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『徹底検証アドベンチャーモデル』 世界で人気No.1ジャンル その本当の理由とは!?

『Adventure』今世界で一番人気のアドベンチャーバイクの真実 R/C読者の意識調査 世界的な人気を受け、各メーカーが「本気」のモデルを続々投入しているアドベンチャー。新開発のエレクトロニクスやシステムを、他のモデルに先駆けていち早く取り入れ近年、日本でも注目度が高まりつつある。果たして何がそんなに魅力なのか? 読者アンケートの結果とともに、ライダースクラブ的な視点で紐解いていこう!

Q.1アドベンチャーバイクに乗ってみたい?

スポーツライディングが信条であろう本誌読者でも、アドベンチャーには興味津々であることが浮き彫りに。実際、ワインディングでの走りも楽しいのだ!

Q.2 世界ではアドベンチャーバイクのシェアがかなり高いこと知っている?

日本ではマイナーな存在のアドベンチャーを、各社がこぞって発売しているのだから、世界的に人気が高いことは想像できる。さすが本誌読者は察しがいい!

Q.3 今後、乗りたいと思うモデルは?

世界で一番売れていて、長年の実績もあるボクサーツインのGSがナンバー1。国産・外車の区別なく、さまざまな排気量に人気が分散しているのが興味深い。

1位 BMW R1250GS/ADV —17.1%
2位 Honda CRF1100Lアフリカツイン —16.0%
3位 DUCATI ムルチストラーダシリーズ—12.5%
4位 YAMAHA テネレ700 —8.9%
5位 MOTO-GUZZI V85TTシリーズ—4.6%
6位 SUZUKI V-ストローム650 —4.1%
7位 TRIUMPH タイガー1200/900シリーズ —4.0%

Q.4 アドベンチャーバイクのGOODなイメージは?

1位 —ロングツーリングが快適そう
2位 —シートが高くて視界が広そう
3位 —荷物がたくさん積めそう
4位 —林道などのダートも走れそう
5位 —運転しやすそう
6位 —ワインディングも楽しそう

多くの読者がツーリングバイクとしての利便性の高さに魅力を感じている模様。最新の電子装備によるハイレベルな走行性能にも注目が集まっている。

Q.5 アドベンチャーバイクのBADなイメージは?

1位 —シートが高くて足着きが悪そう
2位 —重くて取り回しが大変そう
3位 —ダートを走るのは難しそう
4位 —ワインディングを楽しめなさそう
5位 —遅そう
6位 —運転しにくそう

悪路での走破性と視界の広さという利点は、裏を返せばシートが高いということ。また、日本人の体格では、巨体を持て余しそうという意見も多く見られた。

読者の本音「オレが乗りたくない理由」

○中途半端でカッコよくないと思う
○スタイルやポジションが自分の美学では愛せない
○渋滞の多い日本では持て余しそうだ
○オフを走りたいならオフ車じゃないと
○アドベンチャーとは名ばかりのツアラーではないか?
○足着きが悪くて市街地で不便そう

人気上昇中とは言え、やはり読者の中には「乗りたくない!」という人も少なくない。そこで最後に、アンチ勢の率直なコメントも正直にお届けしましょう!

アドベンチャーモデルはいま世界で大人気なのだ!

アドベンチャーと呼ばれるカテゴリーは、各メーカーにとってどれほど重要なのか。なぜ支持を受け、拡大しているのか。その経緯や現状を、ここでご紹介しよう。

数字で見れば一目瞭然 ADVは各メーカーの屋台骨だ

BMWがR80GSの投入から40年もの歳月をかけて育て上げてきたアドベンチャー(ADV)カテゴリー。今それは各メーカーが威信を賭けて開発したモデルを投入する激戦区となっている。下の数字は19年の総販売台数に対するADVの割合だが、BMWは約半数を「GS」ファミリーが占めるほどなのである。

