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ライダースクラブ的メンテのキモ【洗車のキモ】

メンテナンスの基本であるマシンチェック。洗車はそんなマシンの不具合や消耗具合をチェックする非常にいい機会であり、メンテナンスの第一歩である。マシンの真フォーマンスを引き出すにはまず洗車からだ。

愛車の美観管理はメンテの第一歩

愛機のコンディションを維持するのに、“車両を間近で観察ながら、各部を自らの手で触る”洗車ほど効率のいい作業はない。タイヤやブレーキパッドの残量やチェーンの弛み具合といった点検箇所にも自然と目が行くだろうし、実際に手で触れることで、ボルトの緩みやカウルのワレやキズなどもいち早く発見することができる。それに点検を兼ねた洗車を日常的に続けていると、いつもと違う僅かな異変や不具合に自然と気付けるようになる。 

ポイントは、汚れ具合や種類によって洗車の方法を変えること。洗車には大きく分けて水を使わずケミカルだけで済ませる水無し洗車と、洗剤と水を使ってしっかり洗い上げる通常洗車がある。軽度な汚れやコンディション維持だけなら水無し洗車でいいが、雨天走行後や、久しぶりという場合にはしっかり洗い上げる必要がある。今回は重度の汚れを想定し、汚れの確認→油汚れ除去→予洗い→本洗い→磨き→コーティングのフルコースで行ってみたが、慣れてきたら「今回は油汚れが少ないから、予洗いからでいいかな?」などと、自分なりにアレンジしていこう。 

また専用洗剤やコーティング剤の使用は、作業の時短や艶出し効果において格段の差が出るので、ぜひ一度試してもらいたい。

洗車の前に…【いきなり乾拭きはダメ!】

塗装面で見つけた乾いた汚れに対して絶対にやっちゃいけないのは乾拭き。塗装面についた砂や鉄粉などの粒の大きな汚れは研磨剤のようなもの。不用意に擦れば、それがそのまま塗装面を削り、擦過跡となってしまう。まずは粒の大きな汚れは水流で洗い流し、汚れも湿らせて浮かせるのがベター。それが叶わない場合は、せめて湿らせた布か、専用のクリーナーを使おう。

画像の説明

1:ヨゴレの種類を見極める

無機物

【鉄粉】鉄タンクの場合、磁性のある鉄粉などが付着するとなかなか取れにくく、そのままにしておくと塗装面を傷付ける
【鉄粉】鉄タンクの場合、磁性のある鉄粉などが付着するとなかなか取れにくく、そのままにしておくと塗装面を傷付ける
【砂】雨水で流れた砂や泥が足まわりに付着して美観を損ねる。水洗いですぐに落ちるがそのままこすると擦過傷になる
【砂】雨水で流れた砂や泥が足まわりに付着して美観を損ねる。水洗いですぐに落ちるがそのままこすると擦過傷になる
【ホコリ】バイクは静電気を帯びており、塗装面は、空気中を舞うホコリがつきやすい。花粉なども静電気で付着する

有機物

【虫】虫の死骸はサーキット走行につきもの。あまり気持ちいいものではないし、そのままにし
【カーボンスラッジ】アスファルトの溶剤やタイヤのゴムカスなどがエキパイなどに付着すると熱で固着してしまう。早めの除去が望ましい

機械油

【ブレーキダスト】ブレーキパッドがローターで削れることで発生するスス状のヨゴレ。水では落ちにくい
【ブレーキダスト】ブレーキパッドがローターで削れることで発生するスス状のヨゴレ。水では落ちにくい
【エンジンオイル】洗車前にはオイル滲みがないかもチェック。こちらも水では落ちない頑固な汚れが多い
【エンジンオイル】洗車前にはオイル滲みがないかもチェック。こちらも水では落ちない頑固な汚れが多い
【チェーンオイル】チェーンやスプロケットの摩耗を軽減させるチェーンオイルも、ホイールやスイングアームに飛び散れば汚れ。しかも落ちにくく、泥や金属粉と混ざってかなり厄介
【チェーンオイル】チェーンやスプロケットの摩耗を軽減させるチェーンオイルも、ホイールやスイングアームに飛び散れば汚れ。しかも落ちにくく、泥や金属粉と混ざってかなり厄介

2:油汚れの除去

バイクには洗剤による水洗いでは落ちにくい汚れもある。代表的なのはブレーキダストや飛び散ったチェーンオイルなど。これらの頑固な汚れは先にパーツクリーナーで汚れを浮かせておくと、スムーズな洗車につながる。チェーン清掃も行うならこの洗車のタイミングでやってしまおう。

