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現代バイク用語の初級講座【水冷・空冷・油冷エンジン】

何かと専門用語が多いバイクの世界。自分でも使うけど、実はよく知らない……なんていう言葉も多いはず。「今さら」なんて言わずに、Let’s Study!

エンジンは発熱するから要冷却!【水冷・空冷・油冷】

バイクに採用されているガソリンエンジンは、ガソリンを燃焼させて得られる熱エネルギーを、運動エネルギーに変換する装置と言っていい。ただし、その変換効率は100%ではない。現状、最高レベルで40%程度と言われており、この変換効率をいかに向上させるかが、性能アップのテーマである。 

さて、発生したエネルギーの40%が動力として使われるとして、残りの60%はどこに消えるのか? その多くは、熱や音として損失されている。特に大きな比率を占めているのが熱だ。ガソリンエンジンの稼働中は、運動エネルギーと熱エネルギーを発生し続けている。 

エンジンの主要部品は強固な金属で作られているが、熱を加え続ければ壊れてしまうので、放熱させる必要がある。もっとも古くからある冷却方法が「空冷」で、エンジン本体に走行風をあてて放熱させる。現在、主流となっている「水冷」はエンジン内部、主に熱源となっているシリンダーの周囲に冷却水の経路を設け、冷却水が熱を受け取り、ラジエターで放熱する。そして、「油冷」は、エンジンオイルに冷却水と同様の役割を担わせるシステムとなっている。 

空冷は構造がシンプルで低コストだが、放熱性の限界が低い。水冷は放熱性に優れ高性能が狙いやすいが、部品点数が多くなる。油冷は、その両者の中間的性格……と、それぞれにメリット、デメリットがある。そのバイクに求められる性能の違いで、冷却方式が選択されているのだ。

シリンダーの周囲にウォータージャケットと呼ばれる、冷却水経路が設けられ、内部を冷却水が通過するときに熱を吸収し、ラジエターで放熱。放熱性が高く、エンジン温度を安定させやすい。
空冷エンジンの外観的な特徴でもある、シリンダーやシリンダーヘッドの周囲に設けられた冷却フィンは、エンジンの表面積を増やすことで放熱性を向上させるためのものだ。
初代油冷エンジンは1980年代半ばに登場。オイルクーラーで冷却したオイルを、シリンダーヘッドに噴射して冷却効率を上げるシステムで、空冷の発展形的エンジンだった。
ジクサー250に搭載される新型油冷エンジンは、シリンダーヘッドの動弁系の周囲に、冷却のためのオイル経路が設けられている。より積極的な冷却が可能となった。

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