【KTM 390DUKE/TRIUMPH SCRAMBLER 400X/SPEED 400】 外車400㏄ クラス群雄割拠の時代
Impression about HANDLING
トライアンフは車体とサスペンションでハンドリングを作り分ける
RC:次はハンドリングについてお伺いします。スピード400とスクランブラー400Xはエンジンを共用しているものの、メインフレームやトリプルツリーの仕様が違っていたりして、思いの外キャラクターが作り分けられていますが、この辺りはなにか感じました?
原田:トライアンフの2台を乗り比べてみたらスクランブラー400Xの方が好みだった。ホイールベースが長いということが大きいんだと思うけど、直進安定性がいい。車体の動きもこちらの方がサスペンションのピッチングが大きくて乗り心地がいいよね。スピード400は、動きがクイックで足つき性もいいんだけど、スクランブラー400Xくらいゆるいというか、許容範囲が広いバイクのほうが一般道をツーリングするなら面白いかな。
中野:僕は今回、スピード400から試乗を始めたんです。ちょと思ったのは、もっと優しい感じのネイキッド的なハンドリングを予想してたんですよね。
原田:意外と前傾姿勢が強いしね。
中野:そうなんですよ。スポーツ感があって、これはこれで面白いなと思った。次にスクランブラー400Xに乗ったらまったくポジションが違う。確かにシートは高いんだけど、原田さんの言う通りサスペンションがよくストロークするので前後荷重が分かりやすい。タイヤがブロックタイヤ気味なので、最初はどうかな? と思いながら乗っていたけど、ピッチングをきっかけけバイクを操ると意外とスムーズに走らせることができて、こうなると面白い。トライアンフの2台は、似た雰囲気ですが車体とサスペンションでハンドリングの性格がまったく違っていて面白いです。
原田:スクランブラー400Xはロングツーリングに行けるバイクだよね。疲れづらいキャラクターになっている。かと言って曲がらないのかと言うと、そういうわけではない。気持ちよく自然に曲がることができる。確かにシート高だけ見るとこの中で一番足つきは不利だけど、これだけ軽かったら気にならないしね。
中野:軽さは重要ですよね。レーシングマシンってみんな軽いじゃないですか? 僕らが市販車に乗って一番気になるのは、重さとか抵抗、フリクションの多さ。400㏄クラスは車体が軽いっていうだけで、色々な心配から解放されますよね。
原田:スクランブラー400Xの場合、サスペンションが柔らかくて操いやすいから、これはまずは出荷状態のままで乗ってみてもらいたいよね。足つき性が悪くて重いモデルだとなかなか大変だけど、これくらいの軽さだったら、それほど苦にならず乗れるだろうしね。せっかくいい乗り味になっているから、いじらずに乗ってみてほしい。
RC:トライアンフの2台は、同じエンジンを使ったバイクではありますが、ハンドリングがまったく違うんですね。よくわかりました。では390デュークはどうでしょう? KTMはやっぱりレディ・トゥ・レースという雰囲気ですか?
原田:さっきエンジンのところでバイクに急かされる感じと表現したけど、車体も同じで、良くできているし鋭く曲がっていけるから、ついついペースが上がってしまう。サーキットで走ったりするスポーツライティングに重きを置くなら、390デュークの方が断然速く走ることができるのは間違いないね。
中野:390デュークはサスペンションも秀逸で、サーキットでペースを上げて走ってもなんの不満もないですよ。スポーツとしてバイクを楽しむための装備と言えますね。