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アエラ渾身のコンプリートカスタム『AELLAMBLER800』を編集部がインプレッション!

AELLAMBLER800 Build by AELLA 18年の「Custom Rumble」で部門別世界第3位に輝いたアエランブラー 。その後、サーキットイベントなどで著名なライダーが走行するなど現在でも注目を集め続けるアエラ渾身のコンプリートを、あらためてご紹介 一般ライダーでも乗りこなせるその走りに、アエラの技術力を垣間見た。

原型をとどめない ドゥカティ・スクランブラー改はウワサどおりのフレンドリーマシン……だった!?

さすがに公道を走れる仕様ではないので、筑波サーキットコース1000で試乗。タイヤはピレリ製ディアブロスーパーコルサ(SC1)

アエランブラーは、京都を拠点にドゥカティのディーラーも運営するカスノモーターサイクルが、 オリジナルカスタムパーツブランドであるアエラの名を冠しながら製作した、ドゥカティ・スクランブラー(アイコン)がベースのコンプリー トモデル。

アエラの技術力を結集し、得意とするビレットパーツも多用して構築されている。フレームとスイングアームは、ベースこそスクランブラーだが、溶接や切断によりモディファイ。エンジンは内部にも手が加えられ、燃料供給はなんとキャブレター化されている。

18年にはドゥカティが主催するカスタムコンテスト「カスタム・ランブル」のセカンドエディションに出展。部門3位に輝いた実績を持つ。その後、サーキットイベントなどで実走される機会もあり、「乗りやすい」というウワサも聞こえてきたが、バイクに対する表現でこれほど曖昧な言葉はない。

「乗りやすい」は、シチュエーションやライダーの技能によって異なるのだ。と思っていたら、幸運なことに試乗する機会をいただいた。ロクにレース経験もない筆者のようなライダーが……である。

外装類はワンオフ製作。コンテスト出展時は真鍮箔押しのゴールドだったが、走行用カウルは太陽光で輝く4コートパール・ブラック

またがった第一印象としては、見た目どおり車体のかなり後ろ側に着座している印象。走り出すまでもなく、車体の軽さが伝わってくる。
燃料供給はキャブレター。これはライダーとマシンの一体感を高めるために選択されたものだが、まずなによりセッティングが秀逸だ。ピットからの発進時もスッと前に出て、なんのストレスもなく加速する。そのままペースを上げていっても、ダルなところや過敏すぎるところは皆無。「シャシーダイナモで基本を決めて実走で煮詰めた」とのことだが、このセッティングを出すのは本当に時間を費やしたことだろう。

とにかく加速が気持ちいいから、「万が一にも転倒したら大変なことに……」と思いつつも、自然とペースが上がる。軽量な車体には自在感があり、ブレーキレバーのタッチも助けとなってよく止まるから、大きなミスをしそうな気配がない。

なんて思いながら周回を重ね、「シャシャッ」と膝のバンクセンサーが擦れる音で我に返る。危ないアブナイ、調子に乗るところだった……。そう、結論としてアエランブラーは、年に数度しかサーキット走行しない程度のライダーでも簡単に膝を擦れてしまうくらい、見た目とは裏腹に乗りやすいバイクだった

ここまで徹底的にカスタムし、世界で3位になるルックスを築き上げる一方、走りを楽しむというバイクの基本も決して忘れていない。アエラというブランドの真髄を垣間見た気がする。

倒立のフロントフォークはオーリンズ製で、ステムシャフトやアンダーブラケットなどをアルミ削り出しで製作。前後ホイールはマグネシウム製
パワーユニットに関するカスタムでとくに目を引くのが、純正のインジェクションからキャブレターに換装された吸気系。ケーヒンのFCR39をエアボックスなしのファンネル仕様で装着。往年のライダーには懐かしさもある
オルタネーターカバーやインテークマニホールドなどはアルミ削り出しで製作し、ジェネレーターカバーやクラッチカバーは表面研磨後にバフ仕上げ。フライホイールを約1㎏軽量化するなど、エンジン内部にもかなり手が加えられている
アエラを代表するパーツである、アルミ削り出しのライディングステップも装着
トップブリッジとクリップオンハンドルは、いずれもアルミ削り出し。エノット製燃料タンクキャップのベース部は、真鍮を切削加工して製作
チタン製のエキゾーストパイプにステンレス製の触媒内蔵サイレンサーを組み合わせる
スイングアームは、純正をベースに溶接加工。純正は明らかな「へ」の字型だが縦方向にかなり太くなっている
リアブレーキキャリパーもアエラによるアルミ削り出しだ!

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