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間もなく日本上陸!? 軽量 俊敏 100hp! 話題のミドルツイン『APRILIA RS660』

2019年のEICMAで披露され、話題を呼んだアプリリアのミドルツインが 正式に発表された 日本への導入時期と価格が決定するのは、もう少し先になりそうだが現段階で分かっているエンジンスペックやディティール、電子デバイスの内容を紹介していこう

もしかするとライテク磨きの理想かも!? 話題のミドルツインの上陸が待ち遠しい APRILIA RS660

アプリリアが新たに開発したミドルスポーツ「RS660」が欧米で相次いで発表され、予約の受付が始まっている。イタリア本国サイトに記載されている価格は、1万1050ユーロとのことなので、円換算では136万円程(1 ユーロ= 123円計算)。日本へ導入される時は140万円台に収まることを期 待したい。

搭載されるエンジンは水冷のパラレルツインで、車名の数字が示す通り、排気量は660cc(正確には659cc)となる。国産モデルを引き合いに出せば、ヤマハの「MT07」と同じ枠組みに入るものの、あちらは80万円を切る価格設定が魅力のひとつになっている。 とはいえ、RS660のスペックと装備を知り、それがもたらしてくれるスポーツライディングの世界を想像すれば、そこには正当性があり、むしろコストパフォーマンスに優れていることが分かってくる。

例えばそのひとつが、100hpを誇る最高出力だ。RS660が公称するこのパワーは、同排気量帯の国産モデルを25~30hpほども上回り、ドゥカティの「モンスター821」(821㏄/109hp)と比較してもそれほど遜色ない。それでいて、絶対的には有り余るというほどではなく、使い切れるか切れないかの、ほどよい数値に収まっているところ がいい。

もっとも、これで車体が重たければ帳消しになるが、装備重量で183㎏に収められているところが素晴と装備を知り、それがもたらしてくれるスポーツライディングの世界を想像すれば、そこには正当性があり、むしろコストパフォーマンスに優れていることが分かってくる。

例えばそのひとつが、100hpを誇る最高出力だ。RS660が公称するこのパワーは、同排気量帯の国産モデルを25~30hpほども上回り、ドゥカティの「モンスター821」(821cc/109hp)と比較してもそれほど遜色ない。それでいて、絶対的には有り余るというほどではなく、使い切れるか切れないかの、ほどよい数値に収まっているところがいい。

これで車体が重たければ帳消しになるが、装備重量で183㎏に収められているところが素晴らしい。これは物理的にもハンドリング的にも軽いMT07 とまったく同じで、モンスター821より20㎏ 以上も軽量なのだ。

俊敏なハンドリングをもたらす183kgの車重

メインフレームとスイングアームはアルミの鋳造パーツで構成され、それぞれをエンジンへダイレクトに締結。いわゆるピボットレス構造を持ち、車体のスリムさと軽量化を実現している


持て余さず、足りなさ過ぎない100hpのパワー

エンジンは完全新開発の水冷パラレルツインを搭載。クランクの位相角はこの形式の主流である270度に設定され、660ccとしてはかなりパワフルな100hpの最高出力を発揮する


MotoGPマシン由来のエアロダイナミクス

MotoGPマシンやRSV4で実績のある空力カウルを採用。サイドカウルはダブルフェアリングと呼ばれる凝った構造を持ち、高速走行時の安定性と効率のいい放熱効果を両立している


スポーティな走りを実現する充実の電子デバイス

ライディングモードはストリート用に3パターン、サーキット用に2パターンを用意。トラクションコントロールの他、クルーズコントロールといった利便性重視のデバイスも装備する

軽さとパワーの関係がちょうどいい スポーティなコーナリングマシン

軽さを活かして高い進入スピードでコーナーへ飛び込み、ツイン特有のトラクションを感じながら、立ち上がりでは思い切ってスロットルを開ける。そんなライトウェイトスポーツならではの醍醐味を、容易にイメージさせてくれる。

エンジンクランクの位相角は、パラレルツインの多くが採用する270度だ。バランサーの装備や異なる長さのインテークダクトによって中回転から高回転域のスムーズさが図られている。

