Custom Impression DUCATI STREETFIGHTER V2|ストリート性能を高めつつ、レーシーなポジション
目指したのは、サーキットから公道まで幅広いシーンで楽しめるスポーツ性だ。アエラがドゥカティ・ストリートファイターV2用のライディングステップを新発売。同社の可変ハンドルも用いてポジションを最適化したカスタム仕様に、本誌エグゼクティブ・アドバイザーも務める元WGPライダーの原田哲也さんが試乗!
ポジションと操作性をステップキットで改良
ドゥカティ・パニガーレV2のフルカウルを取り去ってバーハンドルのネイキッドにしたストリートファイターV2は、’22年に新登場。正規ディーラーのドゥカティ京都を運営するカスノモーターサイクルのカスタムブランドであるアエラは、このモデルの市販カスタムパーツを精力的に開発。新発売のライディングステップキットとアルミ削り出し可変ハンドルによりライディングポジションの最適化を図った、最新状態のカスタム仕様を披露した。
「ノーマルと直接比較できていませんが、僕の体格にこのカスタム車のポジションはとても合っています。ステップが後ろかつ上になったことで、スポーツライディングで膝の曲がりがとても自然。公道でも、ワインディングならこれくらいの方が力は入りやすいし、かといってアップやバックが極端すぎないので、街乗りで疲れることはないでしょう」
このようにインプレッションを伝えるのは、元WGPライダーの原田哲也さん。身長161㎝ということもあり「ヨーロッパの大柄なライダーが乗ることを想定して設計されたバイクのポジションを変更することは、操作性や快適性の向上、疲労軽減につながります」と話す。
ちなみに、ストリートファイターV2用のアエラ製ステップキットは6ポジション選択式となっているが、試乗時は10㎜バック/25㎜アップに設定。これはもっとも後方かつ上方にセットした状態なので、もう少し身長が高いライダーなら、違う位置を選ぶことで最適化できる。ハンドルも同様に、絞り角を16/18/20度から選べ、別売のスペーサーを使うことで高さも3段階から選択できるなど、細かく調整できる。
「ポジションの最適化に加えて、ステップ変更によってシフトフィールが向上している点も見逃せません。剛性アップと高精度ベアリングによる効果だと思いますが、節度あるフィーリング。より確実に、気持ちよく操作できます」
さらに、ステップバーのグリップ力が増したことでホールド性やステップワークの確実性が向上しているのもポイントだが、じつはここには原田さんの意見も反映されている。
「ステップバー先端の形状について、以前アエラの方とお話ししたことがあり、この製品は要望通りになりました。アエラはプロから一般ライダーまで、多くの意見を取り入れながら開発しています。加えて、製品に対するこだわりも深い。例えば今回のハンドルは、純正比で3㎜だけ幅が狭くなっています。たかが3㎜ながら、これでツーリングの疲労度が変わることは多々あるんです。こだわりを持ち、でもライダーやユーザーに寄り添う。だからこそ、信頼できるブランドなんだと思います」