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【DIRTSPORTS】K-cross監修 オフ車セットアップ&メンテクリニック 〜操作系パーツポジションを考察〜【メンテナンス】

今回はライディングに密接して重要な割に、見過ごされがちなアクセルやクラッチのポジション、調整などについて解説してもらおう!

PHOTO&TEXT/DIRTSPORTS
埼玉県比企郡川島町出丸下郷177-1
TEL:049-272-7977
Eメール:kcross0520@gmail.com
取材協力店: k-cross
全日本でも活躍中の加藤氏のバイクショップ。オフロードバイクに強いのはもちろん、ロードレーサー、ヴィンテージなど得意なジャンルは抜群に深く広い。バイクをベースにした遊びの提案から、レースの勝ち方まで、独自の世界観が面白い!
取材時には偶然だが、モタード、モトクロッサー、エンデューロレーサー、トライアル車が勢ぞろい。とにかくオフロードバイクは全方位得意分野だ!

アクセルの遊びを確認

オフロードバイクにはクラッチやブレーキレバー、ペダルの位置調整用のアジャスト機能が付いているが、これをしっかり使いこなしている人は意外と少ない。また日頃のメンテナンスで、これらの操作性を維持するためにも一度見直してみよう。

 まずスロットルに関しては適切な遊びがあることが前提となる。転倒などによりハンドルエンドとグリップが密着して重くなることもあるし、中が荒れていたり砂や泥が入り込んでいると重くなってしまう。前提としてはスロットルケーブルやクラッチケーブルは、快適に操作したいのであれば新品に交換することをオススメする。

 また加藤店長が気をつけてほしいというのは「ハンドルバーを押したり引いたりした時に、アクセルが軽く回るかどうかを確かめてほしい」ということ。よくありがちなのは、ハンドルに全く負荷をかけない状態でスロットルの開け閉めをして操作性を確認するシーンが見受けられるが、実際のライディングでは押したり引いたりするわけで、この状態で確かめなければわからないということだ。

 ワイヤーの注油、または新品への交換。スロットルパイプの清掃やハンドルバーの段つき摩耗が進行しているようなら、バー自体の交換も必要だ。まずは快適な操作ができるようにしてみよう。

遊びが適正かどうかを確認
アクセルの操作性を確かめる以前に、まずは遊びが適正かどうか確認しよう。万が一根元に密着しているようなら緩めてずらし、クリアランスを作ろう

スロットルはハンドルを押したり引いて確かめよう!

ダメな例

ダメな例
ハンドルに対して力を入れずにスロットル操作性を確かめるのは一般的だが、実際にはハンドルを押したり、引きながらアクセル操作をしている。大丈夫だと思っていたアクセルが、実は押しながら回すと重かったり、ジャリジャリしているのはありがちなので、ぜひチェックしてみてほしい!

良い例

引きながら回す

押しながら回す

ケーブルの注油や新品への交換、またスロットルパイプの中を入念に清掃して軽く操作できるようにしよう。また、ケーブルやスロットル、グリップは常に予備を持っておくと、いざという時に便利だ

握り方の癖がわかるグリップ

たまたまk-crossにあった3台のレーサーは、それぞれライダーのグリップの握り方の特徴が明確に表れていた。こちらのオーナーは内側を強く握っているが、レバーの位置からすると操作しやすいところにない。クセが付いているかもしれないが、加藤店長的にはレバーをもう少し内側に追い込みたいところだろう
こちらは典型的なドアノブ握りのオーナーらしく、グリップの外側が摩耗していた。包み込むような握り方をしていることがわかる
こちらはベテランのエンデューロIAライダーのマシンだが、シッティングでの疲れない走りに徹しているため、グリップの摩耗の痕跡はなし。おそらく写真のような握り方をしていることが想定される。加藤店長はマシンの状態を見てそのライダーの走り方、操作を感知し、適切なセッティングやアドバイスを出してくれる

レバーと指は近い方がいい

ブレーキレバーの位置に関しては手の小さい人や力が弱い女性もいるので、人差し指1本で操作というわけにはいかず、中指、薬指、小指を全て使わなくてはいけない人もいるだろう。ただ全体的に言えるのは指から近い方がいいということ。近くから握り始めることができればコントロールしやすく、グッと握り込んでも残りの指を挟まなくても効くポジションがベスト。

レバーの根元での操作はコントロールしやすく、反対に軽い操作感で楽をしたいなら外側を使おう。ただこの場合遊びを確保する分だけ、初期の入力調整がしづらく、操作に時間がかかるデメリットもある。いずれにしても近くからコントローラブルに操作できる位置を決めたい。

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