ライドバイワイヤをいち早く取り入れるなど、電子制御のパイオニアであり続けてきたのがアプリリアだが、このクラスにおいても例外ではない。トラクションコントロール、ウイリーコントロール、エンジンブレーキコントロール、エンジンマップ、コーナリングABS、クイックシフターを標準装備し、それらを統括するライディングモードにはストリート向けに3パターン(コミュー ト/ダイナミック/インディビジュアル)、サーキット向けに2パターン(チャレンジ/タイムアタック)が設定されている。最新リッタース ーパースポーツにも劣らない、高度 な制御が盛り込まれているのだ。

それらを起動させる電気の供給元として、超軽量のリチウムイオンバ ッテリーが採用されている点からも、本気の作り込みがうかがえる。

9月に開催されたMotoGP(ミサノ)ではロレンツォ・サバドーリやブラッドリー・スミス(後)がRS660で走行。高いパフォーマンスを披露した


TUONO660の登場にも期待!

2019年のEICMA でRS660 と同時に発表されたのが「トゥオーノ660」だ。こちらはハーフカウルとバーハンドルを組み合わせたミドルストリートファイターで、より快適なポジションを持つ


エンジンは RSV4の前バンクに酷似?

RS660のエンジンの基本コンセプトは、RSV4に搭載されるV型4気筒の前バンクの技術を活かすというものだ。その片鱗がφ81mmピストン径に見て取れ、この数値は両モデルに共通している


エアロダイナミクスに関しても手抜かりはない。車体側面に備わるボックス状のウイングには「流行りなのでとりあえず」という後付け感は見られず、サイドカウルを2枚重ねた(=ダブルフェアリング)ような凝った、つまりコストの掛かる形状でデザイン。車体の安定性のみならず、放熱性や遮熱性の向上も図られるなど、配慮は細やかだ。

ダブルフェアリング構造を持ちながらもスリムさを維持しているのは、ピボットレス構造のフレームに因るところが大きい。エンジンそのものを剛性メンバーのひとつとし、メインフレームの後端をクランクケースに直接ボルト留め。スイングアームも同様に締結することによって、スペース効率の向上と部品点数の削減(=軽量化)を実現している。

これらはハンドル切れ角の増大やホイールベースの短縮といったメリットももたらし、扱いやすさに貢献。 また、コーナリングライトやクルーズコントロールが標準装備されるなど、スポーツ性のみならず、ストリ ートでの利便性も充実している。

ワインディングからサーキットまで、様々なシーンでスポーツライディングを楽しみ、恐怖感なくスキルを積み重ねていく。そうした理想を叶えてくれそうなミドルスポーツの筆頭が、このRS660だ。ライディングパーティに参加される本誌読者にとって、気になるモデルになるのは間違いなく、日本への早期導入を望みたい。

APRILIA RS660 DETAILS ―The Performance of Middle Sports―

フロント周りにはKYBのφ41mm倒立フォークとブレンボのラジアルマウントキャリパー、ピレリのディアブロ・ロッソコルサⅡを組み合わせる
リアショックはリンクレス。スイングアームはクランクケースにマウントする
エンジンはユーロ5をクリア
フォークにはダンパーの調整機構が備えられている
シフトアップにもダウンにも対応するクイックシフターを標準装備。パーツ交換なしで逆チェンジに変更することも可能だ
パッセンジャーシート(写真)を標準とし、シングルシートカバーも用意
エイペックスブラック
ラバレッド
アシッドゴールド
SPECIFICTIONS
●エンジン:水冷4ストロークDOHC並列2気筒 ●排気量:659cc ●最高出力:100hp/10500rpm ●最大トルク:6.83kgf・m/8500rpm ●ボア×ストローク:81.0mm×63.93mm ●圧縮比:13.5:1 ●トランスミッション:6速 ●全長:1995mm ●全幅:745mm ●軸間距離:1370mm ●シート高:820mm ●車両重量:183kg(装備)/169kg(乾燥)●フレーム:アルミツインラテラルビーム ●フロントサスペンション:KYBφ41mmテレスコピック倒立フォーク ●リアサスペンション:アジャスタブルモノショック ●フロントブレーキ:φ320mmダブルディスク・ラジアルマウント 4ピストンキャリパー ●リアブレーキ:φ220mmシングルディスク・2ピストンキャリパー ●フロントタイヤ:120/70ZR17 ●リアタイヤ:180/55ZR17 ●燃料タンク容量:NA ●価格:NA

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