「BMW R1200GS Exclusive(BMW・R1200GS エクスクルーシブ)」~スーパースポーツのその先にあるもの~【R/C インプレッション archives】
トータル性能でGSを超えるモデルはいまだにない
元スーパースポーツ乗りの現GS乗りは言う。「やっぱりGSだよな」
例えばウチの妻に「お願いだからバイクは1台にしてください」とか「買ってもいいけれど次で最後」なんて言われたら、かなりの確率でR1200GSを選ぶ。あるいは、なんらかの環境の変化でクルマを所有することができなくなり、今後はバイクだけで過ごさざるを得ない状態に追い込まれたなら、その時選ぶのは100%の確率でR1200GSだ。幸いにも今はまだそういう状況にはなく、「だって仕事だから」のひと言でバイクにまつわるすべてが許されている。そのため、当面はGSを所有する予定はない。 とはいえ、ある意味それは不幸なことなのかもしれない。なぜなら、僕の周りには少なからず元スーパースポーツ乗りの現GS乗りがいて、彼らはひとりの例外もなく、その世界へ足を踏み入れたことを後悔していない。むしろ皆「やっぱりGSだよな」、「もうGSしかあり得ない」と口々に言い、笑顔で「おいでおいで」をするのである。BMWの中でも、とりわけGSには「アガリ」のイメージがある。別にそんな不文律があるわけではないのだから、バイクキャリアの中の1台として手に入れ、それを堪能した後、また戻ってくるなり、次に進むなりすればいいはずだ。 でもこれがなかなかいけない。もちろん決して安価ではないという単純な理由もあるが、「アガリ」にするつもりがなくても、そこにどっぷりと安住してしまいそうだからだ。 あるいは逆に、GSのある生活を始めたならその真髄を知りたくなり、あの巨体でエンデューロに挑戦してみたり、家庭のことは忘れて冒険の旅に出てしまう可能性も十分ある。 安住か冒険か。そのどちらを選んだとしても、周りにはきっとこう言ってしまうだろう。「やっぱりGSでしょ。これしかあり得ない」と。 では、GSのどこがそんなに良く、それがなぜなのか? それを誰もが納得するカタチで正確に検証するのはとても難しい。路面のギャップをさりげなくいなし、張りつくような接地感をもたらしてくれるテレレバー、ほどよい鼓動感をともなってリニアに吹け上がるフラットツイン、そのエンジン構造がもたらす直進安定性と軽快なリーン……といった基本特性が相互に作用し合い、そこにありとあらゆる電子デバイスが介在。それらすべてがGSをGSらしく走らせているからだ。 さらに言えば、初代GSから数えて約40年、BMWの二輪史を引き合いに出すなら95年を超える長い歴史の積み重ねの成果でもある。GSの本質はあらゆる操作や状況を受け入れてくれる懐の深さ
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BMW R1200GS Exclusive(BMW・R1200GS エクスクルーシブ) ディテール







Specifications:BMW R1200GS Exclusive(BMW・R1200GS エクスクルーシブ)
エンジン | 水冷4ストローク水平対向2気筒 |
バルブ形式 | DOHC4バルブ |
総排気量 | 1169cc |
ボア×ストローク | 101×73mm |
圧縮比 | 12.5対1 |
最高出力 | 125ps/7750rpm |
最大トルク | 12.7kg-m/6500rpm |
フレーム | スチールパイプフレーム |
サスペンション | F=テレレバー+モノショック |
R=パラレバー+モノショック | |
ブレーキ | F=ダブルディスク |
R=シングルディスク | |
タイヤサイズ | F=120/70R19 |
R=170/60R17 | |
全長/全幅/全高 | 2205mm×980mm×1510(1645)mm |
軸間距離 | 1510(1525)mm |
シート高 | 850/870mm(800/820mm) |
装備重量 | 252kg |
燃料タンク容量 | 20L |
価格 | 248万円 |