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潜水艦から自転車まで!? カワサキ初の3輪電動自転車「noslisu(ノスリス)」が市販開始!

電動アシスト自転車とフル電動がある

「noslisu(ノスリス)」は、フロント2輪のパーソナルモビリティで、いわゆる電動アシスト自転車タイプと、日本の公道で乗るには免許が必要となるミニカー登録のフル電動モデルがある。

川崎重工の社内公募制度である「ビジネスアイデアチャレンジ」で選定されたノスリスは、2021年5月に開始された事業化前のクラウドファンディングで、電動アシスト自転車タイプとフル電動タイプがどちらも50台即日完売。

これにより、社会的ニーズがあるという判断となり、カワサキモータースが事業化に踏み切った。3輪という特別な構成に注目が集まるのは当然のことだが、そもそも電動アシスト自転車タイプのほうはカワサキ初の自転車ということになる。

このシリーズは、2022年5月の段階ですでに、2023年春の発売がアナウンスされていた。そして、2023年5月20日(土)に電動アシストタイプの「noslisu」、6月ごろにはフル電動仕様の「noslisu e」、7月ごろには電動アシストビジネス自転車の「noslisu cargo」が、ノスリス取扱店で順次発売開始となる。

電動アシスト自転車の「noslisu」
電動アシスト自転車 「noslisu」価格:36万3000円
フル電動モデル「noslisu e」価格:43万100円
フル電動モデル「noslisu e」価格:43万100円
電動アシスト自転車「noslisu cargo」 価格:41万4700円
電動アシスト自転車「noslisu cargo」 価格:41万4700円

カワサキ独自の2輪ステア機構を搭載しているのが、ノスリスシリーズの大きな特徴。ハンドル操作と車体の動きがシンクロする自然な操縦性を狙い、自転車を運転した経験がある人なら誰でもすぐに乗れる手軽さと楽しさを実現している。

大きさは異なるが、電動アシストタイプとフル電動仕様のどちらも、後輪にインホイールモーターを採用。これには、メンテナンス頻度が少なくバッテリーがオフの状態でも摺動抵抗が少ないという利点がある。

「noslisu」は、一般的な電動アシスト自転車と立ち位置は同じなので、日本の道路で乗るのに免許などは必要ない。左ハンドル側のスイッチにより、アシストレベルを3段階に切り替えられるが、いずれのモードも日本の法律に合わせて24km/hを超えるとモーターによるアシストはカットされる。対してフル電動仕様の「noslisu e」は、スロットルレバーを押すだけで、ペダルを漕がなくても前に進む。

そのため、日本ではミニカー登録となり、公道で運転するには普通自動車免許(AT限定可)が必須。ペダルを漕いで進ませることもできるが、バッテリーが切れた状態や電源オフでの走行は法令違反となる。また電動アシストビジネス自転車の「noslisu cargo」は、低い位置に大型の積載スペースを設けた独自の仕様を特徴とする。

バイクというより自転車に近い操縦感覚

今回、製品仕様の「noslisu」および「noslisu e」に少しだけ試乗する機会を得た。ノスリスにはバイクチームが関わっているし、流通も既存のバイクショップを活用するが、大前提として、乗り味は“自転車”にとても近い。

つまり簡単に表現するなら、車体をバンクさせて曲がるというよりは、ハンドルを切って曲がるイメージだ。フロント2輪の動きは、車体を自転車のように扱えばかなり自然な印象。

写真は電動アシストモデル「noslisu」

この日はバイクに乗った直後の試乗だったので、どうしてもそちらの感覚がカラダに残っていたが、慣れてきたらかなりスムーズに操ることができた。

電動アシストのほうは、ギアをハイスピード側に固定したままでも実用できるアシスト力があり、車体は普通の電動アシスト自転車より大きいが、あまりそれを感じさせない。

フル電動仕様のほうは、メカニカルギアを7段階のうちハイスピードよりの5にセットして走り続けたが、安全性を高めるためスロットルレバーに対してわずかなタイムラグがあってから加速が始まるのが、バイク乗りとしては最初にちょっと戸惑う要素だった。しかしこれも、広場で遊んでいるうちにすぐ慣れた。

写真はフル電動モデル「noslisu e」
写真は大げさな障害物だが、この機構により多少のギャップであれば難なく通過することができる

フロント2輪の恩恵は、スクーターやモーターサイクルと同じく自転車にもあり、フロントブレーキを強く握ってもロックしづらく、片方のタイヤでちょっとした障害物を踏んだりギャップを通過したり……なんて状況にも強く、とにかく車体の挙動が安定している。

