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2023年 鈴鹿8耐 SSTクラス優勝に向け、NCXX Racing with RIDERS CLUB始動

NCXX Racing with RIDERS CLUBが、2023年も鈴鹿8耐に参戦決定。本誌エグゼクティブアドバイザー原田哲也さんが、今年も監督を務める。6月に開催された鈴鹿8耐合同テストで、チームが本格始動。ライダーもチーム体制も大きく変わった新チームは、如何に戦うのか?テストの現場で、原田さんに話を聞いた。

「チームの全員がやるべきことをやる。それだけです」 

今年の鈴鹿8耐で、昨年に引き続きネクスレーシング・ウィズ・ライダースクラブの監督を務める原田哲也さんは、そう語り出した。 

昨年、EWCクラスに比べ戦闘力の劣るSSTクラスでの参戦ながら、予選で総合トップ10に迫るタイムを叩き出し、決勝でも序盤はクラストップを快走。マシントラブルにより大きく順位を後退させるも、クラス2位でフィニッシュした。 

素晴らしい結果ではあったが、それだけに悔しく思うところもあるだろう。だが、原田さんはあくまで冷静だ。

「昨年、勝てる力がありながら勝てなかったのは、やはり、チームがやるべきことをやりきれていなかったからなんです」 

トラブルは偶発的なものであった。だが、そのことすらもチームとしての実力であったと言っている。全てに備え、その上で全力を尽くし戦う。それが、世界を獲った男のレースの戦い方なのだ。

「今年のチームも、クラス優勝できるパフォーマンスは十分にあると考えています。ただ、8耐の時だけのチームですから、シーズンを通して戦うチームに比べ、チーム内のコミュニケーションの面で弱い。8耐本番でベストの状態に持っていけるように、そこを整えるのが自分の役目だと考えています」 

原田さんの掲げるライダーファーストの理念は変わらない。新たにチームに加入したライダーも、原田さんのマネージメントを絶賛。チームの雰囲気はすでに仕上がっている感がある。

「もちろん〝勝ちたい〞という気持ちはありますよ。でも、まずはライダー、メカニック、監督のチーム一人一人が自分の為すべきことを為す。それが出来たなら、自ずと結果はついて来ます」 

原田さんは〝頑張る〞や〝絶対に勝つ〞といった、ありがちな言葉は口にしない。ただ、勝利へのロードマップは、かなり緻密に描けているようだ。今年の8耐、ネクスレーシング・ウィズ・ライダースクラブの戦いが、楽しみで仕方ない。

原田哲也監督
コースに出て走りを見守り、ピットではライダーの声に耳を傾ける。原田さんの基本方針は“ライダーファースト”。乗り手が走りに集中できる環境を作るため、献身的に立ち働いている。「走るより監督をする方が疲れるよ」と笑うが、その表情は実にイキイキとしていた
【伊藤勇樹選手】昨年に引き続き、ライダーを務める伊藤選手。全日本やアジア選手権で多くの実績を持ち、現役のライダーながらアジア選手権でヤマハのアドバイザーに就任。2人の若手ライダーを引っ張るリーダー的存在
【前田恵助選手】2017年全日本ST600クラスチャンピオン。全日本JSB1000参戦を経て、今シーズンは、Team GYTRから全日本ST1000にフルエントリー中。今回のテストからチームに合流したが、高い順応力を見せつけた
【中山耀介選手】2000年生まれのチーム最年少。全日本ST600フル参戦中。この4月に全日本JSB1000にスポット参戦し、初ライドの1000ccマシンを見事に乗りこなし、2分7秒台の好タイムを記録。8耐での活躍も期待大
3人のライダーは、在籍期間は違うが同じチームの先輩後輩の仲。現在も同じヤマハ陣営でレース活動を行なっており、交流が深くコミュニケーションはバッチリ。ライダー陣の結束力が高いことは、耐久レースでは大きな武器となる
経験豊富な伊藤選手と前田選手のインプレッション能力は折り紙つき。さらに原田監督のアドバイスも加わり、マシンセッティングの進捗は順調な様子。改造範囲の狭いSSTクラスだからこそ、セッティングが重要な意味を持つ

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