元MotoGPライダー中野真矢さんもレーシングマシンと評価したbimota BB3CR SBK Replica
シリーズの生産台数が26台という、超希少なBB3 その中でもわずか数台の限定だったBB3 SBKにモトコルセが垂涎パーツの数々を組んだのがこのマシン 百戦錬磨の中野真矢さんでさえ、その走行性能に大興奮!
bimota BB3CR SBK Replica 中野真矢、たぎる!
いつもより長めの試乗を終え、 ようやくピットに戻ってきた中野真矢さんは開口一番、やや興奮 気味にこう話し始めた。
「いやあ、ちょっと驚きました。これはもう、完全にレーシングマシン。 エンジンの振動とか、タイヤのフィーリングとか、そういうすべてのモノがダイレクトに伝わってきます。僕はレーサーとしての現役時代、こういうのに乗り慣れてきたので、懐かしいというか、久しぶりに味わう感覚です!」
BB3は13年秋に行われたEICMAで初めて披露された。前年に発表されたコンセプトモデルのBB2に次いで、BMW製エンジンを搭載したビモータとしては3台目となるモデルである。発売が開始された14年には、ホモロゲーションに対する猶予期間をもらいながら、スーパーバイク世界選手権のEVOクラスに名門のアルスターレーシングとタッグを組んで参戦。
エンジンの改造や年間使用基数などが厳しく制限されたこのクラスで、BB3はカワサキやドゥカティと互角の戦いを繰り広げたが、結局のところホモロゲ台数をクリアできず、後に全戦失格扱いとなった。この当時、ホモロゲ承認申請時に必要な生産台数は125台だったが、エンジン購入資金などの問題から、最終的に26台しかBB3を生産できていない。
驚くほど足りていなかった……のだ。 そんな希少なBB3の中で、さらに特別な存在となるのが、スーパーバイク選手権レーサーと同じカラーリングをまとった限定モデルのBB3 SBK。こちらはおそらく、世界に5台前後しかないと推定される。
今回、中野さんが試乗したBB3CR SBKレプリカは、その激レアマシンをモトコルセがさらにチューンした、究極のコンプリートである。 スーパースポーツでは市販車に対して“まるでレーサーのよう”という常套句があるが、中野さん曰く「そ ういうバイクとは比較にならないほどのレーサー感」とのこと。
「例えば発進時には、乾式クラッチ化による難しさも感じるのですが、そういう部分すらワクワクしてきます。そしてコースの上では、いくらでも攻めていける気になります」 と言うから相当な代物だ。
S1000RR用の水冷並列4気筒エンジンは、モトコルセによりピスタルレーシング製の鍛造ハイコンプレッションピストンを組むなどのチューンも施されている。
「だからエンジンは、BMWらしくないというか、スパルタンな雰囲気。 ヘアピンの立ち上がりで4000回転とかでもついてくるのですが、その上のパワーバンドがものスゴくて、なるべくおいしい回転を維持したい……と思い始めると、今度はけっこう神経を使います。
そういう部分にも、久しぶりに興奮しました」 そして中野さんは、こう結んだ。 「これ、レースに参戦しても全日本ならソコソコの順位、走れちゃうんじゃないですかねえ。もしもあと20歳若かったら、『今年のマシンはこれで』と即答していたかも……」
フロントフォークはオーリンズ製レーシング用FGRシリーズ。キャリパーはブレンボ製のレーシング仕様、ディスクは放熱性に極めて優れるアルト製ベンチレーテッドディスクSUPER VENTに換装