DUCATI ムルチストラーダシリーズ 約22%
BMW GSシリーズ 約47%

ドゥカティは03年よりADVモデル「ムルティストラーダ」を販売。2019年9月には累計10万台目の車両が工場からラインオフした。もちろん日本の4メーカーもADVモデルを精力的にリリースしているし、欧州メーカーの多くもラインナップし、派生モデルも広げている。
その理由は簡単だ。今、ADVモデルは世界的に販売台数が期待できるからである。

Ducati 2019年のムルチストラーダ シリーズ累計販売台数1万2160台 総販売台数:5万3183台中 約22%
BMW 2019年のGSシリーズ 累計販売台数8万3764台総販売台数:17万5162台中 約47%
※F700GS/750GS/F800/850GS/R1200/1250GS(Adv 含む)

ツーリングスタイルの変化。オフロードミックスが旅の新定番だ!

かつて〝コンチネンタル〞と呼ばれた欧州スタイルのツーリングバイクは、スポーツバイクをベースに、ポジションをやや緩やかに、カウルを大型化したスタイルが一般的で、GT(グランツーリスモ)とも呼ばれた。そこに、より行動範囲を広げるオフロードのエッセンスとポテンシャルを加えた〝デュアル・パーパス〞、後のADVモデルが誕生。

電子制御技術と解析技術の進化によって、エンジンとサスペンションのパフォーマンスを大きく向上させ、ウインドプロテクション性能を高め、さらにスクリーンを可動式にするなどして、ツーリングバイクのスタイルが変化していったのだ。

ADVを持つ&乗ることができる大人の新ステイタス

ヨーロッパの都市部ではスクーターとともにADVモデルを多く見かける。二輪車が交通手段として確立されている証拠だ。ADVモデルが人気なのは、その機動力やライディングポジションが、街中のライディングに適しているからだ。

また世界のファッションの中心地であるイタリア・ミラノでもADVモデルが大人気。同様に人気が高いのがポルシェ・カイエンだ。スタイリッシュで実用的で、かつ人間力をアピールできる〝土埃〞をまとった乗り物。それがSUVでありADVモデルなのだ。バイクやクルマで遊べる人間であるということは、高いステイタスを持っている証である。

欧州は街も山も、道が荒れている。だから脚長ADVが快適!

ツウのバイク乗りには旧くから知られていたが、ADVモデルのスポーツ性能は非常に高い。ラリーで鍛えたパワフルなエンジンと、長いサスペンションストロークを生かして車体前後への重心移動を駆使し、ワンディングではスーパースポーツにもひけをとらないほどのパフォーマンスを見せていたからだ。

現在では最新のテクノロジーよってエンジンも足周りも進化し、スポーツ性能もかなり研ぎ澄まされており、新しいスポーツライディングの世界を体感できる。また路面電車の線路が走る石畳の街中や、砂が浮いて滑りやすいワインディングが多い欧州では、長いサスペンションストロークが強い味方となる。

プルバックからスタンディングへ!? ADVは大陸横断のスタイルも変えてしまう?

クルーザーのトップブランドであるハーレーダビッドソンもADVカテゴリーに参入すると発表があった。大排気量&ハイパワーエンジンと大型カウルを持ち、リヤフェンダーとサイドケースが一体化した〝バガー〞と呼ばれるスタイルのマシン。アメリカにおけるツーリングシーンを再構築したハーレーがADVモデルを発表したのは二輪界に大きなインパクトを与えた。

ソファーに腰掛けるように深く腰掛ける〝プルバック〞ポジションから、アクティブに旅を楽しむADVの〝スタンディング〞に、アメリカのツーリングスタイルも変化するのかもしれない。

ADVにも“ネオクラ”人気がやってきた!

モダンなデザインと最新のテクノロジーを搭載するマシンが数多くラインナップされるADVカテゴリー。しかし80年代ラリーバイクやエンデューロバイクテイストをミックスした〝ネオクラシック〞がこのジャンルにもやってきた。それを体現したのがモトグッツィV85TTだ。

欧州は今ビンテージバイクや80年代バイクの人気が再燃しており、それがBMW RナインTやトライアンフ・ボンネビルの好セールスを後押しした。そしてその人気はオフロードにも飛び火し、ネオクラADVを生み出したのである。

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