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【KAWASAKI Z900 PLAZA EDITION】憧れの“金色のアシ”を手に入れたスーパーネイキッド

スーパーネイキッドZ900にオーリンズ製のリアショックを装備するPLAZA EDITIONが登場。メーカー製カスタムと呼ぶべきマシンを、中野真矢さんと平嶋夏海さんがインプレッション。バーゲンプライスと言って差し支えない価格設定が注目を集めているのだが、その本当の価値はコストパフォーマンスとは違う次元にあった。

ビッグバイクらしからぬ軽快な乗り味が魅力

中野:今回試乗したのはZ900プラザエディション。スポーツネイキッドのZ900に、オーリンズ製のリアショックユニットが装着されたハイグレードモデルだ。

平嶋:憧れの金色のリアショック! カッコいいです。

中野:だよね(笑)。Z900は、パワーも車格もちょうどイイ感があるよね。ほぼリッターだけど、フルサイズとは違って、構えずにより気軽に、軽快に走れる印象がある。

平嶋:私は、以前少し動かしたコトがあるくらいで、ちゃんと走り込むのは今回が初めてでした。この企画で弟分のZ650に試乗した時、かなり気に入ったんですよ。走りも取り回しも軽くって。そのままパワーだけ900になってる感じだったらいいなあって思っていたんです。

中野:どうだった?

平嶋:まんま、というか軽くて驚いちゃいました。ホント軽快。このバイクって、Z900RSの兄弟車ですよね? 私、Z900RSには重さを感じるんですよ。取り回しの時に気合いが要るし、ハンドリングもドッシリ感があるなって。でも、Z900は軽いって感じました。

中野:うん、軽快だよね。

平嶋:なんで、こんなに軽いのかな?って調べてみたんですけど、車重は2kgしか違わないんですね。

中野:スペックを見ると、ホイールベースはZ900の方が15mm短くて、キャスター角は0.1度だけ立ってるね。そこだけ見ると、やっぱりクイックな車体設定なのかなとも思うけど、実はトレール量はZ900RSの方が小さいの。

俊敏さと安定感がウェルバランス万能ストリートファイタ【中野真矢】
俊敏さと安定感がウェルバランス万能ストリートファイタ【中野真矢】

平嶋:難しい専門用語が出てきちゃいました(笑)。で、結論は?

中野:数値だけでは、車体の性格は判断できないってことだね。運動性に反映されるスペックであることは間違いないけど……。ハッキリしているのは2台を比べると、Z900の方が軽快感が高いことは事実。乗車姿勢の違いが効いているのかも?

平嶋:確かに! ハンドルの幅と高さが、私の体格でも無理がない。

中野:なんというか、すべてが〝ちょうどイイ〞感じのバイクだよね。

オーリンズを活かすのは優れた基本性能

中野:さて、オーリンズのリアショックユニットなんだけど……。

平嶋:やっぱり、ソコ気になりますよね。私は、スタンダードのZ900をよく知らないので、何とも言えないところなんですけど……。オーリンズって、やっぱりスタンダードより高性能なんですか?

中野:う〜ん、今回はスタンダードと乗り比べてみたわけじゃないでしょ? 無責任に〝どちらが上〞とかは、僕からは言えない。

平嶋:中野さんらしいですね。真面目で正直過ぎる(笑)。

中野:いや、そこは大事だと思うんだよね。インプレッションは、公平かつフラットな視点で行うべきだと思うし。でも、Z900プラザエディションのリアショックユニット変更は、大きなメリットがあることは確か。

【プリロードコントローラーの手軽さが嬉しい】
Z900 PLAZA EDITIONに装着される、オーリンズ製のリアショックは、油圧式のプリロードコントローラーを装備。「工具要らずで、手軽にセッティング変更できるメリットは絶大です。セッティング時だけでなく、2人乗りの時も手軽に調整できます」と、中野さん
【プリロードコントローラーの手軽さが嬉しい】
Z900 PLAZA EDITIONに装着される、オーリンズ製のリアショックは、油圧式のプリロードコントローラーを装備。「工具要らずで、手軽にセッティング変更できるメリットは絶大です。セッティング時だけでなく、2人乗りの時も手軽に調整できます」と、中野さん

平嶋:どんなメリットですか?

