【Historic Bikes/KTM RC250 & 250 DUKE】優れたシャシーと足まわりが単気筒スポーツの醍醐味を引き出す
※この記事はRIDERS CLUB 2015年 8月号に掲載された内容を再編集した内容です
順調にラインナップを拡大するKTMスモールデュークシリーズは、125ccから200cc、390ccへと派生。同じエンジンを採用したフルカウルモデルのRC125とRC390も登場している。そして今回、日本市場に合わせたデュークとRCの250ccモデルが加わった。
このシリーズで特筆すべきは、同カテゴリーの国産モデルと比べて、シャシーや足回りが本気で作り込まれている点だ。コーナリングを楽しみたいなら、ノーマル状態でも最高レベルのポテンシャルを持つと言える。
楕円パイプと真円パイプを組み合わせたトレリス形状のフレームは、細くコンパクトなエンジンに沿うようにレイアウトされ、高い剛性を誇る。さらに、前後サスペンションはWP製、タイヤはピレリ製のディアブロロッソⅡを採用。
軽量でスリムな車体は、走り出した瞬間からライダーとバイクを一体化させ、操作に対して正確に応えてくれる。これが自信を持って攻められる走りにつながる。
エンジンは単気筒ながらトルクフルで、スロットル操作によって理想的な車体姿勢を導きやすい。さらに、高回転域でもしっかり伸びる特性を持ち、まさにスポーツバイクらしい乗り味を実現。小排気量バイクならではの楽しさを存分に味わえる。
RCシリーズは、攻めた走りに適したライディングポジションと深いバンク角を備え、スポーティな走行でその真価を発揮する。一方、デュークシリーズは軽量で軽快な乗り味が特徴だ。
特にシンプルなシートレール構造による恩恵が大きい。ただ、ペースを上げるとバンク角がやや不足気味になるが、本質的なスポーツバイクの楽しさは十分健在だ。
シャシーや足回りの完成度の高さはさすがKTMと言うべきで、250シリーズは初心者ライダーからステップアップを目指す中級者、さらにはビッグバイクユーザーにも満足感を与える仕上がりとなっている。