①用意するものはパーツクリーナーと毛先にコシのあるナイロンブラシ。チェーン清掃に使う竹の柄のものが傷付かずオススメ
用意するものはパーツクリーナーと毛先にコシのあるナイロンブラシ。チェーン清掃に使う竹の柄のものが傷付かずオススメ
②パーツクリーナーを吹きかけながら、ホイールの表面を油汚れを擦る。パーツクリーナーが乾く前に水で流しながら洗う
パーツクリーナーを吹きかけながら、ホイールの表面を油汚れを擦る。パーツクリーナーが乾く前に水で流しながら洗う
一番汚れるキャリパーの外側はパーツクリーナーを吹きかけながら、重点的にに洗う。ローターの穴もブレーキダストが溜まりやすい部分だ

3:水洗い(予洗い)

目に見えてホコリや砂をかぶっている場合はもちろん、微細な鉄粉などによるキズ付きを防ぐためにも予洗いをしたい。虫の死骸なども水分を吸って落としやすくなる。

①少々の水気は平気とはいえ、サイレンサー内部にあまり水は入れたくないもの。気になるならウエスや専用のキャップで養生しておけば気兼ねなく水をかけられる
少々の水気は平気とはいえ、サイレンサー内部にあまり水は入れたくないもの。気になるならウエスや専用のキャップで養生しておけば気兼ねなく水をかけられる
②バイクの上からシャワーし、汚れを洗い流す。現代のバイクなら、家庭用シャワーの水圧でどうなることはないので、気兼ねなく水をかけて落ちやすい砂や泥などの汚れを流す
バイクの上からシャワーし、汚れを洗い流す。現代のバイクなら、家庭用シャワーの水圧でどうなることはないので、気兼ねなく水をかけて落ちやすい砂や泥などの汚れを流す
③バイクの洗車は手洗いが基本。というのも塗装面の汚れの感触は指先で触るのが一番わかりやすく、傷つけにくい。またネジの緩みやカウルのヒビなどにも気付きやすい
バイクの洗車は手洗いが基本。というのも塗装面の汚れの感触は指先で触るのが一番わかりやすく、傷つけにくい。またネジの緩みやカウルのヒビなどにも気付きやすい
④手のひらで撫で洗いしていて、凹凸があったら、それは虫の死骸かスラッジなどの汚れ。爪で優しくこそげ落とすのが一番確実な方法だ
手のひらで撫で洗いしていて、凹凸があったら、それは虫の死骸かスラッジなどの汚れ。爪で優しくこそげ落とすのが一番確実な方法だ
⑤砂汚れを巻き上げるフェンダー裏側の砂や泥はしっかり落とす。ナンバーステーの隙間やカウルの合わせ目などに砂や泥が詰まっている場合もあるのでしつこいくらいに洗う。塗装面以外の傷の目立たない部分はブラシやスポンジでこすってしまうのもアリ
砂汚れを巻き上げるフェンダー裏側の砂や泥はしっかり落とす。ナンバーステーの隙間やカウルの合わせ目などに砂や泥が詰まっている場合もあるのでしつこいくらいに洗う。塗装面以外の傷の目立たない部分はブラシやスポンジでこすってしまうのもアリ

4:洗い

油汚れと、予洗いが終わったら、いよいよ本洗い。洗う順番は上から下へを基本に、タンクまわり、フロントまわり、フロント足まわり、エンジン、リア足まわりと、パートごとに洗い、その都度水で流すのがポイントだ。

使用したアイテム【GLARE】

“Glassplexin”と呼ばれる塗装面の“艶”を出すための特殊成分を配合した、アメリカ発の「洗剤」、「コンパウンド」、「コーティング材」。バイクや車はもちろん、それぞれ355ml、100ml入りがあり、お得な3本セット(355ml:1万6500円、100ml:6380円)や、専用のウエスやスポンジなどもラインナップしている

画像の説明
キャップ一杯のウルトラウォッシュシャンプーに対し、3L程度の水で希釈。シャワーを使ってよく泡立てる。洗いにはマイクロウエスを使ったが、スポンジでも構わない
本洗いもバイクの上面からが基本。またスクリーンは塗装面よりもデリケートなので、ウエスが汚れる前に真っ先に洗う
本洗いもバイクの上面からが基本。またスクリーンは塗装面よりもデリケートなので、ウエスが汚れる前に真っ先に洗う
スクリーンの次はタンクやカウル、シートなどバイクの上部から順番に洗っていく。洗剤を乾かさないよう、面倒くさがらずにこまめに水で洗い流そう
スクリーンの次はタンクやカウル、シートなどバイクの上部から順番に洗っていく。洗剤を乾かさないよう、面倒くさがらずにこまめに水で洗い流そう
⑥全体を洗い終わったら、洗い残しがないかを確認しながら細部も洗う。キャリパーやローター部、エンジンの凹凸などは、専用のブラシを使うと非常にスピーディだし、安全だ
全体を洗い終わったら、洗い残しがないかを確認しながら細部も洗う。キャリパーやローター部、エンジンの凹凸などは、専用のブラシを使うと非常にスピーディだし、安全だ
【洗い完了!】マイクロウエスで吹き上げる。ウルトラウォッシュシャンプーにも艶出し成分の“Glassplexin”が配合されている。スクラッチ痕はあるが、なんだかいつもより艶があるようにも見える
【洗い完了!】マイクロウエスで吹き上げる。ウルトラウォッシュシャンプーにも艶出し成分の“Glassplexin”が配合されている。スクラッチ痕はあるが、なんだかいつもより艶があるようにも見える