中野:せっかくオーリンズがついてることだしって、ちょっとサスセッティングを変えてみたでしょ?

平嶋:はい! 面白かったです。格段に乗りやすくなりましたもん。

中野:なら良かった。

平嶋:セッティングを出してもらった後は、コーナー進入時のブレーキングでリアが落ち着いていて、ブレーキも強くかけられたし、よりスムーズにコーナーに入っていけました。比べちゃうと、元のセッティングではリアが暴れていたんだなって気付きました。スロットルも開けやすくなったんですよ。トラクションが掴みやすくなりました。

中野:900㏄の十分にパワフルなエンジンで、レスポンスが良くてスロットル操作も軽いからね。マシンが落ち着かないとスロットル操作に影響して、挙動がギクシャクしちゃうことがあるかもね。

平嶋:そうなんですよ。不用意にスロットルを開けると、思った以上にマシンが前に出ちゃうことがあって、最初は手強さを感じたりしました。

中野:多少スリリングな部分は、僕は好きだけどなあ?

平嶋:サーキットだと、気になったりするんですよ、私みたいな一般人ライダーは。で、サスセッティングの変更ですごく乗りやすくなりましたけど、どういった意図で、どの部分をどのように変えたんですか?

中野:リアのプリロードを抜いただけだね。油圧式プリロードコントローラーで2回転分。自分が走って感じたことを、平嶋さんの走りに当てはめて考えてみたんだ。まあ、平嶋さんは体重が軽いから、プリロードを抜いた方がいいだろうなって思っただけなんだけど。

平嶋:でも、激変しましたよ? コーナー進入から立ち上がりまで、すべての動きが引っかかりなくスムーズに繋がっているというか……。セッティング前は、ギクシャクしてたんだなって思いましたもん。なんで、あんなに簡単に、セッティングを決められるんですか?

リッタークラスを意識させない軽快感日本人の体格にマッチするサイズ【平嶋夏海】
リッタークラスを意識させない軽快感日本人の体格にマッチするサイズ【平嶋夏海】

中野:僕が走っている時に、他もいろいろいじってみたからね。フロントのプリロードを足したり、リアのプリロードの増減を試したり、リアのダンパーも調整したり。〝こういじるとこう変わる〞というところを探ったんだ。それで〝平嶋さんならこう〞と推測した感じかな?

平嶋:さすがですね。

中野:でも、一発で決まったのは、このバイクだからなんだよね。

平嶋:そんなに、よく出来ているバイクなんですか?

中野:カスタマイズで社外品のショックユニットを取り付けても、セッティングに悩んで性能を活かせないライダーは少なくない。その点、Z900プラザエディションに装着されているオーリンズは、装着されただけの状態でもしっかり走れるから個々に対しては小さなアジャストで大丈夫。

平嶋:なるほど!

【大きなハンドル切れ角抜群の取り回し性】
取り回しにこだわる平嶋さん「タンクカバーがエグれた形状で、ハンドル切れ角が確保されています。Uターンや8の字走行も試してみましたが、リッタークラスを感じさせないくらい、小回りがききますね」とコメント

中野:プリロード調整が油圧式プリロードコントローラーなのもいいね。工具なしで簡単に調整できる。サスペンションセッティングって、走っては変え、走っては変えの繰り返しになるから、作業が簡単なのはとてもいいこと。面倒だと、やらなくなっちゃうから。

平嶋:私もジムカーナに出る時、コースに合わせてサスセッティングを変えますけど、一度変えたら微調整ってあまりしませんね。競技中は時間もないし……。パッと変えられるなら、細かく調整してみたいかも。

中野:そうだよね。ところで、スタンダードのZ900とプラザエディションの価格差って、4万4000円しかないんだね。絶対お買い得だなあ。

平嶋:中野さんがZ900を買うなら、どちらを選びますか?

