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【HYPERPRO/唯一無二のコンスタントライジングレート】サスペンションメーカーに聞いた、ベースセッティングの考え方

数多くあるサスペンションメーカー。それぞれに異なるベースセッティングや、製品に込めた考えがある。今回は、そんなメーカーのエキスパートたちに、セッティングに対する取り組み方や想いを聞いてみた。メーカーや思いを知ることで自分の思うサスペンションにさらに近づけるはずだ。

問/アクティブ TEL0561-72-7011 https://www.acv.co.jp/

サスペンションの基本スプリングに徹底的に拘る

サスペンションの設計思想は、メーカーによって異なる。ハイパープロがこだわっているのはスプリング。そうして生み出されたのが、独自の〝コンスタントライジングレートスプリング〞だ。

バイクのサスペンションにはコイルスプリングが使われている。その反力を決める要素のひとつがピッチ。ピッチとは、コイル状に巻いた状態で、隣り合った線との距離を指す。同じ鋼材で同じ線径、コイル状に加工した状態での直径が同じであれば、ピッチが離れているほど反力が高く、ピッチが密の方が弱い。

一般的にサスペンションには、ピッチが均等の〝一段ばね〞と、二つのピッチを組み合わせた〝二段ばね〞が多く使用されている。一段ばねは、荷重に対する反力の立ち上がり方が一定。二段ばねは、低荷重時にはピッチが狭い部分の反力が働くのでソフト、荷重が高まるとピッチの広い部分の強い反力が働く。〝初期は柔らかく、奥で踏ん張る〞特性を求めたものだ。だが、二つのピッチの作用が切り替わるポイントが存在するため、そこでのフィーリングの変化が嫌われることがある。

ハイパープロのコンスタントライジングレートスプリングは、ピッチが不等間隔。低荷重時は反力が小さいために乗り心地がよく、攻め込んで荷重が高まる時には、サスペンションが入れば入るほど反力が高まる。反力はプログレッシブに上昇するので、二段ばねのようにフィーリングが変化しないことが最大の特徴だ。

「サスペンションの重要の役割は二つ。一つがショックの吸収、もう一つが車体姿勢の制御です。そこで、重要なのがスプリングです」

そう語るのは、ハイパープロ製品をデリバリーする、アクティブの宇田知憲さん。

「バイクを支えているのはスプリングであり、減衰力調整はその補助です。セッティングというと、減衰力の調整を触りたがる人が多いのですが、サスペンションの基本はスプリング。スプリングのプリロード調整からはじめることをお勧めしています。ハイパープロでは、プリロード調整の基準値として、車種別のサグ値を提示しています」

サグ値とは、静止状態でのサスペンションの沈み具合から、車体姿勢を表す数値。ノーマルと異なるスプリングやサスペンションユニットを装着することで、車体姿勢が変化する。ハイパープロではノーマルの車体姿勢を基準にサグ値を設定。まずプリロードや車高調整を行い、指定のサグ値に合わせる。そこから好みに合わせ、改めてプリロード調整や、減衰力の調整を行うことを推奨しているのだ。

「コンスタントライジングレートスプリングは、プリロード調整での変化を体感しやすいのが特徴です。調整する前と後で、走りの違いが分かりやすいので、セッティングもやりやすいと考えています」

付属するセッティングマニュアルには、症状に対処したチャートも付属。明確に方向性が示されている。

「ハイパープロのサスペンションは、ストリートで快適かつ安全に走ることを目的に開発されています。ライダーの多くはストリートで走っています。レースやサーキットは無関係と考えている人にこそ、ハイパープロのサスペンションを使って欲しいですね。気持ちよく曲がって、気持ちよく止まる。その違いを体感していただけると思います」

アクティブ宇田知憲さん
香川県出身。少年時代からサーキット走行に親しみ、カスタムショップ経営を経て、請われてアクティブに入社。同社でのキャリアのほとんどをHYPERPRO担当として過ごす。根っからのスポーツバイク好きで、現在の愛車はヤマハYZF-R7
HYPERPRO製品の仕様は、日本のライダーに合わせ、日本のスタッフによって決定。そのスペックをもとにオランダのHYPERPRO 社で製造される“JAPAN SPEC”。出荷前にはショックダイナモ検査を行い、設計通りの性能が確保されているかを確認する
オーバーホール他のメンテナンス体制も万全。パーツのカラーオーダー等のイージーオーダーも可能。HYPERPROは、“ストリート向け”を謳うが、レースやサーキットに合わせたカスタマイズにも対応。フルオリジナル仕様の、ワンオフ製作にも対応
HYPERPROとACTIVEが、共同開発を行い誕生したφ43mm正立フロントフォーク。コンスタントライジングレートスプリングの採用はもちろん、日本人の体格や日本のライダーの使用条件を吟味して決定された“JAPAN SPEC”で製作。調整幅も広く、幅広いライダーにマッチ
ツインショックのハイエンドモデルである「DP-S」は、シリンダー内のピストンに加え、リザーバータンク経路にもサブピストンを設け、細かな圧側減衰力調整を実現した“ダブルピストンシステム”を採用。日本国内でのみ販売される、”JAPAN SPEC”を象徴するモデルだ
ピッチが少しずつ変わっていくコンスタントライジングレートスプリング。スプリングの反力の強さだけでなく、その変化の度合いも車種によって理想のスペックが異なるため、HYPERPROでは3000種類を超えるスプリングがラインナップされている。とにかく、スプリングへのこだわりが凄まじい

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