また、左右2本のスプリングを使った比較的シンプルな前輪機構の副産物的なメリットとして、人間が降りた状態で車体を直立させ、そっと手を離すと、ロックをかけていなくても車体の傾きがある程度のところで止まろうとする。もちろん、ロックを使えば完全に固定でき、駐車はとても簡単だ。

機構にロックをせずフリー状態
ロック機構を使わずフリー状態

電動アシストモデル「noslisu」&「noslisu cargo」

電動アシスト自転車の「noslisu」。満充電までは約5時間で、1充電あたりの走行距離はエコモードで53.0km、パワーモードで33.1kmとなる。36万3000円
電動アシスト自転車の「noslisu」。満充電までは約5時間で、1充電あたりの走行距離はエコモードで53.0km、パワーモードで33.1kmとなる。36万3000円
カワサキ独自の前2輪機構は、平行を保とうとする2本のアームやスプリングなどで構成され、比較的シンプルな設計だ
すべての仕様が、サドル下側にリチウムイオンバッテリーを搭載。取り外して充電することも可能で、盗難抑止のため着脱には専用のカギが使われている
noslisuとnoslisu eはサドル下側に、noslisu cargoはフレーム中央にリチウムイオンバッテリーを搭載。取り外して充電することも可能で、盗難抑止のため着脱には専用のカギが使われている
「noslisu」の左側グリップまわり。スイッチボックスによりアシスト能力をエコ、標準、パワーに切り替え可能。手前にあるレバーはリーンロックするためのもの
「noslisu」の左側グリップまわり。スイッチボックスによりアシスト能力をエコ、標準、パワーに切り替え可能。手前にあるレバーはリーンロックするためのもの
「noslisu」の右側ハンドルグリップまわり。あくまでも“自転車”なので、ホーンではなくベルを装備。シマノ製の7段変速システムは、グリップを回してチェンジ
「noslisu」の右側ハンドルグリップまわり。あくまでも“自転車”なので、ホーンではなくベルを装備。シマノ製の7段変速システムは、グリップを回してチェンジ
ビジネスユースを想定した電動アシスト自転車の「noslisu cargo」。こちらは2023年5月中旬現在、スペックには未公表の項目が多い。価格は41万4700円
ビジネスユースを想定した電動アシスト自転車の「noslisu cargo」。こちらは2023年5月中旬現在、スペックには未公表の項目が多い。価格は41万4700円

フル電動タイプ「noslisu e」

フル電動タイプの「noslisu e」。こちらも満充電までは約5時間で、1充電あたりの走行距離は速度リミッターがないモード2で47.4kmとなる。43万100円
フル電動タイプの「noslisu e」。こちらも満充電までは約5時間で、1充電あたりの走行距離は速度リミッターがないモード2で47.4kmとなる。43万100円
「noslisu e」はミニカー登録されるので、速度計もしっかり装備。走行モードやバッテリー残量なども、ハンドル上部に搭載されたこのデジタルメーターで確認できる
「noslisu e」のハンドルまわり。バーエンドにバックミラー、グリップの内側にはフロントウインカーを装備。フロント2輪機構とフロントキャリヤがボリュームを生む
こちらは「noslisu e」の左側ハンドルグリップまわり。電源ボタンやモード切り替えスイッチ、ウインカースイッチなどが配される。こちらもリーンロックレバー付き
こちらは「noslisu e」の左側ハンドルグリップまわり。電源ボタンやモード切り替えスイッチ、ウインカースイッチなどが配される。こちらもリーンロックレバー付き
「noslisu e」の右側ハンドルグリップまわり。こちらもシマノ製の7段変速システムを搭載。モーターによる駆動は、右手親指でレバーを押して操作するタイプだ
「noslisu e」の右側ハンドルグリップまわり。こちらもシマノ製の7段変速システムを搭載。モーターによる駆動は、右手親指でレバーを押して操作するタイプだ
フレームに直結することで大容量の積載時にも安定した走行を実現する、「noslisu e」のフロントキャリヤ。
フレームに直結することで大容量の積載時にも安定した走行を実現する、「noslisu e」のフロントキャリヤ。
ミニカー登録される「noslisu e」は、もちろんテールランプやリヤウインカー、ナンバーホルダーも採用。サドルの下側に、コンパクトにまとめられている
ミニカー登録される「noslisu e」は、もちろんテールランプやリアウインカー、ナンバーホルダーも採用。サドルの下側に、コンパクトにまとめられている

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