バイクエンジンの基本やトリビア、歴史を彩った名作などを詳しく解説
バイクエンジンを語るうえでハズせない3つのトリビア
その1「’80年代初頭までにあらゆるエンジン形式が登場」
現在もメジャーな並列4気筒の他にも、’70~’80 年代には並列6気筒やV 型4気筒、ホンダのゴールドウイングが搭載した水平対向4気筒(後に6気筒化)など、ほとんどのエンジン形式が登場している。今は無きロータリーやターボなど、チャレンジ精神も旺盛!
SUZUKI RE-5(1974)
国産で市販(輸出車)された唯一のロータリーエンジン搭載車。排気量は497cc。
Honda CBX(1978)
Z1300より1年早く登場した国産初の6 気筒は、空冷DOHC4 バルブだった。
KAWASAKI Z1300(1979)
カワサキ初の6気筒エンジンはDOHC2バルブで最高出力120psを発揮。水冷方式もカワサキ初の試み。エンジン幅を抑えるためロングストロークを採用した。
Honda CX500 TURBO(1981)
同年にヤマハ、’82年にスズキ、’84年にカワサキもターボ車を発売。国内認可が下りず、ターボは短命に終わった。
Honda VF750 SABRE(1982)
世界初の水冷V型4気筒エンジンを搭載。油圧式クラッチも二輪で世界初の試み。
その2「さまざまな機構の基礎は’80年代に確立されていた!?」
’80 年代は国産各メーカーのカラーが明確にエンジンに投影され、現代の4気筒に通じるさまざまな技術が確立された時代だった。なかでもヤマハの前傾エンジンの発想や、カワサキのサイドカムチェーン方式などは、現行エンジンではメーカーを問わず採用している。
【SUZUKI】エンジンオイルでヘッドの冷却を行う
オイル噴射により熱境界層を吹き飛ばして冷却効果を高める油冷エンジンを’85年のGSX-R750に採用。水冷より小型軽量、空冷に勝る冷却効率でハイパワー化に対応。
【Honda】NRの技術を転用したV4エンジン
’80年代初頭からレーサーやレプリカのエンジンの主軸をV4にシフト。ギヤによるカム駆動やバックトルクリミッターなど、さまざまな技術をNRからフィードバックした。