スポーツからツーリングまでマルチにこなせる【Z650RS|Build by AELLA】
大人気モデルのZ900RSのカスタムにも力を注いできた、カスノモーターサイクルが展開するパーツブランドのアエラが、Z650をベースに開発され’22年型で新規導入されたZ650RSにも着目! ポジションの最適化で、よりオールマイティな仕様にまとまった!
PHOTO/S.MAYUMI TEXT/T.TAMIYA 取材協力/カスノモーターサイクル・アエラ事業部 TEL075-622-7439 http://www.aella.jp/
スポーツ性を高めても優しい乗り味はそのまま
649㏄水冷直列2気筒エンジンと高張力鋼管製トレリスフレームを、ストリートファイター系のZ650から継承。’76年に登場した〝ザッパー〞を思わせるレトロスタイルにまとめられ、’22年に発売が開始されたのがこのZ650RS。
アエラは、これまで4気筒エンジンを搭載したZ900RSのカスタムや市販パーツの開発に力を入れてきたが、弟分となる2気筒モデルの各種パーツ開発にも精力的に取り組んでいる。今回試乗させていただいたのは、それらが装着されたデモ車だ。
車種別設計のプロテクションアイテムやキャップ類などの汎用パーツの他、操作系に影響を与えるパーツとしては、ライディングステップキットとアルミ削り出し可変ハンドルを装着している。
ノーマルのZ650RSはアップライトなハンドルを採用しており、シートに跨って自然に手を伸ばすと、そこにグリップがあるというイメージ。
これによりかつてのZに近い、椅子に座っているような雰囲気を演出しているが、アエラの可変ハンドルはノーマルより30mm低い設計とすることで、軽く上半身を伏せながらスポーティに操縦しやすくなっている。
一方でこのハンドルは純正より20㎜幅が狭く、グリップが10mm手前になるようセットされているため、極端な前傾を強いられたり、遠さを感じたりすることはない。
Z650RSの主な使用環境となる、ツーリングや市街地走行での快適性をまるでスポイルすることなく、スポーティな走りにもより適応力を高めているのは、さすがアエラだ。
ライディングステップキットは、フットペグが4ポジション選択式で、ノーマルと最も差がある状態で20mmバック&10mmアップ。身長167cmで足が短い筆者の場合、膝を擦るときはもう少しアップにしたいと感じたが、そもそもZ650RSはそういうバイクではないし、この設定でも外足が外れることもなかった。また、ツーリングを想定して走ってみたが、この高さだと膝の曲がりは比較的穏やかで疲れづらく、剛性感のある設計と、滑りづらいペグのおかげで操作とステップワークが気持ちよかった。
このデモ車にはプロトタイプの内圧コントロールバルブも搭載されていて、エンジンブレーキを効かせたときにスムーズな印象だったが、こちらはノーマルと乗り比べたときにまたお伝えしたい。
Z650RSは、昨今ベテラン勢にも人気のミドルスポーツとして注目を集めるバイク。エントリー層も意識してやや廉価な設計だが、アエラ製パーツを組み込めば、質感も高めつつ、中上級者も納得の操作フィーリングにチューニングできる。