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Moto2の技術を投入! TRIUMPH SPEED TRIPLE1200RS

トライアンフ史上最強のスペック

従来モデル比で最高出力はプラス30㎰、装備重量はマイナス10㎏。進化の度合いをアピールするには、これだけで充分だ。もちろん、そのために手を加えられた箇所は多岐に渡り、今回の新型にはトライアンフ史上最強のスペックが与えられることになった。

ここで言う新型とは、先頃発表されたスピードトリプルのことである。モデル名は「スピードトリプルRS」から「スピードトリプル1200RS」になり、1050㏄だった排気量を1160㏄へ拡大。完全新設計の水冷3気筒エンジンを搭載したスポーツネイキッドのフラッグシップとして、21年4月から発売が始まる。

スピードトリプルの歴史は、エンジン改良の歴史でもある。初代モデルの登場は94年のことで、その頃の排気量は855㏄、最高出力98psと控えめなものだった。以降、99年に955㏄、05年には1050㏄になり、最高出力も徐々にアップ。直近では18年にビッグマイナーチェンジが施され、150㎰/ 10500rpmのパワーが与えられた。

単体のパフォーマンスとしてはなんの不足もないが、スピードトリプルはストリートファイターというジャンルの立役者であり、けん引役でもある。ハイスペックのフォロワーが数多く存在する中で、再びイニシアチブを取るために必要なものはなにか。その答えのひとつが、180㎰に達した最高出力というわけだ。

トルクも117Nmから125 Nmへ向上し、レブリミットは10500rpmから11150rpmに引き上げられている。つまり、低回転域から高回転域まで抜かりなく強化され、それでいてエンジン単体重量は7㎏も軽くなっているというから驚く。

近年のトライアンフは、どのモデルも例外なくエンジンの完成度が素晴らしく、そのリニアリティが高い一体感に貢献している。今回も単に数値を追求したのではなく、それを制御する電子デバイスも格段にアップデート。

出力特性、パワー、トラクションコントロール、ウイリー   コントロール、コーナリングABSを一括管理するライディングモードには、レイン/ロード/スポーツ/トラックがデフォルト設定される他、ライダーを選べば、それぞれのパラメーターをカスタマイズすることが可能だ。 また、シフ トアップにもダウンにも対応するクイックシフターと、クルーズコントロールを新たに装備。疲労軽減や快適性にも配慮されている。

足まわりは最新リッタースーパースポーツと同等、もしくはそれ以上のクオリティだ。サスペンションは前後ともにオーリンズで、NIX30 倒立フォークとTTX36モノショックを採用。また、フロントブレーキキャリパーはブレンボのモノブロック・Sty lema、タイヤはメッツラーのハイグリップラジアル・レーステックRRという一級品で固められている。

外観上の大きな変更点は、マフラーの取り回しだ。長い間、アップタイプの2本出しをアイデンティティとしてきたが、新型はショートタイプの右1本出しへ刷新。軽量化とマスの集中化に貢献しているのは明らかで、かつて同じ手法でストリートトリプルのハンドリングが激変したことがある。それを思うと、このスピードトリプル1200RSの成功は約束されたのも同然であり、ハンドリングには間違いなく期待していい。

アルミ鋳造のメインフレームとスイングアーム、サブフレームはそれぞれ新しく設計され、軽量化に貢献。エンジン搭載位置の変更によって重量はフロント寄り、かつ下方へ配分されている

メーターは5インチのTFTディスプレイ。専用のコネクティビティシステムによってスマホと連動し、ナビの表示、通話、音楽の再生、GoPROの操作が可能になっている。また、ディスプレイの表示パターンには2種類が用意され、サーキット走行時はラップタイマーとしても機能する

サスペンションは前後ともにオーリンズのフルアジャスタブル。車重やディメンション変更にともない、リセッティングが施された
ヘッドライトやテールライト、ウインカーといった灯火類には、すべてLEDを採用し、そのデザインはよりシャープなものになった。ウインカーはオートキャンセル式

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