現代バイク用語の初心者講座【ツインショックとモノショック】
何かと専門用語が多いバイクの世界。自分でも使うけど、実はよく知らない……なんていう言葉も多いはず。「今さら」なんて言わずに、Let’s Study!
性能か? コストか? テイストか?
かつて、バイクのリアサスペンションは、スイングアームの左右にショックユニットを直付けし、フレームのシートレールで支持するツインショックしか存在していなかった。モノショックが登場したのは、70年代前半。ヤマハのモトクロッサーに搭載されたモノクロスサスペンションは、スイングアームに三角構造を持たせ、車体と水平に近い角度でマウントされたショックユニットだった。当初は、ショックユニットが車体の中央に配置できることによるマスの集中化と、ストローク量の増大がメリットと考えられていたが、リンク式サスペンションの登場で、その優位性が明確になる。
リンク式サスペンションとは、ベルクランクやリンクプレートといった部品を用いることで、テコの原理を利用してスイングアームとショックユニットの支点、力点、作用点を漸次的に変化させるもの。簡単に言えば、スイングアームの動きが小さい低荷重時にはソフトに、高荷重時にはハードにと、サスペンションの動きを変えられるというものだ。
現代の高性能バイクは、モノショックのリンク式リアサスペンション採用車がほとんどだが、ショックユニット自体の進化によりリンクレスのモノショックでも高い性能を発揮するモデルも存在する。あえてツインショックを採用するのは、スタイリング面での要求か、スイングアームピポット付近のスペースを活用するため。もしくは、構造が簡単なためコスト面で有利という例が多い。
◎ツインショック
コンベンショナルなツインショックは、性能面でのメリットは小さい。一方でショックユニットが剥き出しでマウントされるため、脱着や清掃、セッティング時の作業のやり易さなど、扱いの手軽さは無視できない。
◎モノショック
性能的には大きなアドバンテージを持つモノショックだが、ショックユニットが車体中央のエンジン近くに配置されるため、熱への対処が問題になる場合がある。また、メンテナンスが面倒な車種が多い。