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フロントフォークオイルは粘度特性が性能の鍵?【もう一度、オイルについて考えてみる:Think with A.S.H.】

定期交換部品と、多くの人が認識しているフォークオイル。
交換が必要なのは劣化が理由だが、サスセッティングのツールとしても大きな役割を持っている。

PHOTO/Y.ARAKI,K.ASAKURA
TEXT/K.ASAKURA
取材協力/ジェイシーディプロダクツ 
http://www.jcd-products.com/

もう一度、オイルについて考えてみる

A.S.H.はエンジンオイルのメーカーとのイメージが強い。主力アイテムがエンジンオイルであることは事実だし、この企画でも一般ライダーに最も馴染み深い油脂類としてエンジンオイルをフィーチャーしてきてもいる。だが、バイクに使用されている油脂類はエンジンオイルだけではないし、A.S.H.でも以前紹介したようにブレーキフルードなどもラインナップしている。バイクに関する様々な油脂類を取り揃えているブランドなのだ。

そこで今回取り上げるのはフォークオイル。A.S.H.の隠れたベストセラーアイテムだ。

「開発のきっかけは、ユーザー様からの要望でした。A.S.H.のエンジンオイルを愛用してくださっているバイクショップさんから、もっと良いフォークオイルが出来ないものかと、ご相談いただいたことでした。」

そう語るのは、高性能オイルブランドA.S.H.を展開する、ジェイシーディプロダクツ代表の岸野 修さんだ。そもそも、フォークオイルには、どんな性能が求められるのだろう?

「サスペンションの主役は、あくまでスプリングです。フロントフォークに使用される金属製スプリングには固有振動数がありますから、その新津を制御するのがダンパーです。」

固有振動数とは、スプリングの硬さや質量から求められる数値。一度、伸縮したスプリングは、外的要因がない理論上は永久に伸縮を繰り返す特性がある。伸び縮みが収まらなければ、バイクはまともに走らない。そこで、サスペンションにダンパーが備えられるようになった。

「ダンパーの減衰力のもとになるのがフォークオイル。簡単にいえば、フロントフォーク内を、フォークオイルが流れる抵抗を利用します。実は、フォークオイルは組成的にはエンジンオイルと大きく変わらないのです。ベースオイルに添加剤を加えて作ります。A.S.H.のフォークオイル「FD OIL」のベースオイルは、全く同じではありませんがエステルやPAOといった、エンジンオイルにも使われるものです。」

 当然、調合されるレシピは異なるが、フォークオイルとエンジンオイルはかなり近いものだというのだ。ならば、高性能を求めた場合、共通するものがあるのか?

「ベースオイルの性能はもちろんですが、添加剤をどう加えるかも重要ですね。フォークオイルの開発時に、既存の製品について色々と調査しました。そこで、わかったのが粘度向上目的で添加剤にポリマーが使用されている製品が多いことでした。」

 本誌読者であればご承知かと思うが、A.S.H.のバイク用エンジンオイルにはポリマーが使用されていない。ポリマーは簡単に粘度を上げることができるが、熱が加えられると極端に性能が落ちるためだ。

「フォークオイルでも同じ。ダンパーは作動時に熱を発します。高温時に粘度が下がるのは、どんなオイルでも同じですが、ポリマーを使用したオイルは一度熱で劣化すると、冷めても粘度が回復しません。」

 サスペンションの性能が落ちる理由の一つがこれだ。いわゆる〝タレた〞状態だが、A.S.H.のフォークオイルであれば、ノン・ポリマーであるため熱による劣化は基本的にない。そのため、エンジンオイルと同様に、極めてマイレッジ性能が高いのだという。フォークオイルは定期的に交換すべきだが、その間隔を大きく伸ばすことができるのだ。

「ライフも性能の一つですが、FD OILで重要視したのは、いかに安定して減衰力を発生させられるかです。様々な粘度を試して、ご自分の走りに合ったフォークオイルを見つけていただきたいですね。」

フォークオイルの役割を再確認

フロントフォークが備える、ダンパーの構造を図にしたもの。ここでは、現在高性能バイク用フロントフォークで主流になっている、カートリッジ式ダンパーを取り上げている。他にダンパーロッド式と呼ばれるダンパーも多く使用されているが、性能的には緻密かつ安定した減衰力を発揮する点でカートリッジ式ダンパーが勝る。だが、減衰力をどうやって生み出すかという根源の部分は、どちらもフォークオイルの粘度抵抗に依存しているという点で変わらない
フロントフォークの役割は、主に衝撃の吸収と車体姿勢を維持することだ。衝撃を吸収するためにスプリングを増備しているわけだが、多く使用されている金属製のスプリングは、一度衝撃を受け縮むと、伸び縮みを繰り返す特性がある。それでは車体姿勢が安定しないので、スプリングの伸縮を制御するためにダンパーが生み出された。

A.S.H.FD OIL

#11、#15、#20、#30、#33、40、#58、#73

A.S.H.のフロントフォークオイルFD OILは、高性能エンジンオイルと同等のベースオイルを使用し、独自の添加剤を配合。ノン・ポリマーであることで、今までにない長い寿命と、安定した減衰力発生を実現している。ラインナップされるのは下記の8タイプ。

表示されている番手は、国際基準ISOの粘度表示に則ったものなので、自分のバイクの指定粘度に合わせられる。また、FD OIL同士なら、混合して好みの粘度のフォークオイルを作ることも可能。その場合、仮に#15と#20を同量で混ぜても、必ずしも両者の中間の粘度にはならない。

FD OILをブレンドしてオリジナル粘度を作る場合は、テスト走行しながら様子を見るべきだ。また、FD OILは用品店などで店頭販売はされていないので、購入可能な店舗については、下の問い合わせ先のジェイシーディジャパンにメールで問い合わせて欲しい

A.S.H.製品に関する問い合わせ先

A.S.H.の製品について、もっと深く知りたい。A.S.H.製品はどこで買えるの? といった読者から声が増加中。そうした質問に回答してくれる、問い合わせ窓口のメールアドレスを紹介。

● オイルや添加剤他、製品に関する問い合わせ
ジェイシーディプロダクツ info@jcd-products.com

● A.S.H.製品取り扱い店に関する問い合わせ
ジェイシーディジャパン info@jcd-japan.com

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