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リプレイスのメリットを知る|カスタムパーツの基礎知識【ドライブレコーダー】

カスタムはバイクの醍醐味のひとつ。もっと愛車を楽しくするために、パーツ交換の「効能」から学ぼう!

バイクでも必須になりつつあるアイテムだ

近年のいわゆる〝あおり運転〞問題を経て、クルマへの装着率が一気に高まったのがドライブレコーダー(以下ドラレコ)。映像とそれに付随するデータにより走行記録を残し、万が一の交通事故やトラブルの発生時に証拠として活かすアイテムだ。 

バイクの場合、事故の際に運転者が負うダメージはクルマより大きく、死亡や意識不明などにつながるケースは少なくない。このような場合に、自分に代わって状況を説明してくれるのがドラレコのデータ。もちろんライダーの意識がはっきりしている場合でも、ドラレコ映像は客観的な証拠として役立つし、あおり運転を受けた際にも重要な証拠となるのだ。 

とはいえバイクの場合、クルマほど気軽かつ安価にドラレコを車載することは難しい。まず、搭載できるスペースがかなり限られる。そして、風雨に晒されるため、各部の高い防塵防水性が求められるからだ。 

そのため各メーカーは、バイクでの使用環境に特化したドラレコを開発している。モニターをスマホで代用することで本体を小型化した製品と、モニターを搭載して利便性を高めた製品があるが、いずれの場合もカメラと本体は別体式が一般的で、小型化を追求したカメラで装着位置の自由度を向上してある。もちろん防塵防水性や耐振性を高めた製品がほとんどなので、二輪専用ドラレコなら安心して使うことができる

基礎知識①:万が一の時の証拠になる

事故やあおり運転などの被害に遭ったときに、第三者の公平な証言を得られる可能性は少ない。ましてやバイクの場合、事故の当事者であるライダーが大ケガや意識不明などの重大なダメージを負うことは少なくないため、証言すらできないまま事後処理が進められる可能性だって否定できない。 

また、近年のバイクには高性能なABSが搭載されていることも少なくないが、これによりブレーキ痕が残らず、こちらが急制動により最大限の回避行動をしていた場合でも、実況見分で証明できないこともある。 

しかしドラレコを搭載していれば、そのデータが過失などの公平な判断材料となり得る。

基礎知識②:近年のトレンドは前後カメラとGPS

クルマに続いてバイクでも、近年のトレンドは前後両方向の撮影ができるタイプになってきた。 

後ろからの追突事故やあおり運転への対策を考えると、フロントだけの撮影では不十分であることが、その大きな理由。ナンバープレート周辺やテールカウルなどに、小型カメラを装着する製品が増えている。 

また同時に、GPSを搭載して映像と供に位置情報や速度情報などを記録できる製品も人気となっている。こちらは、高速道路やワインディングなど、場所が特定しづらい現場で事故やトラブルが発生したときでも、警察の検証時間を短縮できたり、証拠としての信頼性を高めたりするのにも役立つ機能だ。ただしGPSにより、自車速度も記録されることになる。速度違反には注意して走りたい。

基礎知識③:アクションカムとは機能が異なる

ツーリングやサーキット走行の様子を映像として残せるアイテムとして人気となっているアクションカム(ゴープロがその筆頭で、ウェアラブルカメラなどとも呼ばれる)と、一般的なドラレコでは、求められる機能が異なる。基本的には、ドラレコの映像は旅や走行の思い出を残しておく記録動画としてもある程度は使えるが、逆にアクションカムをドラレコとして常用するのは厳しい……という認識でいいと思う。 

というのも、多くのドラレコには右に挙げたような特徴が与えられているため。万が一の保険として常時稼働させることが前提のドラレコと、積極的に撮ることを目的としたアクションカムは、同じように動画を撮影する機材だが違いがあるのだ。

映像の美しさより「再現性」重視

アクションカムは鮮やかな色合いなどを重視した仕様だが、ドラレコは鮮明さを優先。暗い場所や逆光でも“見えること”を重視。

イグニッションオンで起動

アクションカムはユーザーが操作することで録画が開始されるが、ドラレコは車体のキーオンに連動して起動する設定なのが一般的。

運転中は常時録画

一般的なドラレコは車体から電源が供給され、バイクのイグニッションがオンの間は常時録画される。スイッチを入れ忘れる心配ナシ。

自動的にデータを上書き

アクションカムは記録媒体の容量を使い切れば録画終了となるが、ドラレコは古いデータを消去して自動的に上書き保存してくれる。

衝撃センサーで事故動画を保護

衝撃センサー(Gセンサー)を搭載するドラレコは、強い衝撃を感知した瞬間およびその前後の動画を別フォルダに保存して保護する。

基礎知識④:レンズの汚れとSDカードの性能に注意!

イグニッションオンで起動し、その後は常時撮影&ループ撮影してくれるドラレコは、つい放置状態で使いがちだが、例えばレンズが汚れていたら、当然ながら鮮明な映像は撮れない。走行により泥ハネや虫の死骸などが付着していないか頻繁にチェックして、汚れている場合はきれいに掃除しておこう。 

記録媒体となるSDカードは、安価な製品だと熱や振動などに弱いことも……。また、メモリ容量が少ないSDカードは、ドラレコを長期間使用しているうちに何度も上書き保存することになるので、寿命が短くなりがちだ。少々高価でも、品質管理が徹底されていて信頼できるブランドの大容量タイプ(書き込み速度はクラス10)を最初から選択しておくほうが、安心して使える。

基礎知識⑤:LED信号機の光が映らない!? 

LED式の信号機は、肉眼だと〝点灯〞しているように見えるが、電気の周波数が50Hzの東日本では1秒間に100回、60Hzの西日本では同120回〝点滅〞している。一方でドラレコの動画も、1秒間に何十枚か撮影した静止画をつなぎ合わせた〝コマ撮り〞。そのため、双方の周期が同期した場合、肉眼だと点灯している信号機が消えているように映る。

フレームレート(1秒間のコマ数)が30fpsのドラレコは、西日本での使用時にLED信号機の消灯タイミングで同期してしまうと、その後も消灯の周期でコマ撮りを続けることになり、動画上で信号機が消えているように見えるので要注意だ。

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