自らの個性を高め続ける情熱のイタリアンブランド【MV AGUSTA】
イタリアのバイクブランドには、挑戦と競争、再編の中で築かれてきた紆余曲折の歴史がある。少しでもこれを知ることで、それぞれのブランドに対する魅力はさらに深まるはず。ここでは、スポーツモデルを手がけるメーカーを中心に、その歴史や現在の活動を紹介する。
TEXT/T.TAMIYA
速さと美しさを兼ね備え、世界GPで一時代を築いた
ジョバンニ・アグスタ航空会社が、第二次世界大戦直後に子会社として設立。1948年からレース活動も開始すると数々の勝利を収め、特に世界GPではマイク・ヘイルウッド、ジャコモ・アゴスティーニらを擁し、通算37回ものタイトルを獲得。
1958~1960は全クラスを完全制覇し、高価だが高性能な市販車は憧れの的となった。1977年、親会社が航空部門強化を理由に解体されたが、1997年にカジバが権利を獲得して復活させ、F4や3気筒エンジンのF3などを世に送り出し、「走る宝石」と称えられる美しいバイクを作り続けている。
2022年秋からはKTMの資本を得て生産・販売体制を強化した。
【新型3気筒を搭載したアドベンチャーモデル登場】2024年型として931cc水冷3気筒の本格アドベンチャーを新発売。車名はカジバでパリ・ダカールラリーを制したエディ・オリオリに由来