【2190万円のRC213V-Sに試乗】『ホンダはMotoGPマシンを量産してしまった!』【宮城光】
どうやったら公道でMotoGPマシンに乗れるかを考えたバイク 元ホンダワークスライダーで、今でもホンダコレクションホールの数々の往年のホンダ車に乗る宮城光が、スペイン・バレンシアサーキットでRC213V-Sに試乗した。2190万円する、この至高のバイクの素性を解き明かすには、本物のファクトリーマシンを知る経験値が必要だ。 宮城は語る。
「他のスーパースポーツはMotoGPマシンに近付くことをテーマに開発しているが、RC213V-SはMotoGPマシンがどうしたら公道で乗れるかを考えている」 エンジンは専用のカムギヤ駆動999cc、フレームはなんとアルミ削り出しで、裏側に薄いアルミ板を職人の手作業で溶接している。
前後サスはオーリンズ製。フロントは単体で購入すると150万円もするスーパーバイクフォーク。ホイールはマグネシウムの鍛造で、外装はすべてドライカーボン。これらの部品はMotoGPマシンと同じように1台1台人の手で組まれていく。販売される台数は約250台。
「ハンドリングはひとつ目のコーナーから忠実で、懐も深い。曲り過ぎることもないし、曲らないこともない」 「エンジンも素晴らしいし、ガサツさは皆無。(中略)スロットル・バイ・ワイヤの設定が見事だ」 と、普段辛口の宮城も絶賛だ。
キットパーツ装着でさらにMotoGPマシンに近付く
「159psのパワーも扱うという意味では最良」 と言いつつ、 「慣れてくるともう少しパワーが欲しくなる」 と言う、しかし、その要求はキットパーツ装着車では一蹴されるという。キットパーツ装着車では11kgも軽くなって、最高出力は215ps以上になるという。
「サスもパワー&トルクが向上したことと、スリックタイヤによりスロットルでよりピッチングを出せるようになる。そのスペックを思い知るほどに、夢のバイクであることを確信。やはりこの仕上がりはグランプリバイクそのものだ」と言う。
総じて、究極の完成度を持ったバイクは誰にとっても思い通りに、軽やかに乗れるバイクで、他では絶対に味わえない快感を味わわせてくれる至高のバイク。必要があればその限界性能はいくらでも上げることができ、モトGPマシンの領域にまで手が届くということだ。
2190万円のバイクとあれば、おいそれと我々庶民は試すことはできないが、せめて宮城光のインプレッションを読んで、至高のバイクの乗り味に夢を馳せたい。