【R/Cテスターが2024のベストバイクを選出_R/C OF THE TEAR】平嶋夏海|選考の理由は「自分にちょうどいい」です

本誌では毎年多くの新型と従来モデルを、サーキットや公道で走らせている。その中から、「2024年に乗って印象に残ったバイク」を挙げるのがこの企画。今回は平島夏海さんのベストセレクションです。
選考の基準は「自分にちょうどいい」
今回挙げた私のベスト3は、仕様やデザインなどの細かい違いはあるとはいえ、いずれも基本的には過去に乗ったことがある車種。つまり新しさは少ないのですが、いろんなシチュエーションで何度も乗ることで理解できる魅力もあると思います。
サーキット限定なら、1位がカワサキのニンジャZX-6Rで、2位はホンダのCBR600RR。いずれも本格的なミドルスーパースポーツですが、似た魅力と異なる長所があると感じています。
まず共通する魅力としては、このクラスならではの適度なパワー。私の技量だと、200psに達するようなリッタークラスは厳しいし、かといって250〜400ccクラスだと、ペースを上げるためについ頑張りすぎてしまうようにも思います。その点、600ccスーパースポーツは、サスペンションやブレーキのグレードが低すぎることもなく、肩肘張らずある程度のレベルで走れるので、いまの私にはちょうどいいカテゴリーなんです。加えて、もっと高いレベルの走りを目指せるポテンシャルがあることも魅力です。
この2車種のうち、より気持ちに余裕を持って走れる感じがしているのはZX-6R。今回はこの点を重視して1位に挙げさせてもらいました。対するCBR600RRは、さすがレースベース車としても現役だけのことはあり、走りに対するワクワク感はより高め。余裕か高揚か、好みはわかれると思います。
この2台に割って入る第2位には、ストリートモデルからカワサキのエリミネーターを選びました。’24年に乗ったのはプラザエディションですが、仕様による装備の差ではなく、素の状態での扱いやすさに着目。私は身長が低めなので、クルーザーに乗ると手足が伸び切ってしまうことも多いのですが、エリミネーターはそんなことがなく、かといって車格が小さすぎて物足りないこともありません。
これはエンジンも同様で、250ccクラスだとクルーザーらしいゆったりとした走りに欠け、大排気量モデルだと日本では速すぎですが、エリミネーターは上りや高速道路を含めて本当にちょうどよく、「これだよ、コレ!」という感じでした。
サーキットも楽しいけど、やっぱりツーリングもいいですよね。’25年はプライベートでも泊りがけのツーリングに行きたいと思っています。
1st:KAWASAKI Ninja ZX-6R KRT EDITION|バイク任せでもある程度のペースで楽しめちゃう
4気筒エンジンをアルミ製フレームに搭載する本格派スーパースポーツですが、600ccクラスのレースレギュレーションを考慮しない排気量設定などでファンライド性を重視。
実際に私も2024年のサーキット走行を振り返ってみたとき、気持ちに余裕を持って一番楽しく乗れていたのはコレでした。

2024年型での変更点は基本的に外観のみ。2023年以前のモデルにも何度か乗りましたが、毎回マシンの性能に頼るだけで気持ちよく走れ、スキルアップも目指したくなる、私にジャストなバイクです。

2nd:KAWASAKI ELIMINATOR PLAZA EDITION|車格とパワーと旋回特性どれも日本の道にぴったり!!
かつてのモデルから車名と雰囲気を受け継ぐ現行エリミネーターが登場したのは2023年春のこと。この年にサーキットで試乗して、身長154cmの私でもムリがないポジションや、重厚感がありつつも扱いやすい車格などが魅力だと思いました。

そして2024年にツーリングで乗ってみて、400ccクラスならではの適度なパワー感や、ルックスから想像するよりも軽快な旋回特性など、まさに公道を楽しく走るためにあるバイクだと実感しました。

3rd:HONDA CBR600RR|感動するほど気持ちよくサーキットを走れました
電子制御の充実化や外装類の変更を受けつつ2020年夏に復活登場し、2024年型ではクイックシフターの標準装備化などが施されたCBR600RR。久々に乗ったのに、コースインしてすぐにマシンとの一体感を得られ、あらためてスゴいバイクだと感じました。

「もっと大きなサーキットを走りたい!!」と思ったし、もしも私が本格的にサーキットライディングの上達を目指すなら、愛車の最有力候補はコレ。気持ちを盛り上げてくれるバイクです。
