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レーシングスーツ・革ツナギのおすすめ、そして進化の歴史

おすすめレーシングスーツその4「BERIK LS1-10306-BKレーシングスーツ」

牛革を使用したスタンダードモデル。肩甲骨や腰、膝にシャーリングが設けられ、胸から太腿にパンチングメッシュ加工が施される。MFJ公認も取得し、レーシングユースに必要な基本性能を備える


世界中のプロライダーも愛用するイタリアのベリックには、日本の一般ライダーがサーキットデビューするのを力強く応援してくれるブランドという一面もある。というのも、ベリックを正規輸入販売するボスコ・モトでは、サーキット走行に必要なライディングギアのうちレザースーツ、グローブ、ブーツ、チェスト&バックプロテクター、インナースーツの6点をセットにして、超お得な価格で販売してくれているのだ。
あとは、ヘルメットさえプラスすればいい。もちろん、ベリック製品なので基本的な性能や機能は十分なレベル。レザースーツはMFJ公認も取得しているので、レースに出場することもできる。
 

走行風の整流効果を高めて、万が一の転倒時にはプロテクション効果も期待できるハンプを背中に搭載している

レーシングスーツの歴史はバイクとともに

日本のレーシングスーツはクシタニから始まった

日本でレザースーツ作りがスタートしたのは1953年のこと。スズキの依頼で、ワークスライダーやテストライダーのために、上下が繋がった革製のワンピーススーツを、革製品の製造販売を行っていた櫛谷商店、現クシタニが製
作してからである。
英国製のワンピーススーツを参考に国内初のワンピースレザースーツを作り上げるため、クシタニは仔牛の革を使用した。それは薄く軽いうえにキメが細かく、また伸縮性にも優れていた。日本メーカーと契約した外国人ライダーが契約のために来日すると、その足で櫛谷商店にやってきて採寸、完成したスーツを着て世界GPを戦った。
伸縮素材を一切使用していないにもかかわらず、小さなカウルに身体を押し込んでも、そのスーツはライダーにピタリとフィットしライディングを妨げないことから「クシタニは凄い」と、瞬く間に世界のトップライダーたちに浸透したという。

世界と戦った日本メーカー&ライダーを支えた、柔らかな仔牛の革でできたレザースーツ

ライディングスタイルの変化に合わせてレザースーツも進化する

そしてライディングスタイルの進化によって、レザースーツも一気に進化。まずはプロテクターだ。身体をコーナー内側に大きく傾けるハングオフスタイルの構築により膝や肩、肘に樹脂製のプロテクターがセットされ、また身体を左右に大きく動かしても運動性を妨げないようシャーリングが採用されていった。

1色のレザースーツでは見分けがつかない。そんな理由から国内レースでは2色以上を使い、ライダーの個性を求めた。革の厚さを決め安全性を高める努力がなされたが、キルティングパットや樹脂プロテクターなどの装着は、ライダーの好みに委ねられていた


近年のレザースーツでは、より広い範囲にシャーリングや高い耐久性を持つ伸縮素材を使用し、ボディコンシャスなシルエットながら、極めて高い運動性能を発揮できるようになった。もちろん転倒時には衝撃を吸収するだけでなく、路面を滑走した際にどのような保護性能が必要か、革の耐摩擦性能も徹底的に研究されている。80年代終盤にパンチングメッシュが登場したときには、さらに慎重にテストが繰り返されたという。

タイヤの進化によって深いバンク角が可能となった現在。レザースーツに求められる性能も変化した

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