女性ライダーが増えた理由、どう考える?【バイク女子部のRide on Time】
バイク女子部のRide on Time
Facebookのグループ「バイク女子部」スタッフによる連載企画。 最近と~っても増えている女性ライダー、その理由はなぜなのか? バイク女子部を主宰するマツザキが思いを巡らせてみました。
コロナ禍とSNS
今回は、最近増えている女性ライダーについて、個人的に感じていることを書いてみたいと思います。あくまで主観なので、それは違うんじゃない? と思われる方もいるかもしれませんが、そのあたりはご容赦いただければと思います。
さて、フェイスブックの「バイク女子部」ができたのが2013年。さらにさかのぼって、私が二輪の免許を取ったのは1990年のことでした。その間、女性ライダーは本当に少数派で、街を走っていても、バイクに乗る女性と出会うことはあまりありませんでした。
とはいえ、80年代のバイクブームの頃は、三好礼子さんや堀ひろ子さんのように見目麗しくライディングスキルも高い女性ライダーにはファンが多く、バイク雑誌はもとより一般誌やTVでも取り上げられるほど注目の存在。
そういった女性に憧れてバイクに乗り始める女性も多かったはず。
その頃、私自身はバイクには乗っていなかったので、話を聞いたり、当時の雑誌を見たりして知るわけですが、ここ1〜2年の女性ライダーの増加はまさにその頃に匹敵するのでは? と感じます。
SNSでは「バイク+女性」の写真をたくさん目にするし、ユーチューブでもバイクを楽しむ様子を紹介する女性たちのなんと多いこと!バイク女子部でも「最近、免許を取ったばかりの新米ライダーです」とか「バイク女子の友達が欲しくて」と参加される方が増えています。
では、なぜ女性ライダーがこんなにも増えたのか?
それはライダー全般に言えることですが、コロナ禍が大きく影響しているのは間違いないと思います。
私自身、今年の8月中旬にオープンした、女性ライダー向けのセレクトショップ「モトーリモーダ ドンナ」の店頭に立って接客をすることもあるのですが、先日お話を伺った女性が普通二輪免許を取得した理由は「コロナ禍で仕事が休みになり、時間ができたから」とのこと。
加えて「バイクってカッコいい」と思ったからだそうです。
たしかに社会人になるとなかなか教習所に通う時間は取れない。それがコロナで仕事が休みになったり、リモートになったりして自由な時間が増え、以前から気になっていたバイクの免許を取りに行けたのだと言う。
学生時代はスクーターで移動していたため、バイクの便利さは分かっていたそうで、さらに、バイクでの移動はソーシャルディスタンスを保てるというメリットもある。
最近では教習の予約が取りづらかったり、入所すら半年待ちという話も聞くけれど、それほど二輪免許を取りに行く人が増えているのです。
カッコよくて乗りやすい
「バイク=カッコイイ」が女性に浸透してきているのも理由のひとつだと思います。先日、街を歩いていたらバイクと女性が登場する大きな看板広告があり、よく見るとそれは女性に人気のファッションビルの広告で、こういったビジュアルにバイクが使われていて驚きました。
バイクを見て「カッコいい=乗りたい」と思うのは一般的には男性。でも今の時代、女性もバイクに「乗りたい」と思うようになったのは、SNSなどで女性ライダーを目にする機会が増え「自分にも乗れそう」とバイクを身近に感じているからかもしれません。
だから愛車選びの際も、バイク雑誌やメディアではなく、インスタグラムを見て選ぶと言います。
しかも、みんな楽しそうに乗っているから「バイク=楽しい」というのも刷り込まれている。コミュニケーションツールとしての一面も含め、令和のバイクブームにS NSは欠かせない存在になっています。
女性や初心者に優しいモデルが増えたのもあります。とくに人気なのがホンダ・レブル。
クルーザータイプのバイクなので女性でも足着きがよく、排気量は普通二輪免許で乗れる250㏄から、ロングツーリングでも疲れない大排気量の1100㏄まである。
女性にとって、足が付くか付かないかは大問題で、またがった時点で足が届かないと、いくら見た目が気に入ってもバイク選びの選択肢からは外れてしまうのです。
またホンダのカブやハンターカブも人気で、1台目のバイクとしてはもちろん、セカンドバイクとして購入している女性も多い。
アニメ「スーパーカブ」の影響も大きいはず。これまでのカブのイメージを覆す可愛いカラーリングの登場や、キャンプブームの影響もあって〝カブ女子〞もかなり増えた。こちらも納車まで半年待ちという話をよく聞きます.
女性が長く乗るために
このバイクブームはきっとしばらくは続き、女性ライダーも増えると思う。でも、女性は出産や子育てでバイクに乗れない時期も出てくる。
先日、バイク女子部主催のツーリングでは、産後久しぶりにリターンする、ママライダーが参加してくれました。ひとりで走るのが不安とのことで、私たちが企画したツーリングに参加してくれたのです。
ご主人とお子さんもクルマで移動し、現地でさりげなく合流するという、微笑ましいツーリングになりました。
ママライダーがバイクに戻るためには本人の気持ちも大事だけど、ご主人や家族のサポートがとても大事だということを改めて実感しました。
バイクはひとりでも乗れる乗り物だけど、仲間と一緒に走ったり、家族のサポートがあることで、より楽しく快適にバイクライフを楽しむことができます。
せっかく頑張って取ったバイクの免許、眠らせたらもったいない。バイク女子部ではそんな女性ライダーを今後もサポートしつつ、バイクの楽しさを発信していけたらと思っています。