造となり、MFJの新騒音基準に対応。114db→111dbに抑えられている
右側のサイドカバーには通気孔を設け、サイレンサーの冷却効果を向上。サイレンサーは多膨張構造となり、MFJの新騒音基準に対応。114db→111dbに抑えられている
リアブレーキパッド、ブレーキホースの変更に加え、リアアクスル外径はYZ250Fと共通だが、内径は0.5mm小径化(φ20.5に対してφ20.0)している(YZ450FXと共通)
リアブレーキパッド、ブレーキホースの変更に加え、リアアクスル外径はYZ250Fと共通だが、内径は0.5mm小径化(φ20.5に対してφ20.0)している(YZ450FXと共通)

■低重心化でコーナリング性能を進化

2024年型YZ250Fと共用のフレーム、外装カバー、シート、ライディングポジションを持つYZ250FX。前後フェンダーはショート化され、シートもフラット化された。スリムさとコンパクト感を高めている。2024年モデルとの重量比は、0.4kgの軽量化を実現

歴代YZシリーズ同様、ハンドルポジションの変更はポスト穴位置の差し替えなどにより、非常にやりやすく、調整幅も広い
歴代YZシリーズ同様、ハンドルポジションの変更はポスト穴位置の差し替えなどにより、非常にやりやすく、調整幅も広い
2024年型YZ250Fで採用された高剛性&低フリクションのカムチェーンや、YZ450F同様の新規導入経路を装備。後方ダクトの樹脂製軽量エアクリーナーボックスや専用設計ジョイントを新規採用し、エンジン性能やスロットルレスポンスを向上させている。ECUはFX専用、体感振動軽減のためバランサ位相も変更。クロスカントリーモデルに求められる低中速域の扱いやすさ、高回転の伸びと力強さを両立している
2024年型YZ250Fで採用された高剛性&低フリクションのカムチェーンや、YZ450F同様の新規導入経路を装備。後方ダクトの樹脂製軽量エアクリーナーボックスや専用設計ジョイントを新規採用し、エンジン性能やスロットルレスポンスを向上させている。ECUはFX専用、体感振動軽減のためバランサ位相も変更。クロスカントリーモデルに求められる低中速域の扱いやすさ、高回転の伸びと力強さを両立している

開発陣が語る、2025 YZ250FXのこだわりパーツ!

YZメディア試乗会に参加された開発メンバーが本誌取材班に、「見せたいポイント」を解説してくれた。写真左から内田貴久氏(パワートレイン開発部PT設計1Gr)、JNCC&JECトップライダーとしてもお馴染み内山裕太郎氏(ボディ開発部BD実験Gr)、中澤誠氏(ボディ開発部BD設計Gr)、藤森智也氏(ボディ開発部BD設計Gr)
YZメディア試乗会に参加された開発メンバーが本誌取材班に、「見せたいポイント」を解説してくれた。写真左から内田貴久氏(パワートレイン開発部PT設計1Gr)、JNCC&JECトップライダーとしてもお馴染み内山裕太郎氏(ボディ開発部BD実験Gr)、中澤誠氏(ボディ開発部BD設計Gr)、藤森智也氏(ボディ開発部BD設計Gr)

立体エレメント採用でパワーと扱いやすさ向上

2025年型YZ250FX

2024年型YZ250FX

従来は樹脂部とゴムの一体化されたエアクリーナーだったが、新型ではジョイント内側の管長を確保するために樹脂とゴムを別体にしている。これにより低回転寄りの出力特性を向上させレスポンスもマイルドに。また現行−500gの軽量化も実現している。立体エレメントの採用で通気抵抗も約30%低減(2023年型YZ450F構造踏襲)

FとFXはブレーキ仕様が異なる

現行モデルでもYZ250FとYZ 250FXのブレーキ仕様は異なっているが、2025も仕様を分けた。ホースの材質は、FXの方が膨張しにくい硬い素材で剛性を高めている。またパッドの摩擦係数もFXの方が高く、よりリニアに効くという。

実験担当の内山氏は「狙いとしてはFXの方が細かなコントロールが効くことですね。熱が入るとブレーキが鳴きやすくなりますがそれも低減しています。低速から高速まであらゆるシーンでコントロールしなくてはいけないのがFXですね」と話す

エンジン懸架パーツは剛性UP+2枚仕様

2024年型YZ450FXから新設計となったフレームに合わせ、エンジン懸架パーツも変更。手加工でトライアンドエラーの結果導いたのが、剛性を上げて2枚化すること。2枚にすることでフレームが変形した際に滑りを起こし、結果しなやかな車体となるとのこと。YZ250Fは板金プレスによる一体化仕様で、内山氏も「モトクロスコースなどフラットなところではFの方が軽快感が出ます。FXは荒れたガレや木の根に当たった時の前に進む特性を懸架パーツの仕様で合わせています」と話してくれた
2024年型YZ450FXから新設計となったフレームに合わせ、エンジン懸架パーツも変更。手加工でトライアンドエラーの結果導いたのが、剛性を上げて2枚化すること。2枚にすることでフレームが変形した際に滑りを起こし、結果しなやかな車体となるとのこと。YZ250Fは板金プレスによる一体化仕様で、内山氏も「モトクロスコースなどフラットなところではFの方が軽快感が出ます。FXは荒れたガレや木の根に当たった時の前に進む特性を懸架パーツの仕様で合わせています」と話してくれた
エンジン懸架パーツを実際に装着した様子
写真は左側:2024年型YZ250Fフレーム、
右側:2023年型YZ250Fフレーム

フリクション&クラッチプレートはFX専用

写真は左側:YZ250F用 右側:YZ250FX用
写真は左側:YZ250F用 右側:YZ250FX用
写真は左側:YZ250F用 右側:YZ250FX用
写真は左側:YZ250F用 右側:YZ250FX用

フリクションプレートは摩材を変更しテーパー面積変更、クラッチ容量を上げている。またFのプレートのままだと張り付いてしまうため、「ナーリング」と呼ぶポツポツした処理を施して防止している

ミッションはワイドレシオの6速へ

FXは使う領域が幅広くどの領域でも扱いやすいように6速のワイドレシオを採用(Fは5速)。Fと同じ幅に収めながらも6速を実現するため、表面処理を施すなど強度を高めている。6速にすることで歯が薄くなるものの、強度を上げているので、強度自体はFと同等だ
FXは使う領域が幅広くどの領域でも扱いやすいように6速のワイドレシオを採用(Fは5速)。Fと同じ幅に収めながらも6速を実現するため、表面処理を施すなど強度を高めている。6速にすることで歯が薄くなるものの、強度を上げているので、強度自体はFと同等だ

カムチェーンは強度を上げつつフリクションも抑える

2024年型YZ250F同様、カムチェーンは幅を太くして強度を上げ、信頼性を向上。その分背面の表面処理を行いゴムのテンショナーの接触抵抗を減らしてフリクションを抑えている
2024年型YZ250F同様、カムチェーンは幅を太くして強度を上げ、信頼性を向上。その分背面の表面処理を行いゴムのテンショナーの接触抵抗を減らしてフリクションを抑えている

ローンチ、TC調整も容易なパワーチューナー

鈴木健二氏にパワーチューナーセッティングを教わる釘村氏。スマホ+アプリを使い、スムース↔︎ハードの1軸バーによる直感的かつ容易なセッティングができるほか、トラクションコントロール、スタート時のエンジン回転数をコントロールすることも可能だ

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