G310トロフィー参戦記 激走!雨のレースに挑んだ女性チーム
レース参戦歴2年未満のライダー二人が組んで参戦した今大会。 雨のレースにどうなるかと思いきや、パートナーが奮起。決勝レースも無事完走を果たした。 大人がこんなにも夢中になれるレースだから、やみつきになってしまうんだ。
雨にも負けず… …楽しく完走したセミ耐久
みなさんこんにちは。筆者の伊藤英里です。今回は、7月4日にツインリンクもてぎで開催された、G310トロフィーに参戦した模様をお届けしたいと思います。当日はほとんど雨でした。容赦なく降る雨、濡れる路面、滑るタイヤ。私はといえば、雨と濡れた路面にすっかり萎縮していました。
しかしそんな中、予選ではパートナーの並河真奈さんがネオスタンダードクラス1番手タイムを記録、つまりポールポジションを獲得したのです。ピットに戻ってきた彼女の表情は実に晴れやかで、「最高にうれしい」と笑顔を見せていました。ちなみに予選クラス2番手は本誌・河村編集長。僅差での2番手に、後日、悔しさが募っていたとか……。
今回、二人で参戦した私たちの目標は「完走目指して、楽しもう」。路面状況にもひるまずに予選を走った彼女の笑顔を見ていると、次第に萎縮していた心がほどけていくような気がします。私のタイムは穏やかにして控えめ。それでも自分なりに全力でレースをしよう。そう心に決めました。
心強いチームメイトがいてよかった、ともこっそり感謝。一人だったら、ガチガチに緊張したままレースを走っていたかもしれません。20周の決勝レースが始まるころ、一度は止んだ雨が再び路面を濡らしていきました。
スタートライダーは並河さん。初めてのスタートライダー、初めてのル・マン式スタートに緊張していた様子でしたが、無事に走り出して順調に周回を重ねます。G310トロフィーは1名または2名での参戦が可能で、最低1回、2分間のピットストップが必要です。
この2分間という時間に、レースビギナーへの配慮を感じます。9周を走った並河さんが、ライダー交代のためにピットイン。「滑るから気をつけて」とアドバイスをもらうと、落ち着いてコースインしました。
こういう感じ、鈴鹿8耐ライダーみたいだなあ、などと若干浮かれたのはここだけの話。もちろんあくまで気分なのですが、走りは控えめ、けれど“気分はちょっとだけレーサー”を味わえるのが、草レースのいいところです。
しかし、いざ走り始めると「こんなに路面が滑る中をあと何周走らなくちゃならんのだ!?」と泣き言が脳内を駆け巡っていました。けれど周りの参加者と一緒になって周回を重ねるうちに、次第におもしろくなってくるから不思議なもの。あくまでも冷静に無理はせず、自分なりに全力で走っていると、シールドを打つ雨粒も気にならなくなっていきます。
ビクトリーコーナーを立ち上がり、アクセル全開。そしてメインストレートを加速していくと、チェッカーフラッグが目に飛び込んできました。結果は、クラス7位、レディスクラスで表彰台を獲得。けれど、笑顔で終わったことが何よりの結果……なんて、少し格好つけすぎでしょうか?
START!
FINISH!
Congratulations!! 本誌・河村がクラス2位表彰台を獲得
予選は、0.024秒差で並河さんにポールを奪われました。ここまで僅差だと、後からじわじわ悔しいです。あとひと開けが……(笑)。なので、グリッドは当然横並び。上のスタートの写真で、並河さんの隣の白いレインスーツ姿が私です。
決勝は、スタートでこそ並河さんの前に出られましたが、130Rで抜かれS字で抜き返し、とバトルを楽しませていただきました。雨のもてぎを走ったのは、2011年のもて耐マスターズ最終戦以来10年ぶり。今回10年分の雨を浴びたので、きっとこの先しばらくは、ドライでレースを楽しめると思います(笑)。(河村聡巳)