DUCATI Panigale V2 Bayliss 1st Champion 20th Anniversaty|Build by AELLA
伝統の90度Vツインエンジンを搭載したパニガーレV2をAELLAがカスタム。性能や精度に定評あるオリジナルアイテムをふんだんに導入して狙うのは、サーキットでのさらなる運動性能向上ばかりでなく、スポーティなショートツーリングでの優れた操作性と快適性だ。トータルバランスに磨きをかけたこの最新作を原田哲也さんがライド!
“全部盛り”でスポーティかつより快適に!
カスタムパーツブランドのアエラを展開するカスノモーターライディングステップキット(10万9780円)は、純正比で18/28mmフォワードと20/30mmアップ(逆チェンジなら40mmアップも)のポジション可変式。ブロックパターンのペグがステップワークの確実性を高める。ペダル可動部にダブルベアリングを採用し、ペダルの高さや先端部の位置も調整できるサイクルは、ドゥカティディーラーも運営している。そのためアエラではドゥカティ用パーツを積極的に開発。水冷Vツインエンジンを搭載した955㏄スーパースポーツ、パニガーレV2に適合するアイテムも、これまで数多く手がけてきた。
今回試乗したのは、それらのパーツをふんだんに導入したマシン。ベース車は、オーリンズの前後サスペンションと、専用グラフィックを採用して昨年登場の”ベイリス仕様”。バックミラーを取り外したレーシーなルックスになっているが、じつは公道走行での快適性向上や疲労軽減もテーマに手が加えられている。
「スタンダードと直接比較できませんでしたが、パッとまたがった印象としては、公道ならこれくらいで最適そうなステップ位置です」 このように第一印象を口にしたのは、本誌エグゼクティブアドバイザーの原田哲也さん。ステップ位置は純正比で28㎜フォワード&30㎜アップにセットした状態で走行した。
「今回はサーキットでの走行でしたが、公道走行を考慮するなら、これくらい前にステップがあるほうが楽。高さはあと10㎜下げられますが、公道ならそのほうがより疲労は少ないように感じます。一方でサーキットでは、もっと後ろにあるほうが入力しやすい。こちらも、試乗時よりはあと10㎜バックさせられますが、それでもノーマルよりは前になります。このことからも、このステップは公道走行をかなり意識した仕様と言ってよいでしょう。公道だけ走るとか、サーキットは年1回程度というユーザーに向くセットです」
最新のアエラ製ステップキットは、ステップバーの滑り止め加工が改良されており、「ホールド性も抜群」なのだと言う。
ライディングポジションに影響を与えるパーツとしてもうひとつ、アルミハンドルキットも導入されているが、こちらに対する評価も高い。
「公道走行で長時間乗るときに、ハンドル垂れ角が大きいと疲れやすいです。純正と直接は比較できていないですが、垂れ角が緩やかになったことで、手首などの負担が減っている印象があります。一方でサーキットを走ったときにも、操作しづらいなどのネガな要素はまるでありません」
その他、この車両には運動性を高めるパーツも多く使われているが、原田さんがとくに注目したのはオーバーサスペンションだ。
「ノーマルのパニガーレV2にも乗ったことがありますが、ハードブレーキングからのコーナー進入ではけっこうリアが不安定になる場面がありました。でもこの車両は、ブレーキング時の安定性が増している印象で、リアが暴れる感じがなく、スムーズに進入できます。かなりサポートしてくれていると思いますよ」
レバーガードを鋭意開発中!
AELLA初となるブレーキレバーガードは、市販化に向けた最終調整段階に。アーム部もアルミ削り出しとして、切削痕で美しさもアピールしている。同社製のハンドルバーエンドスライダーと組み合わせて使用できる構造で、左右ハンドル部のデザインをAELLAパーツで簡単に統一できるのも特徴だ。