理想のカスタムがきっと見つかる/カワサキ Z900RS カスタムインプレ〈ACTIVE〉
問/アクティブ TEL0561-72-7011
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車体剛性の大幅な向上によりスポーツ走行に余裕で応える
ライムグリーンの車体色に、ホワイトとレッドのストライプ。そして燃料タンクはアルミニウムカラー。’80年代初頭のカワサキマGPシン、KR500を彷彿させるカラーリングは、オーセンティックなデザインのZ900RSによく似合う。
コーク・バリントンの時代だ。当時の私はまだ幼く、ポケバイに乗り始めた頃だったと思う。しかしこのカラーリングには懐かしさを感じると同時に、40年以上経った今となっては目新しさもある。
しかしカラーリング以上に私の心を掴んだのは、パフォーマンスダンパーの効果を体験したことだった。
パフォーマンスダンパーは、一見するとただの棒のように見える。装着もフレームにボルトオンするだけと、極めてシンプルだ。ヤマハと共同開発され、アクティブの手によって各車種に合わせた専用セッティングが施されている、とのことだ。
今回は特別に装着時と非装着時の比較試乗を行ったのだが、走りの違いは明確だった。パフォーマンスダンパーを装着していると、ブレーキングからコーナーに進入する時、縦方向と横方向に加わる荷重をパチッと受け止めてくれるのだ。
逆にパフォーマンスダンパーを取り外すと、一気に頼りなくなる。その差は顕著で、気軽なボルトオン装着からは想像できないほど効果的だ。
往年のGPマシンを模しているのは、ルックスだけではない。「走る、曲がる、止まる」という基本性能を高めているあたりは、ハイパフォーマンスを追求するGPマシンにも似た開発姿勢だ。
特に車体パーツは念入りに選び抜かれている。専用断面形状を有し、シルバーにきらめくアクティブ製の口の字断面スイングアーム ポリッシュが非常にカッコよくて目を引くが、他にもゲイルスピードの前後ホイール、ハイパープロ・スプリングをインストールしたフロントフォーク、コンバーチブルステムキットなど、車体パーツのアップグレードが存分に施されている。
それらの効果は大きく、パフォーマンスダンパーとも相まって、最初のコーナーを曲がった瞬間にノーマルとは別物だと分かる。
ノーマルでは鉄フレームの宿命として全体的にヨレ感があるのだが、そこがしっかり改善されていて、ペースアップしても高荷重を受け止めてくれる。ハイグリップなブリヂストンS22に負けない車体となっており、スピードが乗れば乗るほど楽しい。高剛性化の恩恵だ。
フロントブレーキディスクはゲイルスピードのクロスロック。大径φ320mmとのことで、制動力は非常に高い。ただ、今回テストした筑波サーキット・コース1000のような低速コースでは、ちょっとオーバースペックに感じた。モビリティリゾートもてぎぐらいのハイスピードコースで真価を発揮しそうだ。