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メッツラータイヤの特徴とは?ROADTEC 02・SPORTEC M9 RR・RACETEC RRを解説!

現在は同じグループに属する、イタリアのピレリとドイツのメッツラー。そのため両ブランドは多くの技術を共有しているのだが、市販される製品は、それぞれのフィロソフィーが守られた“別物”だ

PHOTO/PIRELLI TEXT/T.TAMIYA
取材協力/ピレリジャパン TEL03-5418-6500
https://www.metzeler.com/ja-jp/home

ストリートで愛されてきた安心感こそが大きな魅力

ドイツで生まれ、1979年以降は二輪用タイヤに特化して開発を続けてきたメッツラーは、1986年にイタリアのピレリ傘下となった。このことから「メッツラーもピレリも同じだよね!?」と思っている人も少なくないようだ。

実際、現在の両ブランドは開発拠点を共有しており、同じ技術が使われることも少なくない。その代表格は、タイヤの円周方向に対して0度に巻かれるゼロディグリースチールベルト。これはメッツラーのエンジニアが開発し、ピレリの資金援助で製品化に到達した技術とされる。

メッツラー社は、ドイツのミュンヘンで1863年に創業された。1892年に二輪用タイヤの製造を開始して、1979年以降はこれに特化
メッツラー社は、ドイツのミュンヘンで1863年に創業された。1892年に二輪用タイヤの製造を開始して、1979年以降はこれに特化

しかし乗り比べてみると、市販化されるタイヤは、メッツラーとピレリでキャラクターが意外と異なっている。自信を持って操れるフィードバックの多さなどは共通しているが、メッツラーからより多く伝わってくるのは安心感や安定感。積極的なスポーツ性よりも、幅広い走行環境で安定したパフォーマンスを発揮できるタイヤが多い印象がある。

そしてこれこそが、ピレリとは異なるメッツラーのフィロソフィー。ツーリングシーンにおいて培われ、公道レースで磨かれてきた、多様な環境変化に対応できる懐の広さこそが、メッツラーの魅力なのだ。

メッツラーは公道レースを実験室と位置づけ、多様な環境変化に対応できる強さを磨いてきた。2023年にはマン島TTとまずは5年間のスポンサー契約を締結。オフィシャルタイヤパートナーに選定された
メッツラーは公道レースを実験室と位置づけ、多様な環境変化に対応できる強さを磨いてきた。2023年にはマン島TTとまずは5年間のスポンサー契約を締結。オフィシャルタイヤパートナーに選定された

ところで、ストリートを重視し、ツアラーやアドベンチャーなどのカテゴリーで人気のメッツラーだが、右に挙げたように、サーキット走行に適したタイヤも充実している。これらの製品に共通するのも、自在にコントロールできる安心感。本誌主催のライディングパーティなどの走行会でファンライドするなら、メッツラーが与えてくれる走りへの自信は、大きな魅力になることだろう。

【ROADTEC 02】欲張りさんを満足させる新作ツーリングスポーツ

 先代01SEに代わり今年新登場。「スーパースポーツツーリング」がコンセプトで、スーパースポーツ用とツーリング用に求められる性能を高次元で両立する。高荷重が加わったときだけ、グルーブの細い部分がさらに狭くなってスリックライクに変化する、革新的なアダプティブトレッドデザインを採用。

前後ともフルシリカコンパウンドで、リアはデュアルコンパウンド設計。ツーリングメインで時々サーキットという人に最適。

ROADTEC 02
ROADTEC 02
フロントリア
120/70ZR17 180/55ZR17
190/55ZR17

【SPORTEC M9 RR】日常を安心して楽しめるスーパースポーツタイヤ

前後ともにフルシリカコンパウンドを採用し、卓越したウォームアップ性とウエットグリップ性を実現。センターコンパウンドが両サイド内側につながるキャップ&ベース構造により、直線区間でサイドに熱を分散することで、さらにウォームアップ性を高めている。前後デュアルコンパウンドにより、ライフとスポーツ性も両立。

公道レースで培われた技術も導入された、全天候型スーパースポーツタイヤだ。

SPORTEC M9 RR
SPORTEC M9 RR
フロントリア
110/70R17 140/70R17
110/70ZR17150/60R17
120/70ZR17 150/60ZR17
160/60ZR17
170/60ZR17
180/55ZR17
180/60ZR17
190/50ZR17
190/55ZR17
200/55ZR17

【RACETEC RR】レースで鍛え抜かれた公道用も選べる最高峰

公道レースに実戦投入されながら開発された、さまざまな路面状況に対応しながらレースで勝つことを狙ったレーシングタイヤ。ただし、コンパウンドには3種類があり、もっともハードなK3はサーキット走行会や公道ライディングに最適なチューニングが施されている。現在はK3のサイズ設定も強化。ライパ参加ならこれがオススメだ。

ちなみに、ソフトのK1やミディアムのK2 は、シビアな温度管理と内圧管理が必須となる。

RACETEC RR
RACETEC RR
フロントリア
110/70R17 K1140/70R17 K1
120/70ZR17 K1160/60ZR17 K2
120/70ZR17 K2160/60ZR17 K3
120/70ZR17 K3180/55ZR17 K2
110/80ZR18 K1180/55ZR17 K2
180/55ZR17 K3
180/60ZR17 K1
180/60ZR17 K2
190/50ZR17 K3
190/55ZR17 K3
200/55ZR17 K1
200/55ZR17 K2
200/55ZR17 K3
※Kはコンパウンド表記

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