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鍛え抜かれた真のカタナを目指してTG-RUN制作『KATANA HAGANE』その切れ味に迫る!

テクニカルガレージ RUN 『KATANA HAGANE』 よく切れて、切れ味もいい真のカタナを目指して― コストだけでなく手間と時間をかけてカスタムはバランスする。日本刀のように鍛え抜かれた鋭いエッジを持つテクニカルガレージRUNのカタナ鋼は、まさしくそんな1台。最新カタナの魅力を最大限に引き出している。ここでは、そんな同社の杉本代表が目指したのは〝真のカタナ〞その真の魅力にせまっていこう。   この日はテクニカルガレージRUNが製作したKATANA HAGANEのシェイクダウンだった。代表の杉本さんが目指したのは〝真のカタナ〞。ノーマルでさんざん走った杉本さんが、自分が欲しい、自分が乗るなら、という思いをカタチにしたのがこの鋼なのだ。 実は杉本さんは、初代GSX1100Sカタナでも同様の雰囲気の鋼を製作。新旧鋼の製作コンセプトは〝切れ味の良いカタナ〞である。   鋼の車名にふさわしい、まるで日本刀のような質感の外装に目を奪われるが、その切れ味の良さを生み出すのは、前後足周りに奢られた高機能パーツとポジションの改良である。跨った瞬間、視線が高くなった気がして、見晴らしがいい。   そのポジションを生み出すシートの形状は、大きく見直されており、前側を高くして、着座位置が後ろに、そしてフラットになる形状に変更。それでいながらシート前方のサイドを落とし、足着き性も追求した。 RUNオリジナルのステップはバーを若干後ろに持っていき、ハンドルはノーマルだがトップブリッジから立ち上がるライザーの角度を変更することで、位置を手前にしている。跨った印象は、ノーマルとは何もかもが異なるが、自然と手を伸ばした位置にハンドルがくる。 実はノーマルのカタナを乗り込むと、もう少し後ろに座りたい……そんな気持ちになる。その着座位置に合わせてハンドルとステップ位置をアジャストしているのだ。 アップハンドルにこだわりそれでいてスポーツ性も追求

質感と性能にこだわり鍛錬し続け、日本刀のようなカタナを目指した

走り出すとポジションと前後サスペンションの変更により、重心が若干上がった印象だ。当然だがノーマルよりも20㎏ほど軽量化された車体はとても軽い。その重心の変化と軽量化が生み出すハンドリングは鋭い。ペースを上げなくても軽快で、深くバンクしなくても車体の向きが変わり、コーナーを簡単にクリアさせてくれるようなイメージだ。それは、手首や腕にかかる負担がなく、自然とリラックでき自由度の高いポジションだからだろう。 コーナーをいくつかクリアすると、バイクの方から「もっと速度をあげても大丈夫だよ」と言ってくれているような頼れる感じがあるため、ペースも上げやすい。 フロントフォークはGSX‐R1000R用のオーリンズを装着。マルケジーニ製のアルミ鍛造ホイールやブレンボ製のキャリパー、サンスター製のディスクも同様だ。それをRUNのオリジナルステムでマウントする。リヤのサスペンション、ホイール、ディスクはカタナ用だ。 こうした高機能パーツはレーシーなイメージが強いが、アベレージを上げなくてもとても上質だ。そのタッチは優しくて、繊細。ブレーキレバーに触れるのが快感だ。 [caption id="attachment_605267" align="alignnone" width="900"] シートは形状を変更。着座位置を後ろにすることで、自然なセルフステアを約束。さらに、しっかりと後輪に荷重しやすい[/caption] [caption id="attachment_605268" align="alignnone" width="900"] ステムはRUNのオリジナル。オフセットはカタナと同寸で、ハンドルライザーの形状を変更してハンドル位置を手前に[/caption] [caption id="attachment_605266" align="alignnone" width="900"] ステップは5ポジションから選べるRUNのオリジナル[/caption] [caption id="attachment_605264" align="alignnone" width="900"] ハンドリングを向上させるフェンダーレスキットはワンオフで製作した[/caption] [caption id="attachment_605265" align="alignnone" width="900"] ペイントは九州のアラタカデザインが担当。金属らしさを追求するため初代鋼を製作した際は何度もやり直した。メッキとも異なる独特の輝きを放つ[/caption] ペースを上げるとそのハンドリングは、よりダイレクトになる。ライダーの操作をライムラグなく感じ取り、ネイキッドとは思えないバランスの高いコーナリングマシンの一面を見せてくれる。そしてどこまでも余裕があるのが鋼だ。タイヤはブリヂストンのRS11。いわゆるハイグリップタイヤだが、そのグリップを存分に味わえる。進入ではブレーキレバーやハンドルから前輪の接地感が伝わり、旋回で荷重を強め、スロットルを開けていくと、もはやネイキッドとは思えない加速を披露する。 軽量化に大きく貢献するケイファクトリー製のチタンマフラーは、あえて焼き色などをつけずにシルバー仕上げにこだわった一品。音質はノーマルよりもジェントルで、シックな佇まいともバランスする。 [caption id="attachment_605272" align="alignnone" width="900"] マスターシリンダーはビレットのブレンボレーシング。制動時はもちろんリリース時のコントロール性も大幅に向上している。ラジエターコアガードはエッチングファクトリー製[/caption] [caption id="attachment_605274" align="alignnone" width="900"] JMCA認証のマフラーは、ケイファクトリー製のチタンフルエキゾースト。本来はゴールドだが、特注のシルバー仕上げとした[/caption] [caption id="attachment_605275" align="alignnone" width="900"] 前後ホイールはマルケジーニ製アルミ鍛造。M7RSメタルの特注シルバーを装着。前後ディスクはサンスター製のワークスエキスパンド。前後サスペンションはオーリンズ製。前後キャリパーはブレンボ製でフロントはレーシング。フロント周りはすべてGSX-R1000R用で、リヤはカタナ用のアイテムを装着。タイヤはブリヂストン製RS11[/caption] 「カタナはノーマルもカッコいい。ノーマルでさんざん走りましたが、乗っていると、ああしたい、こうしたいっていうのが出てきて、考えていたらこのカタチになりました。僕の理想のカタチ。色も車名がカタナなんだから、もっと切れそうなイメージにしたかったんです」とテクニカルガレージRUN代表の杉本さん。 クイックだがバランスの取れたハンドリング。まさに切れ味のいいカタナだ。もっといろいろなコーナーを切ってみたくなる。 ノーマルの良いところはさらに伸ばし、ノーマルの足りないところは少しずつ補う。それがテクニカルガレージRUNのカスタムだ。今回の鋼もそこから外れていない。だからどこまでもカタナらしいのだ。 どこかひとつの部分を突出させるのではなく、そのバイクが持つ魅力そのものを引き上げるところに職人の技が光る。その職人が鍛え抜き、研ぎ澄ました日本刀のようなカタナ。それがRUNの鋼だ。 [caption id="attachment_605269" align="alignnone" width="900"] スクリーンはマジカルレーシング製のスーパーコート。カーボン製の前後フェンダーとチェーンカバーも同社製を装着。独特の質感のミラーはB-KINGの純正だ[/caption]]]>

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