中野:それは、迷わずプラザエディション一択でしょ! なんたって、リアショックが金色でカッコいいじゃない?

平嶋:ソコですか!?(笑)

KAWASAKI Z900 PLAZA EDITION

PLAZA EDITION専用装備のオーリンズ製リアショックユニットは、油圧式プリロードコントローラを装備。プリロード調整は無段階、伸側減衰力調整は40段階、車高調整機能も装備。細やかで広範囲なセッティングに対応する高性能ユニット
PLAZA EDITION専用装備のオーリンズ製リアショックユニットは、油圧式プリロードコントローラを装備。プリロード調整は無段階、伸側減衰力調整は40段階、車高調整機能も装備。細やかで広範囲なセッティングに対応する高性能ユニット
オーソドックスなスクエア形状のメインパイプを持つスイングアームは、アルミ製で重量わずか3.9kgと軽量。リアサスペンションは、カワサキの独自技術であるホリゾンタルバックリンクを採用する
オーソドックスなスクエア形状のメインパイプを持つスイングアームは、アルミ製で重量わずか3.9kgと軽量。リアサスペンションは、カワサキの独自技術であるホリゾンタルバックリンクを採用する
ヘッドライトまわりの意匠は、カワサキ・スーパーネイキッドのファミリーデザイン“SUGOMI”に連なるもの。Zシリーズのフラグシップ、Z H2を想起させるアグレッシブなデザインワーク
ヘッドライトまわりの意匠は、カワサキ・スーパーネイキッドのファミリーデザイン“SUGOMI”に連なるもの。Zシリーズのフラグシップ、Z H2を想起させるアグレッシブなデザインワーク
インスツルメンツパネルは、フルカラーTFTを採用。画面デザインは、近年のカワサキ車に共通するもの。スマートフォン連携機能も搭載し、専用アプリRIDEOLOGY THE APPに対応
インスツルメンツパネルは、フルカラーTFTを採用。画面デザインは、近年のカワサキ車に共通するもの。スマートフォン連携機能も搭載し、専用アプリRIDEOLOGY THE APPに対応
フロントブレーキは、ニッシン製対抗4ピストンアキシャルマウントキャリパーに、φ300mmのセミフローティングペタルディスクをダブルで装備する
フロントブレーキは、ニッシン製対抗4ピストンアキシャルマウントキャリパーに、φ300mmのセミフローティングペタルディスクをダブルで装備する
ライディングモードは、出力特性とトラクションコントロールの設定が異なる3つのプリセットと、ライダーが任意設定する計4モードを切り替え可能
ライディングモードは、出力特性とトラクションコントロールの設定が異なる3つのプリセットと、ライダーが任意設定する計4モードを切り替え可能
エンジン水冷4ストローク直列4気筒DOHC4 バルブ
総排気量948cc
ボア×ストローク73.4×56.0mm
圧縮比11.8:1
最高出力125ps/9500rpm
最大トルク10.0kgf・m/7700rpm
変速機6速
クラッチ湿式多板
フレームトレリス(高張力鋼)
キャスター/トレール24.9°/110mm
サスペンションFφ41mm倒立フォーク
Rオーリンズ製S46 Type DR1LS
ブレーキFφ300mセミフローティングダブルディスク+ 対向4ポットアキシャルマウントキャリパー
Rφ250mmシングルディスク+片押し1ポットキャリパー
タイヤサイズF120/70ZR17
R180/55ZR17
全長×全幅×全高2070×825×1080mm
ホイールベース1455mm
車両重量213kg
燃料タンク容量17L
価格132万
KAWASAKI Z900 PLAZA EDITION

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