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令和のバイクトレンド!全回転域で効率よく回す『可変バルブタイミング』の時代到来

バイクはもっと楽しくなる! 令和時代を生き抜く現代のトレンド機構はコレ! 昭和後期から平成期にかけて、レプリカ、フラッグシップ、ネイキッド、スーパースポーツとさまざまなジャンルやトレンドが登場し、近年はいっそうの細分化に加えて〝電子化〞が加速。新たな時代に新たな機構、バイクの進化と楽しみ方は、ドコに向かっている!?

低回転から高回転まで全域で効率よくエンジンを回す時代!『可変バルブタイミング』

一般的な4 ストロークエンジンは、吸気バルブと排気バルブの開閉タイミングが固定されており、オーバーラップ量(吸気バルブと排気バルブの両方が開いている状態)が一定。そのため「高回転型」とか「低中速が得意」など、最初の設計でエンジンの特性が決まってしまう。そこで吸排気バルブの開閉タイミングを変化させて、高回転はパワーを稼ぎ、低中回転ではトルクを確保するのが可変バルブタイミングの役目。排出ガスの低減など環境性能を向上するメリットも大きい。

BMWシフトカム

[caption id="attachment_515424" align="alignnone" width="900"] 1250フラットツイン、及びスーパースポーツのS1000RR の並列4気筒エンジンに採用された可変バルブタイミング機構。アクチュエーターとシャフトゲートでカムシャフトをスライドさせ、吸気側のカムが高速/低速の2種に切り替わる。S1000RRはこの機構によって(低回転時のトルクが確保できるため)クランクシャフトを大幅に軽量化し、高回転時のパワーやレスポンスを向上させた。[/caption]

1つの吸気バルブに対して2つのカムが存在する!

[caption id="attachment_515422" align="alignnone" width="900"] 1本の吸気バルブに対し、山の高さ(=リフト量)と開閉タイミングの異なるカムが用意される。低速カム時は2本の吸気バルブが個別のタイミングで開閉して燃焼効率を高める[/caption]

回転数やスロットルの開け方でカムシャフトがスライドする

[caption id="attachment_515428" align="alignnone" width="900"] 設定された回転数を超えるとアクチュエーターからピンが飛び出してシャフトゲート(左側の溝)をなぞり、カムシャフトが横方向にスライドして高速/低速カムが切り替わる[/caption]

ドゥカティDVT

[caption id="attachment_515426" align="alignnone" width="900"] カムシャフトを駆動するプーリー部分が、ECUからの信号で発生する油圧で角度が変わり、バルブタイミングを変更する。吸気側、排気側カムの両方に装備し、バルブのオーバーラップを最適に調整。ムルティストラーダ(’15年以降)やディアベルが採用[/caption]

デスモドローミックはそもそもバルブタイミングの自由度が高い

通常のスプリング式のバルブ開閉機構だと、カム山の形状をあまり大胆に設定できない(高回転時にバルブサージングを起こす)が、強制開閉のデスモ機構は、カムプロフィールや開閉タイミングの自由度が大きい

スズキSR-VVT

可変バルブタイミング機構の多くがECUの信号や電気・油圧を使って切り替えるのに対し、SR-VVTは遠心力のみで作動する、シンプルな純機械式。’02年から始めたV 型4 気筒のMotoGP マシンGSV-Rで開発した技術からのフィードバックだ [caption id="attachment_515458" align="alignnone" width="900"] 吸気側のカムシャフトのスプロケットが2重構造になっており、回転が上がると刻まれた溝に挟まったボールが遠心力で外側に移動することでバルブタイミングが変化。1万回転を超えると、カムで4度分のオーバーラップが増える[/caption]]]>

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