【CBR600RR/Ninja ZX-6R KRT EDITION/GSX-8R】日本のフルカウルミドル それぞれでの生存戦略【エアロダイナミクスパート】
一般ライダーがサーキットでファンライディングを楽しむためのマシンとして、推奨されることも多いのが、ミドルクラスのフルカウルスポーツモデルだ。とはいえそのキャラクターや長所は、車種ごとに広い振り幅があり、異なっている。’24年に新登場、あるいは熟成された3機種に中野真矢さんが乗り、それぞれの魅力を掘り下げる。今回は電子制御について。
PHOTO/S.MAYUMI TEXT/T.TAMIYA
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トレンドを意識しながら個性ある外装デザインに
エアロダイナミクスは、それぞれ十分に磨かれています。
エンジン形式に違いがあるとはいえ、GSX-8Rは走行中のノイズが少なくて静か。このことから、ウインドスクリーンやフロントカウルなどの空力特性が優れているのではないかと感じました。デザインは個性的で、好みが分かれると思いますが、ストリートからサーキットまで幅広く楽しめるバイクとして、十分な機能が与えられています。
リングにしっかりトレンドを取り入れ、’24年型では最新のNinja ZX-10Rをモチーフとしながら、さらに発展させたフロントカウルを採用。ウイングのようなチンスポイラーは、さらにシャープな雰囲気になり、個人的にはZX-10Rより好みです。
CBR600RRも同じく車体の基本設計は古く、現在では少ないセンターアップマフラーを採用しています。しかしそのセンターアップの長所を伸ばすべく、前面投影面積を減らしてベタ伏せ状態での空力特性を最大限に高めるための設計が施されています。また、現行スーパースポーツのスタンダード装備となりつつあるウイングレットを採り入れるだけでなく、ロアカウルを延長して空気を下方に流す設計とすることでリアタイヤに当たる走行風量を減らすなど、最新のレーシング技術が多数導入されています。
ちなみに、今回の3機種で最も車体がコンパクトに感じるのはCBR600RR。スペック的にも全幅やホイールベースは一番短く、しかも視界に入るスクリーンやフロントカウルがコンパクトなので、かなり小さく感じました。逆に考えると、この車体で確実に空気抵抗を減らすためには、ヘルメットのアゴ部が燃料タンクに触れるくらいしっかり伏せる必要があり、そうやって走ることを前提に外装類がデザインされているCBR600RRは、やはり圧倒的にレーシーです。