理想のカスタムがきっと見つかる/カワサキ Z900RS カスタムインプレ〈AELLA〉
走っても、そして眺めても高い満足感が、ここにある
問/アエラ TEL075-622-7439
http://www.aella.jp/
跨がって最初に感じたのは、「このバイクは街乗りするのがラクそうだ」というものだった。アエラのアルミ削り出し可変ハンドルは、絞り角を変更できる。ハンドルを手前側に倒せば、垂れ角を付けることも可能となっている。
セパレートハンドルではなく、いわゆるバーハンドルに類する形状なので、ポジションとしてはアップライトだ。だから、跨がっただけの時には普通に快適に感じたのだ。
ところが走り出してみると、ポジション以上に「ハンドルは、走りのフィーリングに大きな影響を及ぼす重要パーツだったんだな……」と、感動すら覚えてしまった。
その名の通りアルミ削り出し材で製作されたハンドルは、ノーマルのパイプハンドルに比べて剛性が高い。その恩恵として、フロントからの接地感を非常に感じやすいのだ。また、タイヤやサスペンションの動きまでもが、より伝わりやすくなっている。ハンドルの高剛性化がもたらすインフォメーションの多さは、特筆すべき美点だと私は思う。
サスペンションは、跨がった瞬間に「硬そうだな」と思ったが、走り出すとうまくバランスが取れていることが確認できる。スロットルを開けると荷重がうまくリアに乗ってくれるので、安心感が高い。
装着していたタイヤは、ビンテージスタイルのトレッドパターンが懐かしいピレリ・ファントム スポーツコンプRS。最新技術が投入されているとは言え、安心感の高さにテンションが上がり、スロットルを大きく開けるとたまらずリアタイヤが滑り出すのだが、非常にコントローラブルなので安心感は維持したままだ。
ギアーズレーシングと共同開発のリアサスペンションもうまくセッティングしてある。
マフラーはアールズギア・ワイバンのコラボモデル。しっかりとパワーが出ていて、全域でノーマルより上乗せされている。特に高回転域の抜けの良さは爽快だ。
クランクケース内圧を適正に保つ内圧コントロールバルブも装着されていた。エンジンブレーキを軽減するとのことだが、同時に装着されているアドバンススロットルパイプと相まって、私はスロットルオン時のフィーリング向上も感じた。
ライディングステップキットは、操作の質感が驚くほど高い。足から感じられるカッチリしたフィーリングは、高精度で高品質なパーツならではの気持ち良さだ。アルミ削り出しタンデムステップなど、出し入れする際の「カッチ」という高品質な節度感が気持ちよすぎて、意味なく出し入れしてしまったほどだ。
そう、アエラのZ900RSが魅力的なのは、走り一辺倒ではないことだ。高品質なビレットパーツが盛りだくさんに装着されており、ルックス的にも非常にエモい。所有する歓びの大きさは、アエラの特権だ。