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【ライディングフォームの新セオリー】写真で判定! 編集スタッフ&ライターのフォームを診断!

ハンドル操作、下半身ホールド、そしてステップへの荷重。それらが絶妙に統合された時に、ライディングフォームはよきものとなる。それは写真からでも分かる。私のコメントと写真の照らし合わせで、見えてくるものがあるはずだ。

PHOTO/S.MAYUMI, H.ORIHARA, T.FUCHIMOTO, SUZUKI, Red Bull TEXT/G.TAKAHASHI
青木宣篤 Nobuatsu Aoki
全日本ロード、鈴鹿8耐、そしてMotoGPと、国内外のトップレースで活躍。MotoGPでは、ブリヂストンタイヤやスズキGSX-RRの開発ライダーも務め、ライディングやメカニズムの知識と経験を積み重ねた。’22年に現役を引退し、現在は日本全国を駆け巡りライディングを指南

レーシングスーツの上からも力の入り具合は見抜ける

ジムでスクワットをしている時、インストラクターに「青木さん、足の親指に力を入れて」と言われた。

「シューズを履いているのに分かるのか?」と訝しがりながら言われた通りにすると、「そうそう、その調子!」と褒められた。インストラクターは、靴の中を透視したんじゃない。私の体や筋肉の様子から、足の親指への荷重不足を見抜いたのだ。 

サーキットで多くのライダーの走りを観察しているが、ライディングフォームに関係なく、「いいね!」と思うこともあれば、「うーん」と首をひねることもあれば、「怖い怖い……」と不安になることもある。

私に限らず、人の走りを観察している多くのライダーが直感するはずだ。

見ているだけでなぜ分かるのか不思議だったが、答えはジムにあった。体のどこにどう力が入っているかを、人の目は見逃さないのだ。 

レーシングスーツを着ていても、シワの入り具合なのか、全体的な印象的なのか、力が入っているかどうか、どこに力が入っているかは、しっかりと伝わってくる。そしてリアルではなく、写真でも分かる。

今回は関係者の写真をピックアップし、判定した。やはり「型」だけ見れば皆さんカッコよく、何も問題ない。しかし私が重視するのは、しかるべき場所に力が入っているか。ただそれだけだ。

評価のポイントは「筋張っているかどうか」

ウエイトを持ち上げたりしなくても、グッと力を入れると筋が浮き上がって見える。この状態はレザースーツを着ていても判別することができる。

【A級】ライダースクラブ編集部員・阿部【CHAMP!】

イン側の腕に、しっかりとハンドルを引き込む方向の力が入っている。内ヒザが自然に開いているのは、外足ホールドができている証拠。しかるべき入力をすればカッコよくなる、という見本だ。強いて言うならシートにドカッと座りすぎ。

ステップを蹴り出す意識で、体をもう少し前方向へ。

【A級】編集部員・阿部
【A級】ライダースクラブ編集部員・阿部

【A級】ライター・田宮

要所をしっかりと押さえており、ギュッと力が集まっている。まとまりがいい走りだ。特に下半身からの入力値が高く、ヒザの開き方も自然。

ハンドル操作への意識を高めれば、より完成度アップ。

【A級】ライター・田宮
【A級】ライター・田宮

【B級】ライダースクラブ編集長・河村

「型」にこだわりすぎているせいで、肝心の操作力が不足。体をぶら下げることだけでバイクを傾けている走りだ。

もっと積極的にバイクを操らなければ、排気量が大きくなるほど厳しくなるはず。

【B級】ライダースクラブ編集長・河村
【B級】ライダースクラブ編集長・河村

【ノービス】ライダースクラブ副編集長・藤田

「フワッと乗り」の典型。不安げに見えるのは、体の随所に十分な力が入っていないから。ブレーキングの場面なので、まずは肘をロック。

体重以上の重さをハンドルに乗せることから始めたい。

【ノービス】ライダースクラブ副編集長・藤田
【ノービス】ライダースクラブ副編集長・藤田

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