カワサキ Z650RS カスタムマシンインプレッション by アクティブ
軽量化やポジションの最適化に繋がるパーツ、前後サスペンションの変更は、愛車が持つポテンシャルをさらに引き出し、理想的な走りの実現にもつながる。パーツメーカーが手がけるカスタムマシンで、あらためてそれを検証してみたい。
PHOTO/S.MAYUMI TEXT/T.TAMIYA
問/アクティブ TEL0561-72-7011 http://www.acv.co.jp/
ロードレース世界選手権参戦初年度の’93年にGP250王者となり、’02 年に引退するまで250や500で活躍。現在は、のんびり走らせるツーリングの楽しさも広めている
多彩なオリジナルカスタムパーツを手がけ、国内外のさまざまなブランドを取り扱うアクティブが、’23年に立ち上げたのが「153ガレージ」。ネオクラシック系モデルに対応するパーツブランドだ。〝153〞はアクティブ本社の前を通る国道153号に由来。装飾をシンプルに抑えるなど、ネオクラシックならではの設計が追求されている。
そんな153ガレージの新製品群と、アクティブを代表するゲイルスピードの前後ホイール、ブレーキ系アイテムを用いながらカスタムされているのがこのZ650RS。セパレートハンドル化とバックステップ化に加えて、前後ホイールを18インチにすることで、’70年代Z650(ザッパー)をより感じさせるシルエットを与えている。
「ノーマルと直接比べて走ったわけではないので、あくまでもイメージですが、まず切り返しなどに軽快さを感じます。これは、前後のホイール、あるいはサスペンションの変更によるものでしょう」
前後ホイールの1インチアップだけだと、ハンドリングは穏やかになりそうだが、装着されているタイヤはフロントが120→110幅、リアが160→140幅にナロー化されており、これは軽快感につながる大きな要素だ。
前後サスペンションは、アクティブが正規代理店を務めているハイパープロのキットにより、フロントスプリングとリアショックが換装されている。その恩恵は、切り返し以外にも多くの部分で感じられるようだ。
「とくに大きいのは、沈み込み初期にしっかり仕事をしてくれる点。それがあることで、フロントはナチュラルにサスを縮めていけて、ブレーキング時の操縦性や安心感が高まります。最初からリアが低いなんてことがないので、ストローク量が分かりやすいです。単純にカタいのではなく、腰があるけどしっかり動くというのが大事なポイントです」
ブレーキは、ゲイルスピード製の前後キャリパーやフロントマスターシリンダーなどに換装。「初期からしっかり効くだけでなく、フロントはコントロール性もかなり高め」と、原田さんはこちらも高評価だ。
そしてこの車両は、153ガレージのセパハンキットとバックステップも導入されている。原田さんは、最後にポジションについて言及した。
「ノーマルのバーハンドルと比べて前傾姿勢になるので、ユーザーのツーリングスタイルで好みが分かれそう。僕は休憩なしで一気に走ることが多いので、アップハンのほうが向いているとは思います。でも、だからといってこのセパハンだとキツすぎるというわけではありません。街乗りだって十分できます。そして、中野(真矢さん)が跨がっているのを見ていたら、人が乗ったときにまとまりがあり、センスの良さが感じられてより好印象になりました」