【Historic Bikes/DUCATI 1299 PANIGALE S】1199パニガーレからバージョンアップして1299パニガーレへ
※この記事は「RIDERS CLUB 2015年 8月号」に掲載された記事を再編集した内容です。
ドゥカティの最新スーパーバイクのデリバリーが、ついに日本でも始まったメディア向け試乗会が行われた富士スピードウェイで、その真価を堪能!
PHOTO/T.HIROSE,T.HASEGAWA TEXT/T.TAKATA
取材協力/ドゥカティジャパン 0120-030-292
http://www.ducati.co.jp/
モンスター、ムルティストラーダ、ディアベル、そしてスクランブラーというように、ドゥカティのラインナップは時代とともに広がりを見せている。しかし、ドゥカティはレースでの実績を背景に成長してきた。その揺るぎないアイデンティティーを最も明確に表しているのは、間違いなくスーパーバイクシリーズだ。
最新の1299パニガーレ(以下:1299)は、エンジンの排気量を1285㏄に拡大。’94年に登場した916ではピストン径がφ94㎜だったが、いまでは116mmまで拡大されている。
その結果、イタリア本国仕様で205hpに達した最高出力は、日本仕様で175hpに抑えられているものの、先代の1199パニガーレ(以下:1199)の日本仕様が135hpだったことを考えると、実に40hpもパワーアップ。同じく最大トルクも11.1㎏‐mから14.3kg‐mにまで引き上げられている。
そのうえで、エンジンの回転フィーリングは1199より滑らかになった印象だ。不安を誘うノッキングや雑音がほとんど感じられず、すべての回転域でスロットル操作がしやすくなった。
そして真骨頂であるハンドリングは、シャープで手強かった1199に比べて安定感が増し、なじみやすい。1299はキャスターが0.5度、トレールも4mm減ってむしろ敏感になっているはずだが、それでも安心感を覚えたのはなぜだろう。
ハンドリングに限らず、スロットル操作、ブレーキング、ギヤチェンジなど、それぞれの操作に対して自信が持てたのは、車体の進化に加え、電子制御の進化も寄与していることは間違いない。
だから、「乗りたいけど難しそう……」。そんな先入観で敬遠していたライダーには、ぜひ1299に試乗して、自身の感性でその真価を確かめてみてほしい。