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冬眠中や冬眠後のタイヤはどうやって管理する?【タイヤの疑問をディアブロマンが解消!】

気温も路面温度もかなり低いこの時期はサーキット走行も楽しくないし、「愛車を動かすことなく冬眠中」なんてライダーも多いはず。そこでディアブロマンに、長期保管におけるタイヤ管理のコツを聞いた。

PHOTO/S.MAYUMI, RIDERS CLUB TEXT/T.TAMIYA
取材協力/ピレリジャパン 
https://www.pirelli.com/tyres/ja-jp/motorcycle/homepage

保管時の変形を避けて性能低下を減らす努力を

この時期は、サーキット走行はもちろん、バイク遊びそのものを休止しているライダーも多いはず。となれば、多くの場合は愛車もガレージなどに置いたままになるわけだが、このときタイヤ関連で注意することについて、ディアブロマンに聞いた。

「大前提として、タイヤは乗らなくても自然に空気が抜けるもの。一般的には月に5%程度減るとされています。タイヤはゴム製品で、その特性からかなりの公差が認められていて、ホイールリムとの嵌合性にもバラつきがあります。そのため、自然空気漏れがこの程度に抑えられているのは、むしろメーカーが技術力向上の努力を続けてきた結果と評価することもできます」

【乗っていなくても自然と空気は抜けていく】タイヤの空気は、乗らなくても少しずつ自然に抜ける。長期保管で大幅に空気圧が低下すると、車重によりタイヤが押されたときに、内圧による反発がないためタイヤが変形してしまう。これを長く続けると、タイヤの一部分にストレスがかかり性能低下の要因に
【乗っていなくても自然と空気は抜けていく】タイヤの空気は、乗らなくても少しずつ自然に抜ける。長期保管で大幅に空気圧が低下すると、車重によりタイヤが押されたときに、内圧による反発がないためタイヤが変形してしまう。これを長く続けると、タイヤの一部分にストレスがかかり性能低下の要因に

乗らなくてもタイヤの空気は減る。これは、経験として知っているライダーも多いはず。それなら長期保管の場合、これを見越して空気を多めに入れておくべきなのだろうか?

「いえ、それは違います。空気圧が高ければ自然空気漏れの量も増える傾向にあるし、極端に空気圧を上げればタイヤへのストレスにもつながります。保管時に空気圧が下がることによる最大の問題は、接地面付近で変形が発生してしまうこと。これを避けるため、レーシングスタンドやセンタースタンドなどを使って前後輪を浮かせておくのが理想です」

【バイクカバー&レーシングスタンドで保管がベスト】とくに長期保管する場合は、レーシングスタンドなどで前後輪を地面から浮かせ、変形リスクを減らしてあげるのが望ましい。さらにバイクカバーをかけておくと、内部温度変化による結露や紫外線による劣化から守れる可能性もアップ。保管環境が許すならぜひ実践したい!
【バイクカバー&レーシングスタンドで保管がベスト】とくに長期保管する場合は、レーシングスタンドなどで前後輪を地面から浮かせ、変形リスクを減らしてあげるのが望ましい。さらにバイクカバーをかけておくと、内部温度変化による結露や紫外線による劣化から守れる可能性もアップ。保管環境が許すならぜひ実践したい!

言うまでもなく、変形状態が続けばタイヤに負荷がかかり、性能劣化につながる可能性がある。タイヤを浮かせられない場合、乗らなくても1カ月に一度くらいは空気を補充し、適正な数値を保ってあげることも、それなりの効果につながりそうだ。ディアブロマンは、「このとき、可能ならタイヤを少し回して接地面をずらしてあげると、同じ場所にストレスがかかるのを避けられます」ともアドバイスしてくれた。

【乗る前は確実に適正空気圧に調整する】バイクの場合は使用頻度が低い人も多いので、乗る前に必ずタイヤの空気圧をチェックして、公道なら車両メーカーの指定値、サーキットなら適正値に調整するのが正解

理想的な保管を続けても、溝が残っていても、走行歴のあるタイヤは劣化が進行する。「メーカーや銘柄にもよりますが、使用開始から2〜3年で性能が低下するので、乗る回数が少なくても、3年に一度は新品に交換を!」とのことだ。

そしてディアブロマンは、「趣味であるバイクは毎日乗らないことが多いので、クルマで啓蒙されているような月に一度の定期的な管理という考え方はナンセンス。基本的には、ライディングする日の朝に必ずチェックするのが正解!」とも教えてくれた。

【製造年週だけでは分からないこともある】タイヤの製造年週はサイドウォールに記載されているが、性能低下の可能性を判断するために重要なのは使用開始からの期間。だから“中古タイヤはリスキー”なのだ
【製造年週だけでは分からないこともある】タイヤの製造年週はサイドウォールに記載されているが、性能低下の可能性を判断するために重要なのは使用開始からの期間。だから“中古タイヤはリスキー”なのだ
【溝が残っていても2~3年に一度は交換を】タイヤは、新品状態で正しく保管されていれば数年単位で性能を保つ。逆に一度でも使えば劣化が始まる
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