今だから『おうちで楽しむモータースポーツ』レース現場の珠玉のドラマDVDはコレ!
MotoGPや全日本選手権なども社会情勢により特別な開催形式となっているいま、レースファンにとってはもどかしい一年となっているだろう。そんな特別な社会情勢にオススメしたいのが、レース関連のDVD。今回はレース現場を最前線で撮影してきたウィック・ビジュアル・ビューロウの増野代表オススメのDVDを紹介する。
今だからこそ見ておきたいDVDをお届け! Wickマシノの『#おうち でモタスポ』
私、マシノがレース現場の撮影を始めたのは1983年。それからバイクを取り巻く世界も激変しているが、この仕事を通じて出会った珠玉の作品を紹介する。
増野知英●Tommy Mashino
ウィック・ビジュアル・ビューロウ代表取締役。レース関連の映像制作や、DVD制作&販売を行いながら、日本のレースシーンを裏側から支える重鎮
1970年代のグランプリロードレースという“ 失われたユートピア”の真実を描いた作品
無敗のMVアグスタに戦いを挑んだプライベーターキム・ニューコム×ケーニッヒ
究極の栄冠を求め夢に生命を賭けた若者、その姿を見守ることに喜びを見いだした女。1970年代のグランプリロードレース、真実のドキュメンタリー。自ら作り上げたマシンで世界選手権に身を投じたキムと彼を支えたジャニーン。その行く末に待ち受けていたドラマとは……。
貴重な映像で綴るドキュメンタリー作品
1970年代、世界グランプリでMVアグスタが絶対的に王者に君臨していた時代。ジャコモ・アゴスティーニやフィル・リードの牙城に挑む男、キム・ニューコムがいた。
10代で幼馴染みのジャニーンと結婚し、ニュージーランドからドイツへ移住。ベルリンの小型船舶用エンジンメーカー、ケーニッヒ社でエンジニアとして働き、その2ストローク水平対向4気筒エンジンにポテンシャルを感じ、ノートンのギアボックスと組み合わせて自作マシンを制作した。そのマシンで世界グランプリに挑むという、プライベーターとしてのロマンを実現した男の物語だ。
72年に参戦を開始しデビューレースでいきなり表彰台を獲得。翌73年にはMVアグスタを従え、初優勝を含む4度登壇を果たし、一時ポイントリーダーとなる活躍も見せたが、シルバー・ストーンのノンタイトルレースで転倒し帰らぬ人となる……。
この作品は〝コンチネンタル・サーカス〞と言われていた当時のパドックを、妻のジャニーンが購入したフィルムカメラによって克明に記録された映像で綴られている。テーマはモータースポーツだが、その舞台で記録された家族との暖かい記憶であり、亡き夫との人生を回想するラブストーリーでもある。バイクとは、家族とは? そんなことを考える機会を与える、数あるバイク映像のなかでもレトロスペクティブな作品だ。
Love,speed&loss『ラブ・スピード・アンド・ロス』
『ラブ・スピード・アンド・ロス』紹介動画はこちら
■価格:4180円(税込)DVD 本編:77分 特典映像:26分
(マシン解説/本編未収録インタビュー/70年代レースシーン/パドックこぼれ話)
■制作年:2005年 問:ウィック・ビジュアル・ビューロウ