「VYRUS」ドカエンジンを搭載のハブステアの可能性を追求するブランドに迫る!!
「VYRUS」 半端ない独創性! 984 C3 2V
2001年に創業したヴァイルス社。ビモータでピエルルイジ・マルコーニ技師と共にTESI‐1Dの開発に携わったアスカニオ・ロドリゴ氏が独立して興した異色のバイクメーカーだ。 その実力は折り紙付きで、創業年に早くも984C32Ⅴを発表。初期モデルはエンジン下のアンダーマフラーなど細部は現行モデルと異なるが、経営難から再興したばかりの古巣のビモータに、カラーリングのみ変更したTESI‐2DのOEMとして供給を行った。
その後もドゥカティの水冷L型2気筒を搭載した987C34Ⅴをリリース。さらにモト2参戦を目指してCBR600RRの4気筒エンジンを搭載した986M2(レーサーと公道用モデル)も開発した。また、ヴァイルス社はモトGPやSBKマシンのメンテナンスやチューニングも請け負うため、エンジンを制御するフルコンや特殊なレース用の電装ハーネスなど多彩なオプションも揃えている。
「ハブセンターステア機構ならではの操安特性はTESI 3D NAKEDと基本的に同じだが、ライディングフィールは似て異なる。フロントのスイングアームの剛性の高さや、低いセパレートハンドルの影響もあるのだろうが、ハンドリングはかなり機敏でアグレッシブ。油断して乗ると怖さを感じるほどだが、レーシングマシンのつもりでクローズドコースを駆けると凄く面白い」と宮城。
前述の通り、初期モデルからマフラーのレイアウトやそれに伴うシートカウルなどエクステリアの変更、リアのスイングアーム形状や装着するショックユニットなど多岐に渡って進化を続けているとはいえ、基本レイアウトは20年前と変わらない。それでいて独自の鋭い走りを発揮するところに、先進性を感じさせる。
そんなヴァイルスの最新モデルが、次ページに紹介するAlyen(エイリアン)。あまりに特異な造形に目を奪われるが(外装は引っ張り強度に優れるユニディクショナルカーボン)、ハブセンターステアの操舵部をロッド&リンクではなく、HWSSと呼ぶ特殊な油圧ケーブルを用いるところが斬新。そして前後のサスペンションは、オーリンズ製TTX40を“横置き”した986 M2と同機構のプッシュロッド・ツインピボット方式。こちらのマシンの走りも大いに気になるトコロだ。
圧巻のプレミアム素材とデザインで独自の道を進むALYEN
映画『エイリアン』シリーズのエイリアン・クイーンを彷彿させるUDカーボンの外装による異形のスタイルに、ドゥカティのパニガーレ1299の水冷Lツインを搭載。ハブセンターステア機構自体は従来モデルと同様だが、ハンドルと前輪ハブはリンクではなくHWSS(油圧ワイヤードステアリングシステム)と呼ぶ、ナノ粒子の特殊な流体を密封したスチールケーブルで繋がれる。