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【俳優・森 公平さん】気が付けばバイクもキャンプも切り離せない趣味になった

昨今はバイク趣味を公言している俳優やタレントが増えたが、そのなかでも森公平さんはかなり筋金入りの“バイク少年上がり”だ。

興味を持ったのは小学生のときだった。父親が乗っていたこともあるが、街中を走っているバイクを見て「格好いい!」と思ったことがきっかけだ。

「16歳の誕生日に免許を取りに行って合格しました。最初のバイクは10万円くらいで買ったXJR400です。お金は親から借りて、その後ちゃんと返しました」

1台目は中学3年生の頃からいろいろ探していて、本当はゼファーが欲しかったのだという。それでもXJR400は森さんのバイク熱を一気に燃え上がらせた。

「周りは原付ばかりだったし、XJRはめっちゃ速かったですね。でも重くて10回以上立ちゴケしたと思います。1年くらい乗った後、お洒落ぶりたくて(笑)、SR400を買ったんですが、遅すぎてR1-Zに買い替えました。これも10万円くらいだったですね。本当はNSR250Rが欲しかったんですが、値段が高くて(笑)。

でもR1-Zはむちゃんこ速くて、パワーバンドでアクセルを開けるとフロントが浮くし、車体は軽いし、めちゃくちゃ楽しいバイクでした」

その後、念願のゼファー400を手に入れたが、格好はいいけれど走らせて楽しいとは思えず、Z2仕様にするなどカスタムして楽しみながら、1年ほどで手放した。

「大学生になってから通学でアドレスV100に乗ってました。バイク熱がちょっと冷めたんですね」

森さんの熱が再び目覚めたのは、それから数年後、スズキ・250SBを手に入れてからだ。

「アイドルになって上京してしばらくしてから、仲の良い先輩がクリスマスにプレゼントしてくれることになって、250SBを買ってもらったんです。それを2年くらい乗った頃、大型に乗りたくなって、ドゥカティのモンスター800に乗り替えました。ドカにしては安かったし、格好良い。しかも速いし、音もすごい。800ccのパワーと加速は今までのバイクとは別物でした」

購入先が実家のある大阪だったため、実家で整備を済ませてから東京まで高速道路を走らせた。十代の頃から友人や先輩、父に教わり、書籍も買ってバイク整備の基本を覚えた森さんは、「バイクの整備は自分でするもの」と考えているのだ。

「眠くなるし肩こりはするし、むっちゃしんどかったし、しかも寒い。夏だからとナメてました(笑)。でもこのバイクならどこでも行けると思って、友人とキャンプに行くようになったんです。アマゾンで2000円のテントを買って、ほかの道具も最安値で揃えましたね」

少年時代から家族や友人とキャンプに親しんできた森さんにとって、バイクとキャンプが結びつくのはごく自然ななりゆきだった。

「友人とスケジュールが合わないときにひとりで行ったら、これが楽しいんです。歯止めが利かなくなって、休みのたびにキャンプツーリングするようになりました。

モンスターには1年半くらい乗りましたが、車検の前に買い替えようと思って、『ハーレーのエンジンでこんなバイクがあるんだ!』とずっと気になってたビューエルのXB12Sを買ったんです。これがもうドカの上を行く楽しさで、パンチがあるし、後ろから蹴飛ばされるようなトルクだし、ほんとにハーレーのエンジンか?と思えるほどすげえバイクでした。独自の構造も良かったし、何より乗っていて楽しい。夏はヤケドしそうなほど熱かったですけど。

ユーザー車検の初体験もこのバイクでした。光量検査で引っかかって、テスター屋で診てもらって、エンジン吹かしながらやるといいよと教えてもらって何とか車検通ったり。そういう思い出もあるバイクでした」

それほど気に入っていたXB12Sだったが、やりたいことを叶えるために手放すことになる。

「友人からも一度は行ったほうがいいと言われていた北海道へ行くのに、XBだとちょっと不安があったんです。途中で壊れそうで、リスクがありすぎるなあ、と。それで乗り替えたのが、じゃじゃ馬のウワサを聞いていたMT-09の初期型です。でもXBを味わっていると優等生で(笑)、こんなに乗りやすいバイクはないくらいでした。4年くらい乗ったかな。北海道にも3、4回行って5万kmくらい走りました」

現在の相棒は、トライアンフのスピードツインだ。

スピードツインにはドレスアップではなく、キャンプツーリングに便利な実用的なカスタムを施している
スピードツインにはドレスアップではなく、キャンプツーリングに便利な実用的なカスタムを施している

「去年の夏に買いました。やっぱり乗っていて楽しいバイクがいいし、ネイキッドが好きなんです。トライアンフ、めちゃくちゃ最高です。乗り心地はわりとふつうで優等生だし、クセもないんですけど、音とか鼓動とかがいいですね。ボンネビルにも憧れがあって、いつかは乗りたいと思っています。ビューエルと2ストも忘れられないですけどね」

そして昨年末、森さんの相棒にスーパーカブ110プロが加わった。

「北海道へ何度か行くうちに、雪道を走って宗谷岬で年越ししたくなりました。カブなら乗りやすいし、タイヤもある。カブを買うならプロ!と思っていたところにヤフオクで見つけました。出品者がバイク屋だったので、ひと通り整備されていたのもよかったです」

雪道走行の練習をしようと、スノータイヤに換装し、さらにタイヤチェーンも携行し、キャンプ道具を積み込んでさっそく真冬の信州へとカブプロを走らせた。

「全面積雪の道をリアだけチェーン巻いて走ったんですけど、めちゃんこ怖かったです。停車するときに靴が滑ってコケそうになるのに、こんなに走れるんだと驚かされました。

2日目はテントを張りっぱなしにして近場をぐるぐる走り回ったり、スノーモビルにも乗って雪道を走る感覚をつかめました。それでユーチューブで動画を配信したら『北海道はこんなもんじゃない』『スパイクタイヤ一択だ』とコメントがついたので、郵政カブ専用のスパイクタイヤを買って、今度は富山へ行ったんです。ところが雪がなくて(笑)、帰り道に苗場スキー場へ寄って雪道を走ってきました。スパイクタイヤ、めっちゃいいです」

宗谷岬での年越しツーリングの準備は整った。今年の冬はカブプロにキャンプ道具を満載して、北海道の雪中ツーリングへ行く予定だ。

「ユアン・マクレガー(※バイクマニアで知られる英国人俳優)の大陸縦断のドキュメンタリーを見てから、大陸を走ることにも憧れているんです。スピードツインをモンゴルへ持ち込んで、ロシアを走ってウラジオストックから鳥取行きフェリーで帰国するツーリングもやってみたい。そのルートを走ったことがある知人から、モンゴルの税関情報とかいろいろ聞いたりして少しずつ準備はしているんですけど、バイクを没収されるとかのリスクもある。でもやっぱり冒険をしてみたいですね」

森さんのバイク熱はきっともう冷めることはないだろう。これからどんな冒険に挑むのか。森さんのSNSをしっかりチェックしたい。

スーパーカブ110プロを手に入れてから、初めて行った2泊3日の雪中キャンプツーリング。スノータイヤに換装し、タイヤチェーンも携行していつものキャンプ道具を満載。雪が深く積もった信州へと向かった。積雪路の走行に手応えを感じた森さんは、今年の冬に宗谷岬での年越しツーリングへ旅立つ予定だ。森さんの数々の動画は「森キャンプ公平」で検索すれば見られるので、ぜひご覧いただきたい

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