スズキ ハヤブサ カスタムマシンインプレッション byストライカー
軽量化やポジションの最適化に繋がるパーツ、前後サスペンションの変更は、愛車が持つポテンシャルをさらに引き出し、理想的な走りの実現にもつながる。パーツメーカーが手がけるカスタムマシンで、あらためてそれを検証してみたい。
問/カラーズインターナショナル TEL045-949-1345 https://www.striker.co.jp/
フルエキで約15kgもの軽量化! 巨躯に臆すること無くスポーツできる
元プロレーサーの新辰朗さんが手がけるカスタムパーツブランドのストライカーが、’21年型以降の3代目ハヤブサに適合する新作マフラーの市販化を決定。現行ハヤブサ用の政府認証マフラーで1本出しというのは〝世界初〞となる。
ストライカーは、現行ハヤブサのデビュー直後から4-2-1集合マフラーの開発に着手。2代目ハヤブサ1300では車検対応1本出しの実績もあったが、その時代と比べて排ガス規制値は厳しくなっている。そのため開発は一時とん挫したが、’23年春に状況が一変。サクラ工業から新たな触媒が登場したのだ。これを受け、ストライカーもハヤブサ用マフラーの開発を再開。今秋には排ガスと騒音の試験をクリアした。
ストライカーが〝1本出し〞にこだわるのは、ビジュアルのこともあるのだが、何よりも圧倒的に軽量化が図れるから。今回開発されたインターモデル・SCフルエキゾースト・オフタイプBは、エキゾーストパイプとサイレンサーともにチタン合金素材を主に使用し、総重量は約5kgに抑えられている。2本出しの純正は約20.5kgなので、じつに約15㎏もの軽量化を達成しているのだ!
「ノーマルをサーキットで走らせると、ブレーキング時に慣性力によって、リアが自分を追い越していくんじゃないか……というような感覚があります。でもこのマフラーに換装することで、それはだいぶ減ります」 試乗した原田哲也さんはこのように話す。「コーナリングでもリアから押される感じがあったのですが、これは狙ったラインを通りやすくなりました」とも分析する。
パーツひとつで15kgも軽量化できて、それにより走りが激変。こうなると原田さんにも欲が出る。低中速コーナーでのより理想的な旋回特性を求め、リアサスペンションの圧側減衰力を少し抜き、再度試乗した。「マフラーの換装だけではまだ少し残っていた、リアから押されるような感触がさらに消えました。例えば下りのワインディングでは、かなり走りやすくなるはず!」
さらに、原田さんと交替でテストライディングした新さんも、このように目を輝かせる。
「マフラーにより軽くなった車体にサスペンションを合わせることで、攻めたくなるバイクになってきました」
そして原田さんは、ハヤブサにこのマフラーを装着することによるさらなるメリットも挙げた。「政府認証タイプなので排気音は静か。とくに低中回転域はその傾向が強いので、ツーリングで疲れません。それでいて、高回転域ではしっかり音が伝わってきて、スポーティな気分を高めてくれます。軽量化によりハンドリングも向上しているし、この仕様ならツーリングが快適になるだけでなく、ライパなどでサーキットを適度なペースで走らせるのがより楽しくなると思います」