中野真矢が本音で語る「Talking Grid」筑波サーキットの運営に携わる北川亮さんの想い
モータースポーツのメッカ、筑波サーキット。中野さんにとっては「ふるさと」のような存在だ。
「今もゲートをくぐる時はドキドキする」と中野さん。サーキット運営に携わる北川亮さんとのトークには、
ここを走るすべてのライダーへの思いがあふれる。
[caption id="attachment_726752" align="alignnone" width="1200"] 日本オートスポーツセンター 筑波サーキット 業務部 次長 北川亮さん
京都府出身。学生時代からつくばサーキットでバイクのレースに励み、そのまま職員に。現在はレースの企画・運営、現場の取り仕切りなど、事務仕事を全体的に取りまとめている。「ライダーの皆さんが喜ぶ顔を見ていると達成感があります」[/caption]
[caption id="attachment_726754" align="alignnone" width="1200"] 中野真矢 ’77年生まれ。千葉県出身。ポケバイ、ミニバイクを経て、筑波サーキットでロードレースデビュー。’98年には筑波で全日本ロードGP250クラスチャンピオンを獲得。今も破られていないGP250のコースレコード、57秒430を樹立した[/caption]
安全を最優先しながら開かれたサーキットに 本音で語る。とことん語る。中野真矢 Talking Grid
中野 ここに入るのはちょっと緊張しますね……。いわゆるコントロールタワーは、何かやらかした時に呼び出される場所。怒られるんじゃないかとヒヤヒヤします。 北川 ははは、実際そうかもしれません。この管制室にも普段は運営スタッフしか入れませんしね。筑波サーキットはできるだけ敷居を低くして、多くのライダーの皆さんに走っていただきたいと思っていますが、サーキット走行は速度域が高く、それに伴ってリスクも高い。安全を司るコントロールタワーは、敷居が高いぐらいの存在感のほうがいいのかもしれません。 中野 確かに、いくら最近のサーキットは親しみやすくなったとはいえ、やっぱり緊張感がないと……。危ないものは危ないですからね。それにしても、コース全周が監視カメラで網羅されているんですね。安心して走れるのはものすごくありがたいけど、こりゃあ絶対に悪いことはできないな(笑)。 北川 中野さんはもともとジェントルだから問題ないですよ(笑)。コースサイドの要所にはポストがあって、オフィシャルが間近からコースをしっかり監視しています。でもこうしてモニターで俯瞰してみることも大事。間近と俯瞰の両方で、コース上で危険なことが起きていないかを確認する姿勢です。 コース上にオイルが出ているなんてもっての他ですし、バンクセンサーひとつ落ちていたって大変なことになりかねません。レースイベントにはお子さんも観覧にいらっしゃいます。親御さんとしては、せっかく楽しみに来たレースで、お子さんにトラブルなんて見せたくないはずです。 中野 大ごとが起こると、一瞬にしてサーキットの雰囲気が変わってしまいますからね……。高い安全意識を持っていらっしゃることが分かって、心強い限りです。ありがとうございます!

1970年オープン。51年の歴史を有する筑波サーキット
中野 ところで、筑波サーキットは昨年50周年を迎えられたそうですね。あらためて、おめでとうございます。 北川 ありがとうございます本当は盛大なイベントを行う予定だったんですが、コロナの影響で何もできなかったのがすごく残念です。 中野 日本のモータースポーツファンにとって、筑波サーキットはメッカですからね。僕もミニバイクからロードレースにステップアップして最初に走ったのがここ。’98年に全日本のチャンピオンを取らせてもらったのも筑波サーキットです。だから今もダンロップブリッジを見るとドキドキするんですよ。気分が高揚します。 北川 中野さんのように偉大なライダーにそう言っていただけるなんて、光栄です。私も少しだけバイクのレースをしていたことがありましたし、今はサーキットを運営する立場で多くのライダーたちを観ていますから、世界に上り詰めていく人の凄さはよく分かるんです。 中野さんのような方は、嵐のような速さでステップアップして行ってしまうんですよね。本当にすごい人たちだと尊敬してるんですよ。 中野 いやいや、そんな……。叱られる場所だったコントロールタワーでほめられるなんて、ちょっと変な気分ですよ(笑)。 それはさておき、北川さんは筑波サーキットの運営に携わっていらして、どんなお考えで仕事にあたっていらっしゃるんですか?非日常を楽しく味わえる空間を提供したい(北川)



ほぼ変わらないレイアウトでライダーたちの基準に
内部施設の充実、二輪シケインの敷設、コース1000の開設などの変更は随時受けているものの、基本的なコースレイアウトはほぼ不変。「筑波のタイム」が多くのライダーたちのベンチマークになっている所以だ。左に見えるオーバルコースはオートレーサー養成所 [caption id="attachment_726759" align="alignnone" width="1200"]