【POINT】足まわりは最後

パーツクリーナーで浮かした油など、汚れのきつい足まわりは最後に洗うのが常套手段。これはウエスについた砂や油汚れを他へ広げないための工夫。特に砂の付いたウエスで塗装面やスクリーンを洗うのはリスクが高い。もし、洗車の途中でウエスを落として砂まみれにしてしまったら、新しいウエスで洗うくらいの気持ちでいよう。

画像の説明

5:磨き

バイクは磨くことで新車時の輝きを保つことができる。磨きで使うポリッシュは、コンパウンドと呼ばれる研磨材入りのものと、研磨材を使わない製品がある。マイクロフィニッシュコンパウンドは研磨剤を含まないタイプで施工も安心。

使用したアイテム【Micro-Finish Compound】

特徴は使用可能箇所の多さ。研磨材を使わないので、デリケートなスクリーンから塗装面、エキゾーストパイプなどの金属部分から樹脂パーツなどにも幅広く使うことができる。スポンジでの施工がやりやすい

画像の説明
①使い方は簡単。適量をスポンジに取り塗り広げ、円を描くようにすり込んでいく。こうすることで表面の微細な小傷にレジン(樹脂性分)がすり込まれ、小傷が目立たなくなる
使い方は簡単。適量をスポンジに取り塗り広げ、円を描くようにすり込んでいく。こうすることで表面の微細な小傷にレジン(樹脂性分)がすり込まれ、小傷が目立たなくなる
マイクロフィニッシュコンパウンドをすり込んだら、キレイな乾いたウエスで軽く拭き上げ、余分なマイクロフィニッシュコンパウンドを拭き取る。もうこれだけで艶が出てきた印象だ
マイクロフィニッシュコンパウンドをすり込んだら、キレイな乾いたウエスで軽く拭き上げ、余分なマイクロフィニッシュコンパウンドを拭き取る。もうこれだけで艶が出てきた印象だ

磨き施工終了

マイクロフィニッシュコンパウンドは、塗装面から金属パーツまでどこにでも使用できて非常に使い勝手がいい。使用前と使用後の違いは、右ページの洗い終了の写真と見比べてもらえれば一目瞭然。特にニーグリップで付いた布ズレによる小傷が見事に消えている。他の樹脂パーツも深みが増したような印象を受けた。

6:コーティング

最終工程はコーティング。ワックスがけとも呼ばれる工程だ。磨きまででも十分マシンはきれいになるが、コーティングを行うことでその輝きに深みが増したり、輝きの効果が長続きするようになる。また汚れが付着しにくくなるので、日々のお手入れも楽になるぞ。

使用したアイテム【Professional Polish Coating】

“Glassplexin”による艶出し効果が高いため、“塗装面以外は使わないでください”という注意書きがあるくらい。さらに艶や光沢が出るだけでなく、触った感触のツルツル具合いが、マイクロフィニッシュコンパウンド施工後よりもさらにツルンツルンになる

画像の説明
スポンジで薄く塗り伸ばしていく。磨きのときと違い、あまり力を入れずに丁寧に均一に塗り伸ばしていくのが美しくするコツだ
スポンジで薄く塗り伸ばしていく。磨きのときと違い、あまり力を入れずに丁寧に均一に塗り伸ばしていくのが美しくするコツだ
プロフェッショナルポリッシュコーティングを塗装面全面に塗り終わったら、5~10分ほど放置してコーティングをしっかりと乾かしてやる
プロフェッショナルポリッシュコーティングを塗装面全面に塗り終わったら、5~10分ほど放置してコーティングをしっかりと乾かしてやる
③新しいウエスで軽くなでるように拭き取っていくと、見事に艶が出ている。タンクに映り込む電線の形がはっきり見えるほどである
新しいウエスで軽くなでるように拭き取っていくと、見事に艶が出ている。タンクに映り込む電線の形がはっきり見えるほどである

コーティング施工完了

ワックス効果で輝きの維持が可能になるコーティング。一度施工した後は、専用ケミカルによる水無し洗車と、再コーティング作業だけでコンディションを維持することも可能だ
見事に輝きを増し、汚れる前よりも艶やかになった印象だ。洗車後のコンディションキープはマイクロフィニッシュコンパウンドによる軽い磨きと、プロフェッショナルポリッシュコーティングの拭き上げで十分
見事に輝きを増し、汚れる前よりも艶やかになった印象だ。洗車後のコンディションキープはマイクロフィニッシュコンパウンドによる軽い磨きと、プロフェッショナルポリッシュコーティングの拭き上げで十分
プロフェッショナルポリッシュコーティングによるコーティングで水切れ効果もアップ!
プロフェッショナルポリッシュコーティングによるコーティングで水切れ効果もアップ!

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