【BRIXTON CROSSFIRE 500×原田哲也】レトロだけど新しいスタイルが所有欲を満たす
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精力的な活動を続けるオーストリアのKSRグループが、オリジナルブランドとして企画・開発するのが、2018年のEICMAでデビューした新興のブリクストン。日本では今春初披露されたばかりのこだわり満載モデルに、“ゆっくり走る”が大好きな原田哲也さんが試乗した。
PHOTO/K.OKUZUMI TEXT/T.TAMIYA 取材協力/モータリスト TEL03-3731-2388 https://brixton.motorists.jp/
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欧州最大級の二輪ディーラー&ディストリビューターである、オーストリアのKSRグループがオリジナルブランドとして立ち上げたのが、’18年秋のEICMAでデビューした新興二輪ブランドのブリクストンだ。
現在使われるエンジンは、空冷または水冷の125㏄シングル、空冷250㏄シングル、水冷500㏄ツイン、水冷1200㏄ツインの5種類。車体デザインで分類すると5つのファミリーが存在し、このうちブリクストンの個性を確立したモデル群が、今回試乗したクロスファイア500を中心に展開される、クロスファイアシリーズである。
「新興ブランドなので最初はちょっと警戒していましたが、試乗してみると、普通にいいバイク!」
サーキットを舞台とするが、公道ツーリングを想定したテストを担当した原田哲也さんは、まずこのような感想を伝えてきた。
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「車体が軽く、小さなバイクに乗っている印象。ハンドリングがナチュラルでスムーズにバンクできるし、ブレーキも想像以上によく止まります。とくに好印象だったのは、トラクションが分かりやすく、コーナリングでリアから曲がる手応えがあるところ。コーナーの進入ではフロントが仕事をしてくれていますが、スロットルを開けはじめるとリアを起点に車体の向きが変わるフィーリングが強く、安心して加速させられるので、気持ちよさがあります」
ブリクストンが採用する水冷5 00㏄ツインは、CBR500Rなどに使われてきたエンジンのライセンス生産版だが、ホンダ仕様よりわずかにボアが拡大されている。
「エンジンも基本的によくできています。5000rpmを超えるとステップ、6000rpm以上でグリップにもエンジンの振動が伝わりはじめます。これが唯一の気になるところですが、6速で100km/hの場合、振動発生域よりも低い4800rpmで巡航が可能。そもそも高回転まで引っ張るよりも、低回転域のトルクを使いながらゆったり走るほうが似合うバイクだと思うので、実際の公道走行で振動が大きく気になることはほとんどないでしょう」
また原田さんは、低中回転域での優れたトルク特性も、コーナー立ち上がりでの旋回力や気持ちよさにもつながっていると分析する。
「欲しいところで欲しい分だけのエンジントルクを取り出せ、それがサスペンションの動きとバランスしているからこそ、リアで曲がる気持ちよさにつながるんだと思います」
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ちなみにサスペンションは、前後ともKYB製。フロントはプリロードの無段階調整、リアはプリロードに加えて伸側減衰力も調整可能だ。ブレーキシステムもホタ・ホアン製でまとめ、「試しにヘアピンカーブの進入でガツンとかけてみましたが、ハードブレーキングもまるで問題ナシ」と原田さんのお墨付き。前後タイヤもピレリ製をチョイスするなど、走行性能に影響を与える部分には信頼できるメーカーのパーツが多数導入されている点も、クロスファイア500の特徴と言える。
そして原田さんは、このバイクの魅力を以下のようにまとめた。
「自分は、公道で乗るならゆっくり走れるバイクが好き。クロスファイア500は、飛ばさず走っているときにトルク感やハンドリングに気持ちよさがあるので、高く評価できます。また、デザインは細部までこだわりが詰まっていて、所有したときの満足度は高め。そして極めつけは、今ならまだ他人と〝被らない〞ところだと思います」
BRIXTON CROSSFIRE 500
![ホンダCBR500R系にボアアップなどの独自チューンを加えた、ライセンス生産の水冷直列2気筒エンジンを搭載する](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/13BRIXTON500_004.jpg)
![ヘッドライトの外周ポジションランプ部には、ブランドアイコンにも使われる東西南北を示すEWSNの文字が刻まれる](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/9BRIXTON500_011.jpg)
![ステンレス製の上質な燃料タンクキャップを装備。ハンドルポスト部やグリップも、ブリクストンのメーカーロゴ入りだ](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/6BRIXTON500_006.jpg)
![マフラーデザインにもこだわり、レトロかつ美しいルックスに。リアのブレーキシステムもホタ・ホワン製でまとめる](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/16BRIXTON500_005.jpg)
![小ぶりな丸型メーターは、黒ベースに白文字だが、じつはカラー仕様。回転計と燃料計と水温計はバーグラフ表示される](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/10BRIXTON500_014.jpg)
![まるでリアフレームと一体化されたかのようなデザインのテールランプが、スッキリとしたリアビューを確立する](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/8BRIXTON500_010.jpg)
![ライセンスプレートホルダーは、スチール製スイングアームから伸びる。前後ウインカーはカスタム感のある超小型仕様](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/7BRIXTON500_009.jpg)
![直線基調でデザインされた燃料タンクも大きな特徴。横から見ると、ブリクストンの象徴である「X」の文字が浮かび上がる](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/5BRIXTON500_016.jpg)
![ブレーキ系統は’21年にブレンボ傘下となったスペインのホタ・ホアン製。前後ショックはKYB製で、フロントはプリロード調整可](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/03/11BRIXTON500_003.jpg)
エンジン | 水冷4ストローク直列2 気筒DOHC4 バルブ |
総排気量 | 486cc |
最高出力 | 35kw/8500rpm |
最大トルク | 45Nm/6750rpm |
変速機 | 6速 |
フレーム | ダイヤモンド |
サスペンションF | KYB アジャスタブル機能付き倒立フォーク |
R | KYB アジャスタブル機能付きモノショック |
ブレーキF | J.JUAN製4ピストンラジアルキャリパー+φ320mmシングルディスク |
R | J.JUAN 製2ピストンラジアルキャリパー+φ240mmシングルディスク |
タイヤサイズF | 120/70ZR17 |
R | 160/60ZR17 |
全長×全幅×全高 | 2117×757×1116mm |
シート高 | 795mm |
車両重量 | 190kg |
燃料タンク容量 | 13.5L |
価格 | 110 万円 |